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落ちから始まる恋物語-The falling love-  作者: 赤坂皐月
落ち
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002

「どうしたの?早く飛び降りなさい」


背後から、声が聞こえてくる。


「!!?」


僕は突然の事に、奈落への歩みを止め、振り返った。

そこにいたのは、女性。


「怖気づいたの?だったら最初からそんな事考えないことね」


屋上の風に、彼女の黒い長い髪は揺れ、その鋭い瞳は僕を捉えている。


「怖気づいてなんかない…ただ、僕以外に人が居たのに驚いたのさ」


「ここは学校。わたしも学生だから、学校に居るのは当たり前でしょ?」


ここは屋上。しかも立ち入り禁止の。

普通の学生なら、こんなとこ来るはずない…と言うのは野暮だろうか。


「……ここで何してる」


「今から死ぬあなたに言っても、意味無いでしょ?」


至極同然。

ぐうの音も出ない返答だ。


「……読書。ここ静かだし、誰も来ないのよ。だから図書館なんかよりずっと本が読めるの」


結局答えるのかよ。

訳の分からないヤツ…。


「そうか…だったらここから去った方がいいぞ。もうすぐ目の前で人が一人死ぬんだからな」


宣言にして、忠告。

僕が死ぬからといって、他人には迷惑はかけたくない。


果てる時は、静かに果てたいのさ。


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