表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ブラックギャグ  総理大臣の本音

作者: 君島 明人

この作品の内容はあくまでも登場人物の心の声

ですから、憲法に保証されている「内心の自由」

の遵守をお願いします(笑)。

ブラックギャグ  総理大臣の本音


我が国は他国から理不尽な行為を受けたときには、「大変遺憾である!」とか、「厳重に抗議したところであります!」などと、相手には何の効果もない遺憾砲反撃しか出来ない事に、ふがいないと感じている国民も多いでしょう。しかし、総理大臣だって人間です。内閣総理大臣といえば国の最高権力者ですから、そんなに柔な性格では勤まらないし、どんな案件でも自分の思う通りになるのです。では我々国の政治を見ている側の国民に何故伝わらないのかというと、○○総理が自制している事もありますが、官房長官も必死になだめているからなんです。官房長官といえば女房も同然だから、その女房の言うことを聞かなかった為に家出されたらどうなるかは、経験者は勿論、未経験者でも容易に想像つきますよね? では仮に総理大臣が自制の効かない暴れん坊総理大臣だったらどうでしょうか? 早速シミュレーションしてみましょう。

 「総理! 大変です 自衛隊の哨戒機に某国の駆逐艦が射撃用レーダーを照射しました」 「なんだと! くそー 舐めやがって。 それで照射し返したんだろうな?」 「え?・・・ いえ、哨戒機には武器がないので射撃用レーダーがありませんから、当然照射し返してはいませんけど・・・」 「だめだなぁ~そんなんじゃ。 近くに潜水艦はいなかったのかね?」 「“そうりゅう”がいましたが、潜水艦でどうしようというのですか?」 「ケツに魚雷一発かましてやればよかったんだよ」 「ああ・・・なるほどですね。 それは気が付かなくて申し訳ありませんでした。 では次からそうします」 というように、官房長官さえしっかりしていれば、荒れ狂う亭主を賢い女房のように上手くなだめて事なきを得られます。 しかし、これが政治を面白くなくしている原因なのです。 以前に某シア大統領が、我が国の北の方の小島を餌にしてもったいぶって日本にやって来た事がございましたが、実はあれも暴れん坊総理だったら結構やばかったでしょうね。 「おそいな~ ○○○○大統領はまだ来ないのか?」 電話で官房長官に文句を言っております。 「総理、ここはイライラしたら負けですよ、 落ち着いてください。 巌流島の戦いの佐々木小次郎になったつもりで、交渉のシミュレーションをする時間ができてラッキーと思いましょう」 「佐々木小次郎って負けた方じゃないか」 「負けるが勝ちとも言いますよ。 ここはじっくり構えて下さい」 結局2時間も待たされた挙句、何の成果も得られずに会談は終了してしまいました。 国民はこれを見て腹をたてたり、或いは政権に失望して内閣支持率が下がったりしましたが、暴れん坊総理は違います。 「あの野郎め! タダメシ食って、ただ酒飲んで帰りおったわ。 官房長官、直ちに根室海峡を封鎖して機雷でも撒いておきなさい!」 「機雷を塩みたいに言わないで下さい。 旧島民の人たちも、根室の漁師たちも生活に困ってしまうので、そこは慎重にお願いします」 「まあ、そりゃそうだけど・・・ でも何でGDPが我が国の10分の1程度の国があんなに偉そうな物言いなんだろね?」 「それは我が国が核を持っている事を公表していないからでしょう」 「じゃあ公表したらいいじゃないの? 折角持っているんだから某メリカの大統領のように、“僕の持っている物は君のよりも遥かにでかくて黒いぜ”なんてな」 「黒いとは言ってなかったような気がしますが・・・ でも核を持っている事がバレたら内閣は持ちませんよ。 国民は核アレルギーが強いですからね」 「俺は核を落とすぞと脅されるアレルギーの方が強いんだけど」 「しょうがないですよ。 もしどこかの国が、我が国に本気で核を落としそうな事態になれば、内閣の事は考えずに“おいらもぶっ放すぜ”とごっついのを見せてやればいいですよ」 「う~ん ストレスが溜まるなぁ~ 早く言いたあ~いよぅ」 「まったく、ヤンチャなんだから・・・」 と言ったかどうかは分かりませんが、このような理由で世間から見たら本当の総理大臣と何も変る点は見られないでしょう。


 ではここまで来たついでに国内問題も片付けてみましょう。 国民的に感心が高い“拉致問題”は色々生々しい事態となってしまうので、ここは当たり障りのない経済問題を暴れん坊総理に聞いてみます。

「総理、10月の消費税増税は本当にやるのですか?」 「ああ、国債を無制限に日銀に買わせる代償に消費税を10パーセントにしろと財務省がせっついてくるんでな」 「国民からは不人気ですよ! 私もどちらかと言えば反対です」 「君は資産をどれくらい持っているの?」 「私は東北の貧農の出ですから資産なんてもっていませんよ。 それは総理が一番知っているじゃないですか」 「現金とか家とかはあるんだろう?」 「家は小さな狭いマンションだし、預金も妻がやりくりしてようやく4桁になったばかりです。 総理と違って普通のサラリーマン程度なんですから、あまり恥をかかせないで下さい」 「いや~ すまんすまん。 そういう意味で聞いた訳ではないんだよ。 君も知っての通り、俺も何かと派閥に気を使って物入りでねぇ・・・ 現金はあまり持っておらんが、ほら 俺の田舎ね 広大な土地を持っているじゃない? でも田舎だからどんなに待っていても土地が値上がりする気配がないのよ」 「それと消費税の増税とどんな関係があるのですか」 「消費税は国債の大量発行とバーターという条件で財務省と折り合いがついた事だけど、田舎の土地の値段が上がらないなら無制限マネーサプライ作戦でインフレを起こして、現金や証券に対して不動産の価値を上げようと言う訳さ」 「では私のようなサラリーマンはどうなるんですか?」 「現金の価値が下がるとは言っても金持ち以外は微々たるもんだよ。一時的に苦しくはなるかもしれんが、すぐに賃金が上がって元の鞘に収まるよ」 「つまりそれは、たんす預金の高齢者や株で大儲けしている人たちからお金を召し上げるという事ですね?」 「それだけじゃない。企業の内部留保も入っている。お金は寂しがりやだというだろう? だからたんす預金や内部留保なんてもってのほかなんだよ。金は使って何ぼだろう?」 「成るほど、感銘をうけました。・・・でも私の乏しい経済学理論で考えても、もうひとつ理由がありますよね?」 「あは~ わかっちゃった? そうなんだよ。 黙っていても政府の借金は減るって寸法だよ」 とまあぁ、こんなやりとりが実際にあったとしても、官房長官同様われわれ庶民にはあまり影響がないのかも知れませんです。なぜなら今現在でも消費税は8パーセントですから、10月から増税されると言っても2パーセントですよね? チョト痛いからもうちょと痛い程度なので、M系の方なら問題ありません。 勿論税金なんてなければ一番いいのですが、殊更増税だの10パーセントだのと叫んでいる方々は、ひょっとしたらただの目立ちたがり屋かも知れません。

本当に庶民の事を考えているなら、消費税なんて“消費を冷やす税金はおやめなさい!”と叫んでいただきたい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ