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12.事前打合せ

冒険者ギルドでは、まだ三人組が話を続けていた。


「タケルとあの女、出ていっちゃったにゃ。良かったのにゃ? あの女、性格に難ありそうにゃけど?」


 パーティーに加えてもいいと言った言葉の真意を測りかねたハンナがサシャに問いかける。


「いいよ。考えるって言っただけだし」


「にゃ!? 本当は入れる気ないのにゃ? サシャは悪い女にゃね~」


 ハンナが驚き、ぶらぶらさせていた尻尾がピンと立つ。


「ん? でも本当にタケルが推薦するなら前向きに考えるよ。最近、三人でできることにも限界みたいなのを感じてるしね~」


「――そうね。そろそろ…、考えなきゃね」


沈黙していたキャロルも頷く。


「にゃっ! キャロルも考えてたのにゃ!?」


ハンナが更に驚いたとばかりに目を白黒させながらキャロルの顔を覗きこむ。サシャだけでなく、キャロルまでもパーティーの増員を考えていたことにハンナは驚きを隠せなかった。


「そう。色々とね、考えもする」


「ぬぬぬ。そうなのにゃ? それであの女でいいのかにゃ? タケルがあの女に買収されたり、脅されて推薦してくる可能性あるにゃよ?」


「――タケルについては、ハンナが一番わかってるんじゃない?」


「!?」


 サシャが意味あり気な顔で、ハンナの目を見つめる。


「まぁ、細かいことを言うつもりはないけどさ。彼、そんなタイプでもないでしょ? 随分とお人好しみたいだけど」


「……、タケルは… 嫌な感じしないにゃ」


「そうね… 彼、猫好きっぽいものね」


「なんにゃ! それ!」


「まぁまぁ、いいじゃん。あいつらが帰ってきたら考えようよ」


むきになってキャロルに食いつくハンナをサシャが宥める。





「それじゃ、早速、ダンジョンに向かうわよ!」


「ちょっと、えっ、本当に? 待ってよ! 一旦、状況を整理しよう」


 ギルドを出た後、僕は、強引にダンジョンに連れて行こうとする星宮を必死で説得し、ギルド近くの冒険者御用達の食事処「全力満腹亭」で話し合うことにした。


 「全力満腹亭」は冒険者の胃袋を掴むようなボリュームたっぷりの食事に、度数の強いお酒も扱う、正に冒険者のためのお店って感じだけど、軽食やソフトドリンクなんかも扱っており、昼間の時間帯も結構賑わっている。僕らのように冒険の計画を話し合っているパーティーもそこらにいる。


 で、本当に星宮は強引だなぁ。


 余程、腕に自信があるのかな?


 僕はそっと星宮を鑑定する。


 ・

 ・

 ・

―――――――――――――――――――――――――

名前  : 星宮 あかり

種族  : ヒューマン

年齢  : 18歳

職業  : ガンナー

HP   : 110

MP   : 120

SP   : 140

力    : 70

魔力  : 105

素早さ : 100

身の守り: 90

知力  : 120

スタミナ: 80

運    : 60


■スキル

 異世界言語

 料理中級

 裁縫初級

 掃除初級


■ユニークスキル

 エレメンタルショット


■称号---

 

 おおおぇ! つ、強い! 


 ステータスは三桁を超えているものも多いし、この辺の冒険者なんか目じゃないじゃないか!!!


 というか、僕よりも全然強い!!SP以外のステータスは、それこそ桁違いって感じだ。うんうん。これなら自信があるのも頷ける。


 確かに一人でダンジョン攻略もできそうだ。


 このステータスに、王宮でも評価の高かったユニークスキルのエレメンタショットがある。


 たしか魔法の銃を生成して、魔法の弾丸を撃つんだったかな。王宮でも絶賛されてたもんな~。きっと、相当優秀なスキルのはず。


 それに、この称号は――


 えっ!?


 …


 な、なるほど。


 人は見かけによらないというか、なんというか。


 ちょっと彼女の見方が変わったかも。


 うん。本当に彼女と組んでもいいかもしれない。


 よし。


 気を取り直して、僕は星宮に話しかける。


「星宮さん。君が僕と違って強いのはわかるけど、何の準備もなくダンジョンに行くのは反対だよ。せめて、最低限の装備や道具を揃えて、少し攻略の打ち合わせをしない?」


「あれ? 私、アンタに名前教えたっけ?」


「えっ! 召喚された時、召喚された人達は、順番に自己紹介したでしょ」


「あぁ、そうだったかな? 興味なかったらから聞いてなかったかも」


 くっ、どうしよう。やっぱり上手くやれないかも。


更新遅くてすみません。


また、読んでいただきありがとうございます。

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