散髪 (上)
悠馬は昨日、ゲームをし疲れたせいか
珍しく昼に起きてしまう悠馬《主夫》だった…
僕の名前は宮田悠馬
実は19歳だったりする
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窓から陽の光が僕を起こしに来るかのように
朝の訪れを教えるかのように
僕を暖かい布団から起こそうとする
「も、もう少しだけ…」
光の中に声が聞こえる
「ゆう、もう起きなさい、もう11時だぞ…」
聞き覚えのある暖かい声が僕を眠気からすくい上げる
「お…おはよう父さん」
眩しいぐらいの笑顔で僕に声が帰ってくる
「ああ…おはよう、ゆう、いつからゆうはお寝坊さんになったのやら…」
父さんはわざとらしいポーズを決めてみせ
「そろそろ、昼ごはんが欲しいんだが…」
父さんのお腹から音が漏れる
「分かったよ…」
僕は目を擦りながら洗面場を目指して歩き出している矢先…足に何かが当たった
「ん…?」
寝ぼけた目を凝らして見ると
まだ寝ているまゆ姉さんの枕が当たったようだった
「ん…まゆ姉さんもここ《和室》で寝てたのか…」僕はまゆ姉さんを起こさないように洗面場へと向かった
「あ〜スッキリした!」
僕が顔を洗い終わって鏡を見るとニヤついている父さんの顔が見えた
「父さん、昼ごはん何がいい?」
待ってましたと言わんばかりに父さんは僕の肩に手を置きハードボイルド風な顔をして
「チャーハンが食べたい…」
と小さく呟いた
「了解、じゃあ作ってくるからできたらまゆ姉さんを連れて来てね」
手を挙げて父さんは応答する
僕はそれを見て台所へと向かっていった
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「いやぁ〜ゆうのご飯は何を食べても美味しいなぁ!」
父さんがお腹を少し叩きながら僕にチャーハンの感想を言うのに続いてまゆ姉さんも感想を言ってきてくれた
「うん、滋さんの言う通りゆうくんのご飯はとっても美味しい、起こしてくれてありがとう滋さん」
僕は二人に褒められて少しこみかみをかいて照れる、それを見て二人はおかわりを要求してきたので喜んで二人に大盛りを入れた僕であった…
それから少しして父さんが自分の髪を触りながら僕に無茶振りをしてきた
「なあ、ゆう最近、髪伸びるのが早いから髪切ってくれないか?」
僕は呆れた表情で父さんを凝視する
「無理だよ、父さん 僕は髪を切ったことは一度しかないし…まず美容師の免許がないから切れないよ」
「ゆう…間違っているぞ 親の…いや…家族の髪を切るのに免許なんて要らない!必要なのは家族への愛だ!」
父さんが余りにも真面目に言うので僕はしぶしぶ
椅子のしたに新聞紙を組まなく配置し
母さんの遺品である髪を切るようのハサミを持ってきて父さんに座るよう促すと霧吹きで頭を濡らしていく…
「き、切るよ…父さん」
「短めに頼む」
父さんの返事を聞くなり僕は真剣な眼差しで父さんの髪を見ると以外に白髪が生えていないことに驚きながら髪を切っていった
30分後…
「父さん…どう?」
父さんは僕の渡した手鏡をみて驚いていた
「ゆう!髪を切るのも上達したのか!?母さんが切った時と同じ髪型だぞ!」
と気をつかったのか本心なのかわからない答えを言われ恥ずかしくもどこか…モヤモヤする返事だった…
冬休みにそろそろ入りますので冬休みは毎日書くのを目安にして頑張ります!