鬼のまゆ姉さん
僕はまゆ姉さんと合流しひたすら
黒木さんがプールのことをどうやって知ったのかそれを考えていた…
「ねえ、ゆうくん」
「なに?」
「どうして黒木さんがプールの事を知っているん
だろう?なんて考えない?」
僕は目を見開きまゆ姉さんを凝視する
「心読んだ…?」
「読んでないよぉー!」
まゆ姉さんが僕にデコピンを喰らわせると
帰る足を早めていく
「まゆ姉さーーん!そんなに早く歩くとぶつかる
よ!?」
僕の声が届いでいるのか…はたまた黒木さんが来る理由を考えていたのがバレたせいか
まゆ姉さんの頭からは角が生えている…そんな気がして近寄りがたいけどまゆ姉さんはまだ、この道に慣れていない…つまり…
「ゆうくん…今…どこ?」
僕のスマホに連絡をしてきたまゆ姉さんは
さっきと違ってとても弱々しい声だった
「まゆ姉さんの近くだよ」
「気持ち悪い…そのセリフ…」
スマホ越しではなく目の前で言われ僕の豆腐メンタルは音を立てて崩れた…
「『気持ち悪い…』そんなこと言わなくてもさ…
いいのになぁ…」
僕はまゆ姉さんに聞こえないようにつぶやくと
まゆ姉さんの手を握り(犬にリードをする様に)
家まで帰っていった
家に帰るまでまゆ姉さんはずっと黙り込んで
僕のことを睨んでいた…それはもう
(おもちゃを買ってもらえなかった幼児のような…)
「あいたっ!」
「変な事考えたでしょ…」
「もしかして…お酒飲んだ?」
「ビールを2杯だけ…」
(絶対酔ってる…)
僕はそれから怯えながらまゆ姉さんを家までエスコートし僕はまゆ姉さんにお菓子を与えた
「ほ〜ら、まゆ姉さん、コアラのマー〇だよ?」
「ちょうだい!!」
など…酔ったまゆ姉さんに翻弄されながら
楽しい(そう思うことしか出来ない)時間を過ごした…