表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落ちから始まる恋物語-The falling love-  作者: 赤坂皐月
内定
26/31

008

「でも僕はお前に感謝してるんだ。あんな場面で優しい言葉を掛けれる人は多くいるかもしれないけど、なんというか……刺さる言葉を言えるのは少ない気がするんだ」


優しい言葉なんて、所詮はその場凌ぎで何でも掛けれるもんだ。

大丈夫とか、希望があるとか、頑張れとか。

だがそこに、残る物はない。心に残る物が。


「だからかな……僕がお前に惹かれたのは」


「……そう」


相変わらず、立花は本から目を背けない。

多分、あの言葉は僕にとっては重かったかもしれないが、彼女にとっては軽いものだったのかもしれない。


でも、言葉とは常にそんなもの。

軽くて、軽率なものだ。


今年の冬は寒い。特に、この吹き抜けでしかない屋上では尚更その寒気を直に浴びてしまう。


「寒くなってきたわ、そろそろここを出ましょうか」


立花は本を閉じ、その隣に置いてあった鞄に入れ込む。

僕と彼女からすると、この本を閉じるという行動は解散を意味する。


「なあ立花、最後にちゃんと聞かせてくれないか?」


「ちゃんと?何を?」


「僕と一緒にデートしてくれるか、否か。こういうのは白黒ハッキリしておきたいんだ」


大切な事だからこそ、灰色にしておいてはならない。

僕にとっては、これは一大決心なのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ