能力を調べて
名前を記入した僕とリリル。
すると小さな紙に包まれた箱を貰った。
青色の下地に白い模様の描かれた包み紙。
魔法使いのお姉さんが僕とリリルに、
「この中には、ケーキが入っています、皆さんで楽しんでくださいね」
「「はい」」
ケーキは大好きなので僕とリリルは嬉しくなる。
僕以外にもメメルもケーキといった甘いお菓子が大好きだった。
後で皆で食べよう、そう思っているとその魔法使いのお姉さんが、
「では最後にもう一度だけ自己紹介を。私の名前はマリン・グスタフと申します。また、近いうちにお会いできたらと思います」
「? 僕はまだ六歳です?」
「……数年何てあっという間ですよ」
くすくすと楽しそうに笑って、マリンという魔法使いのお姉さんは僕達に言う。
そしてそれからマリンは、
「家族との時間は楽しいですか?」
「はい、とても楽しいです」
「村での生活は楽しいですか?」
「楽しいです」
「そうですか。貴方はこの世界に“希望”がありますか?」
最後の問いかけは、僕にとって奇妙に聞こえた。
どうしてそんな事を聞くのだろう?
不思議な気持ちになって見上げたマリンの顔はとても真剣そのものだった。
だからなにも聞けなかった。
だって今の生活が僕には楽しくてたまらなかったから。
そしてリリルと逃げるようにその場を後にした僕。
そこでそのマリンという女魔法使いが、
「先ほどの少年の名前を書いた紙、そこから魔力を読み取って、彼の能力を調べて。あの子は……子供なのに、大きな才能を秘めている兆しを“隠した”から」
と指示を出していたけれど、僕は知る由もなかったのだった。




