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能力とは

 メメル姉ちゃんに連れられて、リリルと一緒に野菜を売りに行く。

 途中、薬草が幾つも生えているのを見かけて積んでいきながら、


「タクヤ、おいていくぞ~」

「ま、待ってください~」


 メメル姉ちゃんが大きな車輪のついた荷車を引っ張りながら僕を呼ぶ。

 僕はいくつか薬草を積んでそれを荷台に少し入れた。

 その葉っぱを見てメメル姉ちゃんが、


「“タタコ草”か。確か変わった病気に効くんだったか」

「違うよ、変わった呪いに効くんだ。あまり知られてはいないけれど、高く売れるんだ」

「そうなのか、タクヤは賢いな。……この荷車だって私が怪力とはいえ、凄く運びやすくなったからな」

「お役に立てて良かった」

「うん、タクヤがおこずかいで一生懸命学んでいるおかげで、私も助かっている」


 メメル姉ちゃんがニカッと笑って、僕も笑顔を返す。

 やっぱり人の役に立つ魔法が使えるのは嬉しいと思う。

 褒められるのも気分がいいし、と僕は付け加える。


 このメメル姉ちゃんの荷車も使いやすくしたのは僕のチートの能力によるものだった。

 けれど直接僕のチートが関係したわけではなく結果としてそうなった状態だ。

 魔道具作成系の能力のおかげで、魔力をためておいてそれを使い、荷車の動きを補助する……前世で言う、電動自転車のような物に仕立て上げたのだ。


 ここで能力、というものについて軽く説明をしていく。

 この世界はレベルによって能力がどんどん進化していくらしい。

 けれど進化といっても、その能力が二つのものに進化する場合一つしか発現しない、といったものがある。

 けれど僕は、転生の際に覚醒チートというものを貰っていた。


 それを使うと、一つ簡単なものを教わるとそれから派生する“全て”の能力が使えるようになる。

 それらを使ってこっそりお小遣い稼ぎをしたり、魔物を倒したりしていたのですでにこの歳でかなりのレベルになっていた。

 そこそこ熟練の冒険者のレベルが、50であるらしい。


 ちなみに僕は、現在レベル57くらいらしい。

 この前、“ステータス・オープン”で確認したから間違いない。


「でも僕は普通なので隠しておくのだ」

「タクヤ、何か言った?」


 リリルに聞かれて僕は、つい声に出したと慌てながらも、何でもないよと答えたのだ。

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