姉の謎の行動
僕の名前は宮田悠馬
最近、父さんが帰ってくるのが遅くまゆ姉さんと二人きりになることが多くなった…
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朝日が目に染みる…そんな朝だった
「母さん…」
薄らと目を開けるとそこには赤面のまゆ姉さんが居た
「ゆ、ゆ、ゆうくん…あの、その…」
「え…」
僕が口を開こうとするのを防ぐかのように僕の口にウインナーが入れられる
「お、おいひぃ…」
「つ、作ってみた…味…どう?」
「とっても美味しいよ!まゆ姉さんが作ったの?」
「う、うん…ゆうくん…さっき私の…こと」
まずいまずい…
まゆ姉さんの事を母さんって言ったなんてバレたらマザコンやらなんやら言われるに違いない…
「あ、あれはまゆ姉さんが僕の母さんみたいに抱擁力があるなぁってい、言ったんだけどぉ!」
思わず焦ってついた嘘は良かったけど最後の最後に半音上がってしまった…
「わ、わ、私が…か、母さん…みたい…
どんどんまゆ姉さんの顔が赤くなっていく
それを見て僕も自分の顔が赤くなっているのが痛いほどわかる
「あ、あのまゆ姉さん…」
「ひ、ひゃい!」
「ハグさせてください!」
「は、はい!って…え?」
人間落ち着くにはハグが一番ってなにかの本に書いてたはずだった
確か父さんが持っていた妙にページが薄い本だった気がする
「は、ハグは…ダメ…」
「な…」
ハグは断られてしまった…じゃあどうやって落ち着けばいいんだぁぁぁぁ!!
「そ、その代わりに…その…」
思わず僕は唾を飲み込んだ
「ひ、膝枕…なら…い、いいよ…?」
(HIZAMAKURA!?
聞き間違いかな…それとも僕は家事で疲れてるのかな?きっとそうだそうにちがいない)
「ね、聞き…まち…が」
振り返るとまゆ姉さんは気合が入ったような顔をしながら正座して、膝をポンポンと叩いていた
「そ、そこに頭を乗せればいいの?」
「うん…ここに頭を置いてゆうくんは私の顔を見る…分かった?」
(どうしてこういう時だけ前のめりなのぉぉぉ!?)
「わ、わかった…」
僕は恐る恐るまゆ姉さんのそばまで寄る
「早く頭乗せてよゆうくん、乗せないと膝枕できないよ?」
(目が…目が怖い…)
「お、お邪魔します…」
乗せるとまるで枕のような弾力と柔らかさがあった…
僕は思わず
「母さん…」
「うん、ゆうくん…いつも家事して疲れてるもんね私の膝でよければ寝ていいよ…」
僕はその言葉を聞いて僕はいつの間にか寝てしまっていた…
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「ゆう〜まゆ〜ただいま!」
「おかえりなさい滋さん」
「ただい…ってうぉ!」
「しー」
「ゆう…いつもお疲れさんだな」
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「うぅ…ん…ハッ、家事しなきゃ!」
僕が飛び起きようとすると
何かが僕の上に乗っていて起きれなかった
「な、何が乗っているんだろう…ま、まさか幽霊とかじゃないよね?」
おそるおそる顔を覗き込むと…
天使のような寝顔のまゆ姉さんだった
「え!?」
思わず大きな声が出てしまった
僕の姉さんが僕の上でこんな可愛い寝顔を披露していた
(家族ギネス記録載りました〜!!)
「ああ、神様…ありがとうございます…でも今は何時ですか?」
すると奥から返事が返ってきた
「夜の11時ですよ」
「え!?神様の声が…」
「そうです、私は神様です」
でも聞き覚えのある声だった
「一度あった事があるのでしょうか…神様の声がとても聞き覚えのある声なんです」
奥から声の代わりに笑い声が返ってきた
「この笑い方…父さん!?」
「悪い悪い…久々にゆうをからかったら全然気づかないから面白くておもしろくて…」
「酷いな!僕のいたいけな心を傷つけて!」
「だからごめんって…」
謝りながら腹を抱えて笑う人がどこにいるんでしょう…ここにいました…
「ゆう、休めたか?」
「うん、休めた」
「なら良かった」
「あの、父さんまゆ姉さんを僕から下ろしてくれない?」
少し困った顔をして
「それは出来ないな…まゆから『ゆうくんが起きても下ろさないで!』ってすごい剣幕で言われちゃったんだよ」
「そんな…」
「もう一度寝ることをオススメする」
「寝れるわけないよ…」
「どうして?」
「ま、まゆ姉さんの…」
次の言葉を言おうとすると父さんは何かを察したらしくゲスな笑みを浮かべていた
「私もそろそろ寝るよ、いい夢をなゆう」
そう言うと寝てしまった
「カムバックマイファーザー!」
僕の声は父さんに響かなかった…