試験
「ようこそ!Lucid dreamingへ!!」
重くなった足取りでゆっくりと進んだ先で、弾けるような笑顔でみゆが立っていた。
みゆの大声とみゆの鳴らしたクラッカーで耳が一瞬聞こえなくなった。
そんなみゆの隣で能面の様に表情を変えないアーイシャとリナの存在が嫌に目についた。
「気は済んだ社長。」
「そういう言い方言われるとなー。」
みゆはリナの言葉に少し気分を悪くしたように顔をしかめた。
微妙な空気の中でアーイシャが声をあげた。
「私は認めてないよ。」
「アイちゃん。何度も説明したじゃん。」
「何度、説明してもわからないんだよ!」
「納得してもらうしかないんだけどなー。」
二人の言い争いの中。私は意を決して声をあげた。
「アーイシャさん。」
「なに?」
明らかに不機嫌な返事が返ってきた。
「チャンスをくれないですか。」
「チャンス?」
「はい。私も覚悟を決めてここに来ました。」
「さっきまであんな感じだったのに。」
「そこから変わったんです!」
「こ……言葉だけでしんじられない。」
私はまっすぐにアーイシャの目を見つめて言った。
少しアーイシャがたじろいでいるように見えた。
「それなら今から録音してみようよ!」
みゆが名案を思い付いたかのように目を輝かせていった。
「この部屋にはレコーディングができる設備が整っているからごんちゃん、金剛寺飛鳥ちゃんの声やってみてよ。」
「それは……」
アーイシャが割って入ろうとしたがみゆはそれに被せる様に言った。
「試しだからさ。それに一度聞いてみれば納得できるはずだよ。言ってみれば試験みたいなものだね。」
「それでも……」
「お願い!アイちゃん!」
拝み倒すみゆと困ったように視線を外しながら考え込むアーイシャ。
均衡を破ったのはリナだった。
「いいんじゃない。やってみれば。」
「リナ!」
「そんな睨まないでよアーイシャ。」
「なんのつもりなの?」
「言ってみれば試験しようって話でしょ。しっかりと実力を見せてもらえればいいでしょ。」




