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「……その女性はその後、その青年とは別の人と結婚したそうよ。まあ、自殺を止めるためのひと時のラブストーリーを演出したということね」
「そうなのか…何というか男ってのはつくづくバカだな」
この言葉は、その青年に向けて言ったわけじゃなく、僕自身への罵倒だった。
情けないこの恥今後のためにここで諌める。
「だけど、わたしは多少彼女とは違うわ。何が違うか当ててみて?」
鵜川に続けて、立花もまたクイズか。
だが今度は僕が出題者側ではなく、解答する側だ。
正解しても何がある訳でもないだろうけど、いいだろう…答えてみせるさ。
「うーん……あっ人種の違いとか」
「ワタシコレデモ中国人アルよ」
「そんなとんでも中国人いてたまるか!!」
そんな日本人の考えたテンプレートの中国人なんか見た事ないよ。
いるのかあんなの?
「人種じゃないわ。そんなのは誰でも分かるでしょ?もっと違うところでかつ、根本的なところよ」
「根本的なところか……分かった!そもそも君が男とか?」
「もしわたしが男だったら、今頃あなたはそこに立ってないわよ。多分わたし、男だったら筋肉モリモリマッチョマンの変態だから」
「お前……シュワちゃんなのか……」
「I'll be back」
「それ違う方のシュワちゃんだからな!」
いつの間にか、映画の話になっていた。
分からない人は映画を見て欲しい、どっちとも名作だからな。




