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落ちから始まる恋物語-The falling love-  作者: 赤坂皐月
デート
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004

「あっ自販機じゃないかあれ?」


並木道の先に、一つだけ自動販売機が置かれている。

しかしどんな自動販売機にもおしるこが置いてあるわけではない。むしろ稀なくらいだ。


「あるわねおしるこ」


その自動販売機には幸い、おしるこが置いてあった。

僕はポケットから財布を出し、おしることコーヒーを一本づつ買う。

冷たい寒気に体を晒していたので、温かいコーヒーが身にしみる。


「……美味しいかおしるこ」


「えぇ美味しいわよ。ただ欲を言うと白玉が欲しいわね」


「確かに白玉があったら美味しいだろうけど、その缶に入ってたら面倒だと思うぞ?」


「あら、的確なところを突いてきたわね。座布団一枚あげるわ」


「ありがとさん……」


正直な感想を述べただけで、上手いことを言ったつもりはないが、貰えるものはもらっておこう。


「ちなみにその座布団、おじいちゃんのだから」


「おじいちゃんの使い古しを僕に渡すのか!?」


「おじいちゃん、座布団がないから膝が痛いって嘆いてたわよ」


「おじいちゃんに返してあげて!!」


ちなみに、本当にその場に座布団があるわけではない。

まるで漫才とか、コントをやっているような感覚。

人が素通りする並木道がステージ、観客は自動販売機が一機のなんとも寂しいステージだった。

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