魔法の講義
僕達がその魔法を教えてもらえる講義に向かうとすでにたくさんの人が集まっていた。
やや子供が多い気がすると、そばにいた僕達と同い年らしき子達は、これで壁に落書きしても怒られない、と楽しそうだ。
確かに光で文字を書けば、いずれ消えるので落書きするにしても処理が簡単だ。
そこでリリルが、説明用の紙を貰っている。
僕の分の説明の紙を貰ってきてくれたようだ。
そこに書いている内容をリリルはじっと見つめてから、
「光に色を付ける魔法と、その光で空中に絵を描く魔法……綺麗な気がする」
「だね。まずは魔法使いの人がお手本を見せてくれるだろうから、それを参考にしよう。楽しみだな」
僕がそう言うと、リリルが頷く。
実際にこうやって他の人の話を聞くと、自分で放ったく気づかないようなことを学べる機会が結構ある。
それは大きな発見もあれば小さな発見もあるけれど、新しい事を学べる喜びは常にある。
というわけで僕は今日もとても楽しみにしていた。
そこで黒髪に赤い瞳の綺麗な女性が僕達の目の前の檀上に上がってくる。
黒いローブを着た人でえ、その人は静かに、
「私は魔法使いの学校から来ました、マリン・グスタフと申します。今日はこれから皆様に、お手元の紙に描かれているような魔法を教えしようと思います。では、まず初めに光の色を変える魔法から、と言いたい所ですがまず右派一番初めの基礎となる、白い光を生み出す魔法について、お教えします。簡単な初歩的な物ですので、すぐに皆さん出来るようになりますよ」
そこでその魔法使いのお姉さんは微笑み、僕達の目の前に手を突き出したのだった。