Lucid dreaming
「Lucid dreaming……。」
私は無意識にその単語を口ずさんでいた。どこかで聞いたことのある様な英単語。
英語に強くない私がなぜか覚えているその言葉は何かとても大切なもののような気がした。
「そう、覚えているごんちゃん!」
「う、うん。」
私はみゆの勢いに押されて反射的に嘘をついた。
「そう!だから一緒にカンパニーを立ち上げよう。ごんちゃん。」
『社長。どうでもいいんだけど、相手はだいぶ戸惑っているみたいだよ。ゆっくり説明してあげたら。』
画面の向こう側から助け舟を出すような声が聞こえてきた。
「確かにそうだね。じゃあどこから話せばいいかな……。」
『本当に考えなしなんだね、まずは社名から話したらどう。』
「りー、全然わかってないんだね。この名前はごんちゃんが考えたんだよ!だからそんな説明しなくても……」
『順序ってものがあるでしょ。全部説明しないとね。』
一瞬、画面の向こう側の意識が私に向いたような気がした。
「リーが言うならそうなんだろうな。
じゃあごんちゃん改めて説明するね。
私はごんちゃんとやりたいことを全部やりたくて、Lucid dreamingって言う会社を立ち上げたんだ。
VTuberの事務所の会社でアーイシャがイラストを描いて、私がそれを動かすプログラムを書く。まずはゴンちゃんに第一号としてデビューしてもらいたいんだ!」
「え?」
私の思っているいるよりもスケールの大きな出来事に言葉が出なかった。