人材発掘方法の欠点
どうやらリリルには魔法に関して“特殊”な才能があったらしい。
それが今回発覚したけれど、そこでマリンが、
「アリサ、貴方、彼女に魔法を教えたの?」
「うん、戦力はあった方がいいし?」
「……それでいくつか魔法を覚えたの?」
「うん、でも私だったらもっと早くできたもの。これくらいは“普通”よね」
「……アリサ。それはまだ、“普通”の範疇にありません」
マリンがアリサの言葉に笑顔のまま動かなくなった。
そしてマリンがリリルに、
「そんなにすぐ教わって使えるようになったのですか?」
「は、はい、村に移動して、マリンさん達がいないときにアリサに……」
「あんな短期間に……でも光の魔法は、そこまで強い力を出しませんでしたね。……そこにいるタクヤのように“隠している”様子もありませんでしたし」
僕の方を見たマリンに僕が凍り付いた。
僕は、やっぱり気づかれていたというか、思い出されてるぅうう、で、でもこの程度なら“覚醒チート”の方にまではまだ達していない、大丈夫大丈夫、普通普通、普通の六歳児です、はい、と僕は思った。
だからずっと黙っていたが、マリンが意味ありげな視線を僕の方に送ってくるのはこう……こう……。
そこで今はそのことを追求している場合ではないと気付いたらしいマリンガがリリルに振り返り、
「リリル、貴方にも稀有な魔法の才能が有ります。……今回の魔法がどのように使えるのかといった、人材発掘方法の欠点が発覚しましたので、今後の……」
とか何とか言っている。
確かにリリルはあの時、その方法では普通だと思われてしまったようだった。
将来、優秀な魔法使いになるかもしれない“卵”を見落としてしまったのである。
それはこれから修正する気らしい。
でもそうなってくると、と僕は思って、
「リリルは、失敗すると違う魔法が発動する、と言っていましたが、どれくらいの割合でそれが起こるのですか?」
「……今までやってみた魔法だと、50%くらい。でも、その威力はすごく強いものもまれに出てきたから……やめなさいって私はお母さんに言われたの」
悲しそうにリリルが呟く。
リリルとしてはそれが悲しかったらしい。
けれど、
「うまく魔法が使えるようになればその問題は解決するから、これから練習して学んでいけばいいんじゃないかな」
「……うん」
僕の言葉にリリルがうなづく。
でもリリルがもしもすごく強力な、失敗するとしか思えない魔法を使った時はどうなるのだろうと思う。
強力な魔法の失敗時だけ、さらに危険な魔法が発動する割合は1%くらいになるといった性質があったりしないのだろうか?
でも魔法のレベルには限界があるからそこの技の場合は、ただの失敗で終わるのかもしれない。
そう僕は思い出しながら呻いているとそこで、マリンが、
「何か気になるのですか?」
「……いえ、リリルが強力な魔法を使った時に失敗すると、発動する%が変動するのかと」
「それはありそうですね。それに彼女の魔力にも影響されそうですし。下手に失敗すると、大量に魔力を失い死亡するかもしれませんから」
「……危険ですね」
「ええ。もっとも貴方がいるから大丈夫かもしれませんが」
僕はまた探られているなと思っているとそこで、クラリスが大きなカバンを持って現れたのだった。




