目立ってしまうのではと
『覚醒チート、自動演算機能、開始シマス』
機械のような音声が脳内で響く。
僕の転生する時に貰った特殊能力だ。
一つの能力を覚えると特殊能力により、枝分かれするように発現して進化していく。
しれこそレベルMAXでなければ覚えられないような能力まで、その全てが僕の中で“理解”され“使える”形になる。
ものによりはするけれど、一つの能力から、まるでタネから芽吹いた双葉が大木に一気に成長するように枝となり広がるのを感じる。
新しい能力はさながら木の枝にある節の部分だ。
それらが僕の中に形になると、こっそりと僕はそれを書に記している。
さながら能力進化図鑑のようなものだ。
僕の力があれば、まだ知られていない進化の形態を書き記す事だってできるかもしれない。
そしてこういった能力があるのなら、どうせなら全部集めてしまいたいという気持ちになる。
カードゲームのカードや某妖怪のあれのメダルを集めてしまうようなものだ。
今日もまた新しい項目が増えたぞと思って僕が機嫌をよくしていると、そこで魔法使いのお姉さんが僕をじっと見ている。
なんでだろうと僕が思っていると、周りはすでに光は消えていたり、僕よりも光の球が小さい。
これは目立ってしまうのではと思い、慌てて僕はその魔法を消した。
けれど魔法使いのお姉さんは僕の方をじっと見てから、けれど何も言わない。
そしてすぐに次の説明へと移る。つまり、
「では次は、光に色を付ける魔法です」
そう僕達に告げたのだった。