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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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恐竜出現

 また、その魔法陣の大きさはモンスターの強さに比例していた。それなら大きな魔法陣が仕掛けられていそうな――岩などの障害物が何もない、開けた場所になら――あった、あそこだ!


 俺はすぐさま走り出す。そこに大きな魔法陣が仕掛けられている保証はない。だが、これはあくまでゲームだ。大抵のゲームには一発逆転のチャンスが転がっているもの。そのチャンスに賭けるしかない。


 間もなく俺はその場所に辿り着いた。直後、超巨大な魔法陣が浮かび上がった。どうやら俺は賭けに勝ったようだ。しかし喜びも束の間、俺に戦慄が走った。


 魔法陣から現れたのは、恐竜のような馬鹿でかいモンスターであった。体長は十メートルを優に超えており、これまでのモンスターとは比べものにならない。俺の推測は当たっていたが、そのモンスターを倒せるかどうかは勘定に入れてなかった。しかも残り時間は五分しかない。


 だが怖じ気づいてる暇はない。このチャンスを逃せばゲームの敗北を意味する。春香と真冬の為にも絶対に負けるわけにはいかない。こいつを倒したらかなりのポイントが期待できそうだし、何が何でも倒す!



「おらあっ!!」



 挨拶代わりに【怪力】で強化した拳を恐竜の脇腹に叩き込んだ。悲痛な叫び声を上げる恐竜。大きなダメージを与えられたようだが、致命傷には程遠い。やはり一撃で倒せるほど甘くはないか。



「うおっ!?」



 恐竜の巨大な口が迫ってきたので、俺は後方に跳んで回避した。俺を食う気かこいつ。ゲームのモンスターに食われて死ぬなんて笑えないぞ。


 すかさず恐竜が長く大きな尻尾を勢いよくスイングする。俺は咄嗟に【氷結】による氷壁を作り出して身を守ろうとしたが――



「がはっ!!」



 恐竜の尻尾はいとも容易く氷壁を破壊し、俺の腹部に直撃した。俺は派手に吹き飛んで地面を転がる。そういえば恐竜の尻尾は強い腱に支えられていて強力な武器にもなると昔読んだ図鑑に書かれてたっけ。氷壁で威力を殺していなかったら、今の一撃で終わっていたかもしれない。



「……面白い」



 俺は立ち上がり、恐竜を真っ直ぐ見据える。こんな状況でありながら、俺の闘志は燃えていた。恐竜と闘える機会なんてまずないからな。しかしどれだけ強かろうが、所詮はゲームによってプログラムされたモンスターだ。人間を舐めるなよ……!!





「はあっ……はあっ……!!」



 全身が傷だらけになった俺の目線の先には、恐竜が白目を剥いて横たわっていた。程なくしてその恐竜は消滅する。もはや満身創痍だが、なんとか倒せた……!!


 ポイントを見ると、一気に2535まで増えていた。今の恐竜を倒したことで2100pt獲得したようだ。狙い通りの高ポイントだった。


 問題は現時点での夜神のポイントだ。最後に見た時は2060ptだったが、果たしてあれからどれだけ伸ばしたか……。



「おっ。あのモンスターを倒したのか」



 声の方を振り向くと、いつの間にか夜神が傍に立っていた。



「遠くから恐竜のようなモンスターが見えたから来てみたが、まさかこの僅かな時間で倒してしまうとはな。よくやったと褒めてやりたいところだが……」



 夜神のポイントは2540。無情にも5pt差で俺より多かった。もう勝ちを確信してサボっていることを密かに期待していたが、この数分の間にもしっかりポイントを稼いでやがった。


 残り時間は三十秒。もう新たなコインを探しに行くだけの時間はない。俺は周囲の地面を必死に凝視する。どこか、どこかにコインは落ちてないか!? 銅のコインでいい、どこか……!!



「あっ!!」



 俺の祈りが通じたのか、数メートル先に銅のコインを発見した。あれを拾えば10ポイント獲得で大逆転となるが――



「ほう、見つけたか」



 当然、夜神も気付いていた。あれを先に拾われるわけにはいかない。俺は最後の力を振り絞って走り出す。



「ビーチフラッグまがいの勝負も楽しそうだが、モンスターを倒した褒美にそのコインはお前に譲ってやる。その代わり私は〝あちら〟を貰い受けるとしよう」

「……!!」



 よく見ると銅のコインの更に先に、光る物体が落ちていた。あれは銀のコインだ。既に夜神は走り出している。あれを拾われたら俺が銅のコインを拾ったところで、俺は2545pt、夜神は2570pt。俺の敗北が確定してしまう。


 残り時間十秒。銀のコインを狙おうにも、距離的に俺の足の速さでは間に合わないし、そもそも夜神を追い抜ける気がしない。ここまでか――


 俺と夜神がそれぞれコインを拾った直後、タイマーは0秒となり、空間全体にサイレンが鳴り響いた。ゲーム終了の合図だろう。



「私の勝ちだ、月坂秋人。最後は惜しかったな」

「……ふっ」



 小さく笑みをこぼした俺を見て、夜神は怪訝な顔を浮かべる。



「何がおかしい?」

「残念だが、勝ったのは俺の方だ」

「ふん。素直に負けを認められないのは見苦しいだけだぞ」

「お前が拾ったコイン、よく見てみろよ」

「……何っ!?」



 夜神が驚きの声を上げる。夜神の手にあったのは、銅のコインだったのだ。




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