お盆②
蝉が何十匹も一斉に鳴いていて僕の耳は蝉の声以外何も聞こえないほどだった
そんな中、手を合わせ終えると父さんは墓を洗っては何かを呟きながら洗うのを繰り返していた
妙だったのがなぜ、呟きながら洗わないのか…
それが疑問で仕方がなかったが父さんが鼻歌を歌い出したので余計に聞けなくなってしまった…
「ねえまゆ姉さん…」
「なに?」
手で扇ぎながらまゆ姉さんは僕の話を聞いてくれた
「どうして父さんは一人で掃除や花を添えたり…
いろんなことを一人でしてしまうのに僕らは
どうして呼ばれたんだろう?」
僕の質問を聞いた途端まゆ姉さんは少し眉をひそめ僕の肩に手を回し木に押し付ける
「どうして?見てれば分かるでしょ?ゆうくんは
わからないの?あんなにも…いや…ごめん…」
まゆ姉さんは謝るや否や
墓の奥のちょっとした空き地に走っていってしまった…
「見てれば分かるでしょ?か…」
「何を見てればわかるんだ?」
後ろを振り向くとさっきまで熱心に掃除をしていた父さんが僕の顔に水鉄砲を向けていた
「え…水鉄砲!?掃除は……」
話を遮るかのように水が僕の顔にあたる
そして空き地に行ったはずのまゆ姉さんが水風船を持って戻ってきていた
「え!?ちょっと待っ…」
まゆ姉さんは僕の背中に張り付くと父さんに合図を出した瞬間、父さんは改造した水鉄砲…もはや大筒だった…それを僕とまゆ姉さんに向ける
「え?滋さんそんなの聞いてな…」
「打ち合わせぐらいちゃんとしててよーー!!」
無慈悲な水が僕らを襲った
父さんは高笑いし
まゆ姉さんはそんな父さんのお腹を攻撃し
僕は母さんの墓にひたすら手を合わせて謝った
「よーし、帰るぞー!」
「「はーい!」」
父さんがはしゃぎながら墓を後にすると
それにまゆ姉さんが着いて行った
僕は母さんの墓に手をもう一度合わせると
写真が置いてあることに気がついた
その写真は僕と父さんとまゆ姉さんが笑顔で映っている写真だった
「見てればわかるってこういう…」
僕はポケットに入れておいた母さんが好きだった飴を3つ置いてまゆ姉さんと父さんの跡を追いかけた…
『楽しそうね…ゆうは成長したね〜
来年は来てくれるのかしら?』
振り返るとそこには、飛んでいく写真が見えた…




