工作終了
まずこの箱に、どんな魔法がかけられているのかを“分析”する。
どうやら僕達を追跡する魔法ではあったようだけれど、と思いながら調べていく。
小さな光の窓に、その情報が現れる。
分析や鑑定系の能力はこうやって画面上に情報を出すことで、もってきた人物にも内容を見せたりできるようになっている。
昔はこんな風ではなく、読み取った内容を鑑定しなりなんなりが紙に記載していたが、悪質な鑑定士の事件や偽鑑定士の事例が出てきて、このように光の窓のようなもので依頼人にも確認してもらうようになったという経緯がある。
そんな話を思い出しながら、その箱についた魔法を見ていくと、
「うーん、外の部分の範囲では、何処に持っていかれるかを見ているみたいだね。でもそういえばさっきの書類に名前と僕の出身地書いちゃったな。それも考えて、多分追いかけられても大丈夫かな。それから表層部分ではなく中のお菓子も確認っと」
僕は箱を紙に包んだまま、中のものを探す。
見てみると確かにケーキの方にも何か魔法が付加されている。
どうやら能力を盗み見しやすくなるような魔法であるらしい。
僕以外のリリルの方も見てみると同じような魔法が付加されている。
さて、どうしようか。
「……事前にこの世界の平均的能力に関する本を読んでおいてよかったよ。年齢に対する比率から、ちょっと多いくらいの能力を“読み取る”ように書き換えて……よし、これでいいや」
“普通”っぽく見えるように設定する。
確かこれよりも僕だけでなくリリルの能力も高い。
こうして僕の偽装工作はひとまず完成したのだった。
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