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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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前世の魂

「だったら俺とお前は同一人物ってことか……?」

『厳密にはな。僕はお前でもあり、お前は僕でもある。所謂もう一人の僕ってやつだ』

「どこの遊○王だよ。しかし前世とか言われても全然ピンとこないな……」



 前世の記憶なんて残ってないのが普通だからピンとこないのは当然か。以前「先に存在していたのは僕の方だ」と偉そうに言われたが、あれは俺の前世ということを仄めかしていたわけだ。



「で、どうして俺の前世様が俺の深層心理の中にいるんだよ」

『そう。本来なら紅月大地という存在は、月坂秋人として転生した時点で消えたはずだった。しかし〝ある出来事〟の衝撃で、月坂秋人に紅月大地としての記憶が蘇ったのさ。その出来事というのが――』

「俺の……月坂秋人の仮転生か」

『正解』



 前世で一度仮転生を経験しているのなら、二度目の仮転生の拍子に記憶がフラッシュバックしても不思議ではない、か……。



「記憶が蘇ったと言うが、俺には紅月大地としての記憶はないぞ」

『正確には「月坂秋人の魂から紅月大地の記憶を宿した魂が分離した」だな。その分離した魂というのが僕だ。だからお前に僕としての記憶がないのは仕方ない。始めは魂の境界線も曖昧だったが、今は完全に独立した魂として存在しているのさ』



 一体どういう原理でそんなことになったのか謎だが、こいつが俺の中に存在するようになった理由はなんとなく理解した。



『お前が冤罪で死刑となり、第八次転生杯の参加者として選ばれていなければ、僕は紅月大地としての自覚を取り戻すこともなく、ただ月坂秋人として一生を終えていただろう。感謝してるよ』



 何が感謝だ、こちとら良い迷惑だよ。しかしそうなると俺は、前世を含めると二度も転生杯に参加してることになるのか。



 ――長きに渡り開催されてきた転生杯の中で、貴方は唯一無二の事例ですから。



 かつて支配人がそう言っていたのを思い出した。俺のようなケースは例外中の例外だろうし、唯一無二とはそういうことか。



「とにかくお前が俺の前世ということは理解した。なら次の質問だ」

『なんだ、まだ聞きたいことがあるのか』

「お前のスキルについてだ。お前は以前、限界寸前だったこの身体をスキルで救った。一体どういう能力なんだ?」

『あー、それもまだ言ってなかったな。いいぜ、教えてやる』



 前は「一度僕が差し伸べた手を振り払った罰だ」とか言って拒否したくせに、今回はあっさり教えてくれるらしい。



『僕のスキルは【昇華】。あらゆる事象を次の段階へと引き上げる能力だ』



 昇華、それが大地のスキル……!!



『今この身体が健在なのは、僕が【昇華】を使ってスキルに対する耐久力を大幅に引き上げたからだ。そうでなければ今頃この身体はスキルの負荷によって押し潰され、自滅していただろうな』



 大地との取引以前、俺はスキルの負荷が原因で度々激しい頭痛に襲われていた。不本意だが今の俺が何ともないのは大地のおかげだ。



『実はそれ以前にもこっそり【昇華】を使ったことがあるんだが、心当たりはないか?』

「何……?」



 俺は腕組みをして考える。そしてすぐに思い至った。



「体力測定の時か!」

『正解。せっかく大記録を打ち立てるチャンスを与えてやろうと思って一時的に身体能力を引き上げてやったのに、露骨に手を抜くんだもんなあ』

「余計なお世話だよ!」



 おかしいと思ったんだ。いくら仮転生の身体が特殊とはいえ、試し投げした小石がグラウンド外まで飛んだり、ちょっと力を入れただけで握力計をぶっ壊したり。考えてみればあの時だけ明らかに異常な力が出ていた。



『ま、お前の動揺っぷりが傑作だったから良しとするか。お前の面を直接拝めなかったのが残念でならない』

「……一発殴っていいか?」

『おいおい、お前がこうして生きてるのは一体誰のおかげだと思ってる? その気になればこの身体、いつでも【昇華】を使う前の状態に戻せるんだからな。だから僕の機嫌は損ねない方がいい』



 現在の俺のスキル所持数は八、大地との取引前より更に増えている。もしこの身体が元の状態に戻ったら、その瞬間スキルの負荷による自滅は免れないだろう。かと言ってこいつに対して下手に出るのはなんだか癪だ。



「その手には乗るかよ。この身体はお前の身体でもあるんだろ? 俺が死んだらお前だって困るはずだ」

『チッ。可愛げのない奴だな』



 しかし身体能力を向上させられるだけでも【昇華】は強力なスキルだ。これを使いこなせれば転生杯で勝ち残れる確率はかなり上がりそうだが、こいつに協力を仰ぐのはそれこそ癪だ。それにこいつのスキルに頼りすぎるのは、なんとなく危険な気がする。



「それじゃ次の質問だ」

『質問が多いな。これで最後にしてくれよ』

「九年前、俺を死刑に追いやった事件のことだ。俺は〝42〟の痣を持つ参加者が真犯人だと思っていたが、そいつは事件とは何の関係もなかった。お前は真犯人について何か知らないのか?」



 この質問に対し、大地は呆れたように溜息をついた




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