第1話 亡き母と新しい家族
僕の名前は宮田悠馬僕には家族が2人いるが2人はとても優しいんだ…
僕の母が15歳の時に事故でなくなり父はそれ以来僕の事を頼るようになっていた…
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「父さん!朝ごはん出来たよ!早く食べないと遅刻しちゃうぞ!」
階段から慌てて降りてくる音が聞こえる
「お、今日は味噌汁もあるのかまさにこの家にピッタ
リだな」
父は渋い声でそう言うと味噌汁に手をつけた
「この味噌汁おいしいな、ゆう料理上手になったな」
父さんは面白そうなものを見つけた子供のように目をキラキラながら味噌汁の入った器を持ち上げる
「お世辞はいらないよ父さん僕もそろそろ準備するから食べ終わった食器はいつもの場所に置いといてね」
「わかった、あ、今日父さん少し帰るのが遅くなる」
「キャバクラはダメだぞ父さん!」
「まてまて、決めつけるな!」
少し驚いた顔をした…かなり怪しい
今日から前に話した親戚の子を家に迎え入れようと思うんだ何せここに2人で住むには広いからな」
(親戚の子…どんな人なんだろう…)
一応、父さんから多少、話を聞いていた事だが両親が16の時に亡くなりそれ以来、心を閉ざしてしまったとかいう…
可哀想な人と聞いている
「わかったよ父さん今日からはご飯3人分作ればいいんだね?」
「そうなるな、ゆう、無理はするなよ…どうしてもしんどい時や辛い時はいつでも言ってくれよ父さんも辛い時とかあったらゆうに話すから…」
父さんは母さんが亡くなってからずっとこんな感じだ
どこか無気力に見えてしまう時があるそんな時どう声をかけたらいいのか分からなくなる
今日から新しい家族として迎え入れる人が父さんを変えるきっかけになればいいのだが…
「父さん、時間大丈夫?」
僕はテレビの時計を見て父さんに言った
話を遮るように…
「あ!不味いまた遅刻するゆう後は頼んだぞ!」
慌てて父さんは家を飛び出していった…
「全く、父さんはどこか抜けてるな!」
僕は食器を片付けながらふと亡くなる前の母の事を思い出していた…
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「母さん、見てこの前のテスト点数が良くて担任の先生に褒められたんだ!」
「すごいじゃない!母さんはゆうが褒められると母さんも嬉しい!今日は記念に母さんも料理凝ったもの作ろうかな〜」
「真奈、あまり無理しちゃダメだぞ君はまだ足が完全に治ってないんだから…」
「大丈夫よ滋さん私、今日は自分で店まで行ってゆうにご飯を作ってあげたいの」
「それなら私が行こうじゃないか1人で行かせるのは危ないからね」
「大丈夫よ、滋さんはゆうと留守番してて」
「君がそこまで言うなら…」
母さんはそう言うと買い物袋と松葉杖を取って隣の街まで買い物に出かけた
でも、母さんは帰ってこなかった…
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母さんが出かけてから、30分
店は歩いても5分はかからないぐらいの距離
にも関わらず母さんは帰ってこず
父さんは家中を歩き回っていたそんな時だった
「もしもし、宮田さんのお家ですか?」
「は、はいどちら様でしょうか?」
「私は病院の医師をしております、宮田真奈さんが1時間前に事故にあい亡くなりました…」
その時の父さんの顔を僕は忘れない、全てを奪われた様な顔をして声にならない声を叫んでいたのを僕は忘れない…
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「ダメだな…どうしても家に1人で居ると悲しいことや寂しいことが込み上げてくる…」
父さんが帰ってくるまで僕は家事をこなす事で気を紛らわしていた
「ここのホコリ取りにくいな…」
独り言を呟いているとドアの鍵が開けられた音がした
「ゆう、ただいま」
「おかえり父さん、そちらの子が新しい…家族の?」
「そうだ、今日からゆうのお姉ちゃんだ」
その人を見た第一印象は可哀想などではなく【守りたい】だった少しやつれ、怯えているように見える彼女は僕と一向に目を合わせようとしない
「…」
「ゆう、後で私の部屋まで来てくれ」
父さんは重い口調で僕の耳元で呟いた
「わかった…」
俺が返事をした時、一瞬彼女の口が開いた
「私の…名前は…まゆ…」
自己紹介をちゃんとしてくれていたそれを僕はもう少しで聞き逃す所だったとてもかすれた小さな自己紹介だった
「よろしくね、まゆ姉さん」
これが僕達の最初の会話だった…
父さんに部屋に呼ばれたのでまゆ姉さんの為に作った料理を机に並べると「先に食べておいて」と言うとまゆ姉さんは「みんなでそろって食べたい」と言ったので待ってもらうことした
「父さん、話があるんだろう?ご飯が冷める前に言ってくれよ」
「とりあえずそこに座れ、ゆう」
父さんはとても厳しい顔をしていたこの顔を見るのは初めてじゃないがこの顔をする時は辛い話か、悲しい話の時の顔だ
「ゆう、お前には苦労をかけることになるが家でまゆちゃんを住ませることにしたよ、
彼女はね…他の親戚の家で1度自殺を図っているんだ…私も真奈を亡くした時は同じことを考えた…
だが、真奈が亡くなって3年…何とかこうして生きている、生きてしまっている、だから!まゆにも教えてやりたいんだ生きる事は死んだひとへの唯一の恩返しと!」
父さんは涙を流しながらそれでも僕の方を見続けていながら話をしているそんな父さんを見て…僕は…
「父さん、僕は…まゆ姉さんを本当の家族にしたい…だからまゆ姉さんが心を開いてくれるまで頑張るよ」
「…すまないな」
父さんは厳しい顔のまま僕を見つめる心が、僕自身が試されているようなそんな気分だ
「僕は…家族が大事なんだ…もう、誰も失いたくないんだよ父さん…」
父さんは意表を突かれたような顔をした
「ゆうはそんな事を考えていたのか…すまな…」
「父さん!ご飯が冷めてしまう前に戻って家族3人で
ご飯を食べよう!」
「はぁ…そうだなここで話してしまうとまゆが可愛そうだな」
僕は父さんと一緒に客間の先の部屋へと向かった
正直、父さんに謝られるのが嫌だった…謝られてしまうと僕は今までやってきた事をすべてやめてしまいそうになるからだ…
「まゆ姉さん待ちくたびれでしょ」
「うん…」
手でお腹を抑えながら言われると先にご飯を食べていない事がわかる
「そうだな食べようかゆう、まゆみんなで言おうか」
「「いただきます」」
「あ………」
相当ガマンしていたであろうお腹の音が我慢の限界に達しまゆ姉さんがとても恥ずかしそうに俯いている
「ぅぅう…」
「ほ、ほらまゆ姉さん何が好きかわからなかったから
沢山作ったんだ好きな物食べてよ、ね」
「そ、そうだぞまゆ、別にお腹がすいてお腹の音が鳴
るなんて普通のことなんだから気にすることはない
ぞ!」
父さん、それフォローじゃなくてトドメ!!
「父さん…お茶入れるね…」
「なんでそんなに怖い目をしているんだ?」
「さあ?」
「言ってくれよ父さん本気で分からないぞ」
「そのうち気づくよ…」
まゆ姉さんの方を見ると吹っ切れたのか元々なのか分からないがすごいスピードでご飯を食べている…
エビフライの尻尾が見事に積み上げられていく…
「まゆ姉さんの口に合うかな?」
まゆ姉さんは皿を抑えている方の手の親指を上げる
「良かった…作った甲斐があったよホントに…」
「さてと父さんもそろそろ食べないと無くなりそうだな」
「父さんはお茶漬けでも食べてたら?」
「なんか済まない…
これで許してくれゆう、父さんもゆうが作ったご飯食べたい」
目が本気のようだったので皿にご飯を盛る
「はい、もうこれからは余計なフォローしちゃダメだからな父さん、父さんのフォローはフォローになってないから絶対フォローしちゃダメだからね?」
「分かった、もしゆうが女の子と5人ぐらい付き合っててもフォローしない」
「例えが酷い!」
まゆ姉さんが親子のやり取りを聞いて大笑いしだした
「あはははははは!」
「まゆ…姉さん?」
「な、なに、あははは!だ、ダメこ、言葉がは、話せない」
どうやらまゆ姉さんのツボに物の見事にハマったようだった、そんなに体を揺らしながら笑われると嬉しいのだが…その…動きで大きい桃が二つ程大きく揺れていて目が離せない…
「まゆ、笑いすぎだぞ、私とゆうは特に面白いことをした訳ではないのだがまゆの笑う姿が見れて私も笑いたくなるよ」
満面の笑みだった…
久々に父さんの自然な笑顔が見れて僕も内心ホッとしてしまっているが僕もまゆ姉さんの笑っている姿がとても可愛らしくて僕はスマホで二人笑顔を撮り
エプロンのポケットにスマホをしまった
今回から感動系の家族ものを書こうと思ったので書いてみました!
感動系は文章力がないと感動や笑いは起きないと考えています
だから、執筆時間がかなり必要になるかと思いますが
気長に待って頂けると幸いです