才能”がある
マリンが僕達の元にやって来た。
だが妙に機嫌が悪そうだ。
どうしたのだろうと思って僕が見ていると、
「先ほどからこちらの方おじっと見ていましたね。三人そろって」
「はい、とても目立っていましたので」
僕がそう答えると、何か思う所があったのか僕をじっと見つめてから、すぐに眉を寄せた。
「いえ、貴方だけではありませんね。他のお二人も気づいていましたね、私があそこで貴方方を見ているのに」
そう、マリンは今度はメメルの方を見て告げる。
と、目を瞬かせて、メメルが、
「え? 私? 見るからにそれっぽい人がいると見ていましたが」
「……周囲の色に溶け込むようにして、離れた場所からは認識されにくくする魔法を使っていたのに、どうして気づかれたのですか?」
「……黒いローブにしか見えないのですが。目立っていますよ。タクヤとリリルもそうだよね?」
メメルが不安そうに聞いてきたので僕とリリルは頷いた。
だってどこからどう見てもこのマリンというこの女魔法使いは、とてもよく目立つ。
他の人が色々な服を着ているのに対して彼女は黒いローブなのだ。
これで目立つなという方がおかしい。
するとマリンは深々とため息をついてから、
「この魔法は、あある一定以上の魔力や才能がある人物には見抜かれてしまうものなのです。それに気づけるという事は貴方方三人全員に“才能”があるという事になります」
「え? 私にも?」
メルルが凄く不思議そうに声を上げるも、それにマリンは頷き、
「ええ、貴方にも魔法の才能があります」
マリンが当然のように答えたのだった。
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