四面楚歌
「ごんちゃん!遅い!!」
奥からみゆが勢いよく走ってきた。
弾けるような笑みと行動で場の空気を一瞬にして変えた。
「そこまで言うなら証明してね。」
その中、釘を刺すような一言を耳元で囁かされた。
しかし目の間にはみゆがいる。
味方であり、守るべきであるものがいる以上私の決意は変わらない。
「どうしたの三人とも中に入って。りー、準備はできてるんでしょ。」
みゆが我慢しきれないようにはしゃいでいる。
リナが私を遮るように身を乗り出した。
「はいはい。出来てるよ。そんな焦らせないでよ。」
「みんなで見ようね。私たちが初めて作ったキャラクター。」
「そもそも、社長が焦らしてたんでしょ。」
「みんなで見るっていうのが大切なの。」
「はいはい。そこの方がいないといけないんでしょ。」
「そこの人じゃないでしょ。ごんちゃんにはちゃんと名前があるんだから。」
「私たちが作った娘と同じ名前はどうかとおもうけどね。」
「いい、先にごんちゃんがいたのそれに私たちがキャラクター化させたの。間違えないで。」
リナとみゆは言い争いをしながら中に入っていった。
私も中に入ろうと靴を脱ごうとした時腕を掴まれた。
「私も認めていないから。」
アーイシャはそう言い残し、足早に中に駆けていった。
ー逃げるなら今だ。
心の中の誰かが言った。
私はこれからこの声と戦い続けるのだろう。
今はすぐにこうして中に入っていけるがずっと続けない。
そう思うと一瞬足が重くなる気がした。




