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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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本物or偽物

「春香ちゃん……今なんて……?」

「え? だから、期末テストも頑張れって言ったのよ」

「キマツテスト……? ワタシニホンゴワカラナイ……」



 どうやら期末テストの存在をすっかり忘れていたらしい。当然ながら範囲は中間テストよりも断然広い。



「春香ちゃーん!! また勉強教えてほしいにゃー!!」

「これ以上は面倒見きれないわよ!!」

「はは……」



 いや俺も笑ってる場合じゃないな。また赤点を取らないように勉強しないと……。



「春香、少しでも何か異変を感じたらすぐ俺に知らせるんだぞ! いいな!?」

「はいはい。まったく、相変わらず過保護なんだから」



 俺は何度も念を押して、廊下で春香と別れた。つくづく春香と別クラスなのが悔やまれる。何事もないといいが……。





「なあ秋人。今ってほら、ジェンダーレスの時代って言われてんだろ? 男女の境界をなくそうって感じで」

「……そうだな」

「だったら風呂もトイレも男女共同にしていいと思うんだよな。これぞ真のジェンダーレスだ。秋人もそう思うだろ?」

「……そうだな」



 圭介のどうでもいい話を聞き流しながら、俺は二年A組の自分の席で朝のホームルームが始まるのを待つ。こいつが政治家に立候補したら100%落ちるだろう。やがてチャイムが鳴り、担任の先生が教室に入ってきた。



「えー。突然ですが、皆さんに転入生を紹介します」



 この先生の一言で、クラスがザワつき始めた。



「おい聞いたか秋人、転入生だってよ! くうー、こういう高校っぽいイベントずっと待ってたんだよ!」

「……一応俺も転入生なんだが」

「え? ははっ、そうだったすっかり忘れてたぜ。いやー、あの時はアレだったな。B組の転入生が超可愛い女子だった反面、こっちはお前だもんな」

「どういう意味だそれは!」



 言うまでもないが超可愛い女子というのは春香のことだ。おかげで俺のハードルが無駄に上がり、皆の期待を裏切ってしまったのは苦い思い出である。



「けどまあ、今となってはお前が転入してきてくれてよかったよ。こうして良いダチになれたんだからな」

「何だよ急に、気持ち悪い」



 この俺と圭介のやりとりを、近くの女子二人がヒソヒソ話しながら見ていた。



「ねえ、月坂君と石田君ってやっぱり……!?」

「薄い本が熱くなるわね……!!」



 おい俺と圭介でそういう妄想するのやめろ。今は転入生に意識を向けてくれ。



「男子だろうな、女子だろうな!? 秋人はどっちだと思う!? 俺は女子に賭けるぜ!!」

「どっちでもいいわ」



 しかし夏休み直前という半端な時期に転入してくるとは、どうにも怪しい。まさかとは思うが、あの変身女? そんな堂々と現れるとは思えないが……。



「では、入ってください」



 先生の合図でドアが開き、その転入生が入ってきた。女子だ。圭介の予想は的中したようだが――



「なっ……!?」



 その女子が教壇に立って正面を向いた瞬間、俺は目を見開いた。なんとその人物は、以前俺が闘った転生杯参加者、神崎美奈であった。



「見ろ秋人、大当たりだ!! しかもめっちゃ美人!! っしゃあーーーーー!!」



 圭介が歓喜の声を上げているが、俺はそれどころではなかった。


 本物? それともあの変身女? こんなタイミングで神崎本人が転入してくるとは考えにくいし、やはり変身女か?


 あの時の闘いでは神崎に逃げられてしまったので、神崎はまだ脱落者ではない。変身女が変身できるのが転生杯の脱落者のみだとしたら、あの神崎は本物ということになる。転生杯の脱落者以外にも変身できた場合は、変身女が化けている可能性が高い。


 いや待て、俺の知らないところで既に神崎が脱落していたとしたら? それなら変身できるのが転生杯の脱落者のみだとしても神崎に化けることは可能だ。しかし神崎が脱落したかどうかなんてこの場では確かめようがない。


 しかしあれが変身女だとしたら、こんな分かり易く登場するか普通? 当然俺は警戒するし、もっと他にやり方があるだろう。いや俺がそう考えるのを利用して逆に、ということも……。


 駄目だ、考えれば考えるほど分からなくなる。俺には真冬ほどの思考力はないんだ、そもそも頭を使うことに向いていない。



「……えっ!?」



 神崎を睨んでいたところ、俺と目が合うや否や驚きの表情を見せた。演技か? それともガチか?



「どうして貴方が……!?」

「どうしました?」

「あ、いえ。何でもありません」



 先生に声を掛けられ、笑顔を作る神崎。仮にあれが本物の神崎だとするなら、一体どういう目的でこの学校に来たのか。俺が居ることに驚いていたということは、狙いは俺ではなさそうだが……。


 まあいい。あれが神崎にせよ変身女にせよ、俺の敵であることに変わりはない。何か仕掛けてくる前にあいつを倒す――と言いたいところだが、この教室内で即バトルになれば確実に生徒達を巻き込んでしまう。


 まずは皆を避難させる必要があるが、問題はその方法だ。「これから彼女と死闘を繰り広げるので逃げてください!」なんて言っても頭がおかしい奴だと思われるのがオチだろう。




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