アジサイ農園に行こう!②
ついにこの日が来た…
外はいつもの曇り
まゆ姉さんと父さんは準備バッチリ
「さあ、行こうか!!」
父さんが家の玄関のドアを開けるとそこは…
ドカ雨の外だった…
「行くのやめようよ、父さん」
僕はそう言いつつまゆ姉さんの方に視線を目やる
すると、待ってましたと言わんばかりの顔で喜んでいる
「……」
僕が沈黙しているといつの間にか父さんは車を玄関に近いところに止める
「さあ、早く乗れ!!雨が止む前に!!」
(このドライブ…嫌な予感がする)
「ほーら、ゆうくん隣に座って!」
鼻を鳴らし意気揚々と楽しんでいるまゆ姉さんを見ると雨が降っている事なんてどうでもよくなった
父さんが車を走らせる
まゆ姉さんはいつの間にか僕の肩に頭を乗せ、眠ってしまった
「まゆ姉さん、もう少しそっちいって…狭いよ…」
まゆ姉さんを向こうのドアにやると
車の揺れでコッチに返ってくる
その時に痛くないように水をすくう時の様にまゆ姉さんの頭を支える僕が居た
(僕も過保護だなぁ…)
父さんがそんなやり取りをみて、笑っている
そんな気がした…
「お、ナビを見る限りもう少しかかるみたいだ…
トイレはここが最後だから行っとけよぉ」
と、言い残し父さんがドアを開けトイレに小走りで向かう
「ほら、まゆ姉さん起きて!」
「んんぅ…」
まゆ姉さんはどうやら起きる気がないらしい
「まゆ姉さん…起きないと…」
「…」
「晩ご飯、ナシだよ」
「ハッ!」
わざとらしい演技の後何事も無かったかのように
車からトイレへと向かう
「ほれ、ゆう」
「ありがとう」
父さんはコンビニで飲み物を買ってきた
程なくしてまゆ姉さんも帰っきたので…
「「「レッツ!アジサイ農園!!」」」
1時間後…
「父さん…」
「どうした?」
「と、トイレ…」
「着くまで我慢だ!!」
僕は股間部に力をいれ、こらえる
それを見てまゆ姉さんがお腹を抱えて笑う
父さんは… 真剣な顔で運転していた(笑いをこらえているだけ)
(車内には敵しかいないのか…!?)
尿意がそろそろこみ上げる頃、無事僕達は…目的地のアジサイ農園に着いた
「きたぁぁぁ!」
まゆ姉さんが腕をぶんぶん振りながら
父さんのお腹を攻撃する
「あの、ちょ、まゆ、うぐっ…」
平たく言うと半、再起不能だった
僕は父さんを連れて休憩所に行き、僕はトイレへ行き、父さんは自動販売機でスポーツドリンクを買ってお腹をさすっていた
「あー、スッキリした」
「なあ、ゆう」
「なに?」
「お腹…赤くなってるか?」
「いーやー問題ないと思うよー?」
「赤くなってるんだな!」
僕の(気づかれないはずの)態度は父さんに効果抜群だったようだ…
次でアジサイ編は終わりです




