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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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あからさまな罠

書籍第1巻は8/10発売、コミカライズはコロナEXにて8/8連載開始です!

「だってずっと同じ姿だとつまらないでしょ? 同じ味のアイスを食べ続けたら飽きちゃうのと一緒。私はいろんな味を楽しみたいのよ」

「…………」



 本当にそれだけか? どうにも怪しい。



「それにしても、ここは道幅が狭くて闘いづらいわね。この先にある公園に場所を変えましょ」



 そう言って朱雀は愛城の姿に変身し、地中に潜った。あからさまに罠だが、このまま逃がすわけにはいかない。俺は公園の方へ走り出した。



「真冬。最初にあいつが地中に潜った時、どの姿だったか見えたか?」



 移動時間を利用し、俺はインカムを通じて真冬に尋ねる。



『一瞬だったからハッキリ見えなかったけど、姿を誰かに変えていたような……。映像を巻き戻して確認するからちょっと待って』

「頼む」



 数秒後、真冬から返答が来た。



『確認できた。地中に潜る直前、変身女は秋人から愛城に姿を変えてる』

「サンキュ」



 やはりその時も俺ではなく愛城に変身して【潜伏】を使っている。俺の姿でスキルを使わないのは何か理由があるのか……?


 そんな疑問を抱えたまま、俺は公園の前に着いた。その中心で俺を待ち構える朱雀。奇しくもこの公園は俺と愛城が闘った場所である。一見変わった様子はなさそうだが……。



『秋人、変身女はどんなスキルを使ってくるか分からない。油断しないで』

「ああ」



 幸いにも朱雀は今のところ俺の見知った人物にしか変身していないが、この先俺の知らない人物を披露してくる可能性は十分ある。そうなったらどんなスキルを繰り出してくるか分からないし、常に気を張っておかなければ。



「どうしたの? もしかして怖じ気づいた?」

「ハッ。まさか」



 明らかに誘っているな。この距離では氷塊を放っても、また地中に回避されるのは目に見えている。いいだろう、乗ってやる。



『待って秋人!!』

「っと!」



 公園に入ろうとした、その時。真冬の大声で俺は反射的に数歩後退した。



「びっくりした。どうした真冬?」



 俺は真冬と短めの〝やりとり〟をした後、改めて公園に足を踏み入れた。



「!!」



 その瞬間、入口の銅像が突然爆発し、俺は巻き添えを喰らった。朱雀は変身していないので、奴がスキルを使っていないのは明白だ。



「掛かったわね! その銅像には人感センサー付きの爆弾を仕掛けておいたのよ!」



 朱雀が勝ち誇ったように叫ぶ。やはり、か……。



『秋人、大丈夫!?』

「……問題ない」



 服についた土埃を手で払いながら、俺は立ち上がった。



「あら? 腕の一本くらい吹き飛んでもおかしくなかったのに、よく無事だったわね」

「生憎、こっちには優秀なサポーターがいるもんでな」



 咄嗟に爆発から身を守れるほど俺の反射神経は優れていない。俺が無事だったのは真冬のおかげだ。遡ること数十秒前――



  ☆



「びっくりした。どうした真冬?」

『空中のドローンが、その公園内から複数の危険物を検知した。おそらく爆弾』

「爆弾……!?」



 背筋に悪寒が走る。真冬がストップをかけてくれなかったら、俺は爆弾の餌食になっていたのか。スキルにばかり気を取られていたが、文字通りの罠を仕掛けてやがった。味な真似をしてくれる。



『今すぐ爆弾の正確な位置を割り出すことはできないけど、きっと遊具の裏とか見つかりにくい所に設置してると思う』

「……そうか」



 公園に爆弾が仕掛けられているのは分かった。しかし外から朱雀を眺めているだけでは埒が明かない。



『どうする? わざわざ罠に飛び込む必要はないし、ここは一旦退いて――』

「いや、このまま行く」

『秋人!? 私の話聞いてた!?』

「ああ、バッチリ。俺に考えがある」



 まず公園の入口には高確率で仕掛けられているだろう。公園に入る際に必ず通る所なので、そこが最も狙い目だと普通なら考える。手始めに爆弾の威力がどれくらいか把握する為に、敢えて爆発させてみよう。


 公園に足を踏み入れるのと同時に【氷結】を発動して身体を覆うように氷壁を張れば、威力はかなり殺せるはずだ。仮転生体は普通の身体より頑丈だし、少なくとも死ぬことはないだろう。爆発の瞬間に【入替】を発動して適当な物体と俺の位置を入れ替えることも考えたが、それではおそらく間に合わない。


 真冬が言ったように、わざわざ罠に飛び込む必要はないかもしれない。だが朱雀を倒す為なら、この程度のリスクは負ってやる。虎穴に入らずんば虎児を得ず、だ。



  ☆



 俺の予想通り、公園の入口にしっかりと爆弾が仕掛けられていた。さすがにノーダメージとはいかなかったが、氷壁のおかげで致命傷にならずに済んだ。



『まったく無茶なことを……!!』

「まあ、確かに無茶だったかもな」



 だが公園を丸ごと吹き飛ばすほどの爆弾だったら朱雀自身も巻き込まれかねないし、そこまでの威力はないという確証はあった。これで爆弾の脅威は去った――と言いたいところだが、真冬は先程「複数の危険物を検知した」と言っていた。



「どうやら仕掛けた爆弾は一つだけじゃなさそうだな」

「正解。朝早起きして頑張って仕掛けたんだから、存分に楽しんでちょうだい」

「そいつはご苦労なこった」




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