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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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雪風再び

『あの人物について、考えられる可能性は三つ。①死んだと思っていた雪風が実は生きていた。つまり雪風本人』

「いや確かに雪風は俺が殺した! 身体の消滅もこの目で見届けたんだぞ!?」

『ん。秋人の証言からも雪風が死んだのはほぼ確実。それに雪風本人だったら秋人の痣は反応しないはずだし、この可能性はかなり低い。確率的には2%くらい』



 あくまで可能性の一つ、ということか。真冬も本気で俺が雪風を殺し損ねたとは思っていないようだ。



『②雪風は死んだ後、何らかの手段により復活した』

「何らかの手段って……スキルか?」

『ん。何者かがスキルを使って雪風を蘇らせた。確率的には28%くらい』



 そんな馬鹿なと言いたいところだが、そもそも転生杯の参加者自体が一度死んでから蘇った存在だ。そういうスキルがあったとしても不思議ではないし、雪風の「地獄の淵から舞い戻ってきた」という台詞とも辻褄が合う。



「こんな所に隠れていたのか」



 その時、雪風が校舎裏に現れた。見つかったか、まだ話の途中だというのに。



「せっかくの再戦なんだ。もっと盛り上げようじゃないか!!」



 再び雪風が無数の氷塊を生成する。地中に潜ったらインカムによる通信ができなくなってしまう。俺は【怪力】を発動して校舎裏の壁を破壊。雪風が氷塊を放つのと同時に校舎内に転がり込んだ。



『秋人、平気!?』

「ああ! それより三つ目は!?」

『③、残りの70%は――』



 廊下を突っ走りながら真冬の言葉を聞く。そしてようやく俺は腑に落ちた。



「多分、それだろうな」



 真冬のおかげで頭がスッキリした。謎が解ければこっちのもんだ。


 俺は校舎を出てグラウンドに戻ってきた。やはり闘うなら広い場所の方がいい。程なくして雪風も姿を見せた。



「やれやれ。反撃もせず逃げの一手、まったく興醒めだよ。君が闘いやすいようにと思って、わざわざ生徒達のいない時間帯を選んであげたというのに。これでは復讐のし甲斐がない」

「こいつは驚いた。あれほど生徒達を苦しめたお前が、そんな気を回せるとはな。元々お前の目的は学校への復讐だったはずだ。生徒達が巻き込まれるのは、むしろ好都合じゃないのか?」

「もうそんなことはどうでもいい。今の僕にあるのは、君への復讐心だけだ」



 本来の目的を見失うほど俺のことが憎くて仕方がない、というわけか。



「……なるほどな。俺も復讐に生きる者として、それ自体を否定するつもりはない。だけど本当にお前は、俺に復讐したいと思っているのか?」



 俺の言葉に、雪風は一瞬だけ怪訝な顔を浮かべた。



「何を訳の分からないことを。言っただろう、弟を殺された恨みを晴らすと」

「そうか。ま、好きにしろよ。どのみちお前じゃ俺は倒せない」

「ハッ。さっきから逃げてばかりなのに、よくもまあそんなことが言える」

「安心しろよ、もう逃げない。ここからは真っ向勝負だ」

「それは楽しみだ!」



 雪風が数十体の人の形をした氷――氷人形を生成した。懐かしいな、こいつらにも随分と手こずったものだ。



「さあやれ、僕の可愛い子供達よ!」



 氷人形共が一斉に襲い掛かってくる。あの時は一体ずつ倒していくしかなかったが、今は違う。


 俺は【氷結】を発動し、無数の氷塊を生成。それらを放って氷人形共を粉砕していく。目には目を、氷には氷だ。俺には氷人形なんて精巧なものは生み出せないが、対抗手段としては十分だ。



「へえ。僕から奪った【氷結】のスキル、随分と使いこなしているじゃないか」

「おかげ様でな」



 氷人形共を見ていると、こいつらに殺された生徒達の顔が脳裏に浮かんでくる。一体何人の生徒が犠牲になったのだろうか。


 彼らの無念を晴らすように、俺は全ての氷人形を破壊し尽くした。そして間髪入れず雪風の方へ走り出す。



「無駄だよ!」



 巨大な氷の壁が出現し、行く手を阻まれる。あの際限なく再生する厄介な壁か。しかしこの手は読んでいた。俺は【入替】を発動し、雪風の足下に転がっていた氷人形の残骸と俺の位置を瞬時に入れ替えた。



「何っ!?」



 驚きの反応を見せる雪風。続けて俺は【怪力】を発動し、右の拳を雪風の腹部に叩き込んだ。



「がはっ……!!」



 雪風の身体が大きく吹き飛び、地面を転がる。しかし思ったほど手応えがなかった。咄嗟に腹部を氷で覆ってダメージを軽減させたか。敵ながらなかなかの反応速度だ。



「お前の弟には感謝してるよ。こんな便利なスキルを提供してくれたんだからな」

「ぐっ、おのれ……!!」



 俺を睨みつけながら立ち上がる雪風。仕留め損なったのは残念だが、戦況は俺の方が優勢だ。



「遊びはここまでだ。あの悪夢を再現してあげよう!!」



 周囲に発生した氷が雪風の身体を包んで膨張していく。やがてその氷は巨大な氷人形となって顕現した。俺が雪風弟を殺した時と同じ展開だ。



「ハハハハハ!! これぞ僕の究極の姿!! 怯えるがいい!! 慄くがいい!!」



 巨大氷人形の中から雪風の雄叫びが響く。どうやらあの時と違ってテンションこそ上がっているが暴走はしていない模様。俺・春香・朝野の三人掛かりで倒したこいつを、今度は俺一人で倒さなければならない。




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