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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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圧縮空気

コミカライズ第1巻は10/15発売です!よろしくお願いします!

 本音を言うと、あまり大丈夫ではない。呼吸は苦しく、起き上がることもできない有様である。【怪力】をこの身で味わったのは鮫島との闘い以来だが、やはりとんでもない威力だ。



『ごめん秋人、私がもっと早く伝えていれば……!!』

「いや……春香が偽者だと見抜けなかった……俺が悪い……」



 運良く見つかりにくい場所に落ちたが、それも時間の問題だろう。こんな状態で見つかったら最後、確実に殺される。


 やばい意識が……ここで気を失ったらどうしようも……朱雀に見つかる前になんとか……駄目だ……もう……。



  ☆



 一方、ビル屋上における昼山と赤来の闘い。左手から威力を高めた空気弾丸を放ち、勝利を確信した赤来であったが――



「!?」



 予想外のことが起きた。なんとクマが昼山を突き飛ばし、赤来の攻撃に対して身代わりとなったのである。



「……ワン!!」



 空気弾丸が胴体を貫通し、床に倒れるクマ。昼山は大きく目を見開いてクマのもとに駆け寄った。



「ハッ、ハハハ! すげーなそのクマさん! 俺様が弾丸を放つより前に動き出してやがった! 動物の危機察知能力って馬鹿にできねーもんだなあ!」



 間もなくクマは昼山の前から煙のように消滅した。昼山の【守護霊】によって召喚された動物は元々〝霊〟なので死の概念がなく、この消滅は一時的なものである。しかし一度消滅すると、十二時間が経過しなければ再び召喚することはできない。



「しっかし感動的じゃねーか、クマさんが自らご主人様の盾になるなんてよ! 優秀な下僕を持って幸せだなあ! 拍手喝采だぜ!」

「……下僕、だと?」



 その言葉が逆鱗に触れたのか、昼山は鋭い目つきで赤来を睨みつける。



「おー怖っ。だって所詮はスキルで呼び出しただけの動物だろ? そんでご主人様の為に闘いご主人様の為に散る。これが下僕じゃなくて何なんだよ」

「……撤回しろ。ワンは俺の家族だ。侮辱することは許さん」

「はぁ? 家族ぅ? おいおい、お前そんなにイタい奴だったのかよ。しかも名前まで付けちゃってさあ。たかが動物を家族とか――」

「もう一度言う。俺の家族を侮辱することは許さん」



 凄まじい威圧感を放つ昼山に、思わず赤来はたじろいだ。



「……あーはいはい、悪かったよ。そんなことより今の状況分かってるか? 圧縮空気で守られてる俺様に攻撃は一切通用しない上、お前は大切なクマさんを失い戦力ダウン。つまりお前の圧倒的不利ってわけだ。こっからどうするよ?」

「……安心しろ。策なら既に考えてある」

「何……?」



 どうやらハッタリではなさそうだと、赤来は警戒を強める。昼山は駆け出し、赤来に向けて四方八方から拳を炸裂させる。が、やはり圧縮空気によって全て弾かれてしまう。それを見て赤来は失笑した。



「おいおい、まさかひたすらパンチするのがお前の策か? 言っただろ、俺様に攻撃は一切通用しないってな!」



 やがて昼山は攻撃をやめ、赤来と距離を取った。



「今のでだいたい分かった。お前の圧縮空気は、コンクリートの床を基盤としてお前を囲むようにドーム状に形成されているようだな」

「大正解! よってどの方向から攻撃しても無意味ってわけだ!」

「……どの方向から攻撃しても、か」



 そこでふと、赤来はあることに気付いた。ここまで昼山を乗せてきたワシが、いつの間にか姿を消している。一体どこに――



「うおおっ!?」



 その時、赤来の足下の床を突き破りながらワシが姿を現し、赤来の身体が宙に舞い上がった。昼山は自分とクマが赤来の注意を引きつけている隙に、ワシを床下――つまりビルの最上階に潜ませていたのである。昼山の見立て通り圧縮空気はビル内部までは及んでおらず、赤来も床下から攻撃されるのは完全に予想外であった。


 基盤が崩れたことで圧縮空気が維持できなくなり、赤来は無防備状態となる。この機を昼山が逃すはずもなく、高らかに跳躍して赤来と空中で向かい合う。



「やべっ……!!」



 赤来は目の前に簡易的な圧縮空気を形成して身を守ろうとするが、間に合わず。昼山の渾身の拳が赤来に炸裂した。



「がふぁっ!!」



 赤来の身体は勢いよく吹き飛び、地上に叩きつけられた。四十階近くあるビルの上からの落下。いくら仮転生体でもまず生きてはいないだろう。


 しかし生死の確認を怠るほど昼山は軽率ではない。昼山はワシの背中に飛び乗り、赤来の落下地点へと向かう。赤来の消滅を見届けて、初めて昼山の勝利と言えるだろう。その消滅が終わる前に――



「!!」



 突如、落下地点から〝何か〟が放たれ、ワシの左翼を貫いた。それによりワシはバランスを大きく崩し、昼山は空中に放り出されてしまった。


 間違いない、今のは赤来の空気弾丸である。まさか赤来はまだ生きているというのか。昼山はワシと共に地上へ落下した。



「ぐっ……ツー……!!」



 昼山は歯を食いしばって立ち上がり、ワシのもとに歩み寄る。しかし昼山の手が触れる前に、ワシは消滅してしまった。落下のダメージに加え、空気弾丸は距離が遠くなるほど威力が上がるため、先程の一撃は致命的であった。

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