コント『名探偵』
ナレーター「某日未明……とある有名社長が自宅の部屋で殺された。偶然近くに居合わせた探偵が事件の解決に挑む!!」
ボケ「被害者が部屋に居たとき……この部屋の鍵は閉まっていた。つまりこれは密室殺人!」
ツッコミ「探偵さん!!」
ボケ「これはこれは警部殿。お勤めご苦労さまです」
ツッコミ「またアンタですか……事件の度に君が居る気がするね?」
ボケ「ハッハッハッ! 探偵ですからね!!」
ツッコミ「意味が分かりませんな……。それで、殺された社長は!?」
ボケ「正面からナイフで一突きですね。事件時、この部屋の鍵は閉まってました」
ツッコミ「それで、どうして君がココに?」
ボケ「私、社長夫人の知り合いなんですよ」
ツッコミ「で? 社長が殺された時……君はどこに?」
ボケ「社長室です」
ツッコミ「……は?」
ボケ「気が付いたら社長が死んでたんですよ(笑)」
ツッコミ「そんな訳ないだろう!?」
ボケ「それで内側から鍵を開けて通報しました(笑)」
ツッコミ「!?」
―――プルルルル!
ボケ「あ、アケミちゃんからだ。ちょっと失礼しますね」
ツッコミ「アケミちゃん……?」
ボケ「やだな警部殿! 社長夫人に決まってるじゃないですか! ……あ、もしもし? うん! 元気ぃ♪」
ツッコミ「やけに仲が良いな……」
ボケ「うんうん! さっさとこの事件迷宮入りさせるから、いつものお店で待っててよ。バイバイ♪」
―――ピッ
ボケ「犯人は透明人間ですね!」
ツッコミ「お前じゃーーーー!!!!」
ボケ「!?」
ツッコミ「お前社長夫人とできてるだろ!?」
ボケ「そ、そそそ、そんな事は……無きにしもあらずんば虎児を得ず……ですよ?」
ツッコミ「ちょっと動揺しすぎじゃ無いかな?」
ボケ「いくらアケミちゃんがピチピチの幼妻だからって……まさかねぇ!? それにスタイルが良くて可愛らしいからって社長を殺してまで自分の物にしようとか……あるわけ無いじゃないですかー……ハハハ……ハ」
ツッコミ「さっき電話の時にチラリと見えたけど、お前のスマホの待ち受け社長夫人じゃなかったか?」
ボケ「―――ギクゥ!!」
ツッコミ「うわ……これまた露骨に驚いたな」
ボケ「兎に角!! 犯人は透明人間で決まり!! 俺はこれからアケミちゃんとナイトプールに行きますからね!!」
ツッコミ「それから?」
ボケ「美味しいレストランでご飯食べて夜景を見ながらプロポーズするんですよ!!」
ツッコミ「ほぅほぅ……」
ボケ「アイツは最後まで君を愛してなかった……だから俺が幸せにしてあげるよ!……ってね!!」
ツッコミ「……最後って?」
ボケ「やだな警部殿。死ぬ間際の事ですよ(笑)」
ツッコミ「あ、うん。やっぱり犯人は君だ……間違いない」
ボケ「えっ!? ち、違いますよ!!」
ツッコミ「さ、話は署で聞くから。来なさい……」
ボケ「待って!! アケミちゃんが待ってるんです!!」
ツッコミ「大丈夫だ。ナイトプールは私が代わりに行くとしよう」
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