名前を教えて
手助けしてくれた僕と同じくらいの年の少女。
彼女はアリサという魔法使いで、天才であるらしい。
着ているローブなどを見ると、あのマリンたちによく似ている気がする。
その一方で一部は、先ほど見せられたあのメダルのよな文様が描かれている。
そして、先ほどの怪物を追いかけていたのも彼女だろう。
それらを合わせると彼女が自分で“天才”と言わしめる程度の力はあるのかもしれない。
先ほどの背後から攻撃したあの魔法の威力は、僕が見る限りでは結構、強力な物だった。
それを放出するだけでなく、上手くその怪物の方に当てるあたり、魔法のコントロール能力も秀でていると言えるだろう。
そう思って彼女をみているとそこで、彼女は変な顔になる。
「名前」
「え?」
「私が名乗ったんだから名前を教えてよ」
「あ、そうでした。突然この怪物に襲われたもので」
「……そうなの? 分かってて迎え討ちに来たように私には見えるけれど」
そう告げたアリサに、意外に鋭いなと僕は思いながら、
「いえ、本当に偶然なんです」
「そう、まあいいわ。それで、名前!」
「あ、はい、僕はタクヤと言います。そしてこっちがリリル」
リリルが僕の後ろから挨拶をする。
そこでアリサが、
「なるほど、タクヤとリリルね、覚えたわ。それで、早速だけれど聞かせてもらえるかしら。貴方達、いえ、タクヤのその魔法能力は何なのかしら」
「……たまたまそういった魔法が使えただけです」
「それで済ませられるような威力の物ではないわね。その歳で誰にも知られずに、そんな魔法が使えるのは普通ではないわ」
アリサが、リリルが後ろにいる僕に告げたのだった。




