覚えてみる?
こうして僕は、僕の母親は一体何者だろうといった疑問を持ちつつも明かされないままとなった。
いったいどういう事だったんだろうなと僕は思っているとそこで父が、
「今すぐに移動、というわけではないだろう。今日のシチューは美味しくできたから、皆で食べていきなさい」
という事で食事をしてからの移動になった。
一緒にやって来たリリルも食事に招待されてアリサと同い年なのもあるのか楽しそうに話している。
それを微笑ましそうにマリンは見ていた。
そこで、
「タクヤ、ちょっといらっしゃい」
僕は母に手招きされてしまう。
どうしたのだろう? そう思ってついていくと隣の部屋に連れ込まれた。
嫌な予感がする。
人前では怒れないので、隣の部屋でこう……といったものを感じた。
でも現在僕は怒られるようなことをした覚えはない。
な、何だろうと僕が思っているとそこで、
「タクヤ、貴方、コピー能力を持っているそうね」
「……えっと」
「お母さん達にはそれくらいは話しておきなさい。まったく、昔から変にタクヤは聡いから……」
「……はい」
「マリンに聞いた時は驚いたわ。はじめから知っていて隠すように言っていたという話にしておいたけれど」
「は、はい」
そう僕の母は言っていて、僕も、確かに家族には話してよかったかもしれないと思う。
でもこのコピー能力は、よく物語ではあまりいい意味でつかわれなかった気がして“不安”だったのかもしれない。
僕がそう考えているとそこで母が笑った。
「でもせっかくだから今回治療系の魔法をタクヤも覚えてみる?」
そう聞いてきたのだった。




