004
「あっ!もしかしてだけどさ大和くん、立花さんにどこかですれ違って一目惚れしちゃったとか?」
「なんかよく有り気なラブロマンスだな」
「違うよ大和くん、そこはラブ・ストーリーは突然にでしょ?」
「僕は小田和正の名曲の話なんかしてないぞ!!」
なんかトレンディーな話になってきちゃったな。
ちなみに僕たちは二人とも、バブル以降に生まれたいわゆるゆとり世代だ。
「でも一目惚れじゃないかな。まぁ……近いけど」
「近い?うーん……ますます分からなくなっちゃったな」
鵜川は悩む。
どんな問題にも答えてくれる鵜川だが、今回ばかりは無理かな?
ちょっと優越感があるな、これ。
「あぁ……分からない。降参降参!」
あははと鵜川は笑って両手を挙げる。
サレンダーか……僕の勝ちだ!
……まあ勝ち負けなんてないけど。
「それで正解は何なの?」
「ん?正解ねぇ……」
てかこの問題に、正解なんてあるのか?
別に彼女の事が好きなわけじゃないし……というか何者なのかも分からない相手に、そんな感情は生まれないし。
そもそも、あっちもその気があるのか……。
「正解は……」
ただ一つ、ここで言えるのは。
「僕の決心を阻止した、お邪魔虫だからかな」