美味しい木のみ
近くの森に行く事になった。
授業の関係とはいえ、あんなことが今朝あったからだろう、ここに集まっている間も僕は変な感じがしてしまう。
しかも森からは今まで感じたことのない変なものを感じてぞわぞわする。
その変なものは、この前、マリンと一緒に戦う羽目になった“蛇の果実”だか何だかの感じだ。
「……危険ではないですか」
「タクヤどうしたの?」
「いえ、何でもないです」
そう僕はリリルに答えるしかなかった。
そして同時に父さんと小さく呟く。
こんな危険そうなのがいるじゃないですか、この森に! と僕は思った。
とりあえず僕は他の人達から少し離れて探査を行う。
範囲指定は、この森全部。
こっそり魔法を使い事象を測定。
それによると僕達と東側に二つの光がある。
片方は多分“蛇の果実”で、もう片方はそれを、
「追跡している? しかもあの変な生物は逃げているみたいだ」
変の一言で済ましていいのかは分からないけれど、そうであるらしい。
とりあえず西側に皆を誘導したいけれどどうしよう、と僕は考えて思い出した。
「そうだ、この森の西側のお花畑の近くで、“モルの果実”がいっぱいなっていたんだ!」
「「「!」」」
同級生たちが一斉に反応した。
リリルも反応した。
先生も反応した。
この先生、実はあの果実が凄く大好きなのだ。
だからまずはそこに全員を案内して、それからうまく逸れたように装って抜け出そうと僕は画策する。
少し手間ではあるが、危険からは出来る限りみんなを遠ざけた方がいい。
「案内しましょうか?」
その問いに誰も反論する人はいなかったのだった。




