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天国のお土産  作者: トニー
第一章:クァボ男爵領の惨劇
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1-05. モンスターとレベル、なの

 レベルアップとはなんぞ。

 家庭教師野郎の説明をちょっと思い出してみましょう。


 因みにこの家庭教師、まだ若いはずなのにやや頭髪が残念な、気の弱そうな青年だったわけだが。

 連日の拷問でボロボロにされたミアが、全裸で広場に引き出されてきたときに、かぶりつきで大ハッスルしてやがったのを、僕はちゃんとチェック済です。


 証拠は挙がっています有罪確定です。

 判決は死罪です。

 執行猶予は僕とギークがあの街に戻るまでですこれにて閉廷。


 『モンスターというのは、種族ごとに大凡の強さが決まっているそうです。ただしあくまで大凡、つまり同じ種族の中でも、体格の大きさや腕力の強さには一定の幅があるのです』


 この死刑囚のカリキュラムは一般常識だったわけだが、まあ詰まらない授業をする人で、この先生に説明されたことはもう殆ど覚えていない。話し方が平坦でとにかく眠くなるのですよ。


 生徒ミアが理解しているかどうかに関係なく、一方的に話すだけだったりすることも多かったしね。


 結局、こいつ自身も大して理解してないことを、通り一遍に説明しているだけなんだろうなということが透けて見えるわけ。

 ますます話をちゃんと聞かなきゃという意欲が失われます。


 じゃあなんで僕は今、そんな話を思い出せるつもりでいるのか、と。


 このレベルアップ説明してた授業だけ例外なんですねー。

 あ、いや他にも多少は覚えている回もあるけど。


 この時はミアがもうねー。

 直前の礼儀作法の時間にマダム・レイヨーからこっぴどく説教くらってダウンしちゃってて。


 しょうがない代わりに聞いておいてやるかー。

 僕は有事の際のカンニングペーパーですー。


 と、まあそういう経緯ですよ。

 ついでにいえば、モンスターというものについては僕もちょっと興味があったからね。

 うん、あくまで比較すれば的な話でね。スライムって素敵ですわよネいつも抱いて寝かせていただいているのデスワおほほほ、な誰かさんとは違いますよ? ちなみにそれはサロンで流行ったちょいエッチな物語の登場人物ですが。


 『我々ヒトが、訓練を重ねて技術を磨き、体を鍛えて強くなるのとは別に、モンスターという生物は、魔素を自身に溜め込むことでレベルアップ、そして一定のレベルに達するとランクアップをすることが知られています』


 他人の事は言えないけどさぁ、アンタそんなもやしボディーで我々とか言っちゃって恥ずかしくありません?

 我々詐欺じゃないんですかね。


 そんでもってその言い方だと、モンスターはレベルアップやランクアップとは別に、体を鍛えたりすることでも強くなるって理解でもいいんですかね。その辺りどうなんだはっきりしろやゴラァとか、無駄に詰め寄りたくなりますね。


 『モンスターは、レベルが上がると体力や筋力などが僅かに向上し、更にランクアップまで至れば、骨格から始まり誰か見ても分かるくらいに、狂猛な姿に変貌するといわれています』


 もうミア全然聞いてない。

 椅子に腰かけつつ足先ではさっき失敗した優雅な歩き方ステップを復習中。


 ちょっとミアさん、ちゃんと聞いておられますか? とかいうべきとこだろこれ。

 教える気ないよねー。チェンジしろチェンジ。


 『ランクアップを果たしたモンスターからは、より上位種にあたるモンスターが生まれることがある、とも言われています。これは非常に危険なことで、定期的なモンスター狩りが推奨される理由となっています』


 ちなみにミアが礼儀作法の時間にステップ失敗した原因はどう考えても寝不足。


 前日にサロンで女子会があったんです。

 サロンもねー、女の子だけになると、途端に話題が下世話に振れるの、僕的にはちょっとどうかと思うのですが。


 この本がすごかったんですわよ今回のスライムはー、って薦めてくる何方かさん。

 貴女の興奮度合いの方が僕的にはすごいと思ったりしたものです。


 上気した頬とか異性から見れば魅力的だったりするのかもしれないけど。

 原因を聞いたらきっと百年の恋も異次元の彼方なんじゃないですかね。


 で、興味津々なミアがその本を借りてですね、借りたその本を読みふけりまして。

 興奮して夜になかなか寝付けず、僕はモンスターの生態というものにちょっと興味を持ちました、と。

 

 うん、ということで回想終了。


 思い出した知識を当てはめて考えるに、この体がポカポカしてくる現象、見た目から大きく変動するというランクアップであるとは流石に思えないから、レベルアップなんじゃないかなーと予想するわけです。


 では答え合わせ。


 (ねえ、今のってレベルアップなの?)


 こう、もうね、モンスターと友好的なコミュニケーションをとれるようになった時点で、僕の潜在的なモンスター博識度数は天元突破したよね。


 あの能無しヘタレなしったか野郎を足蹴にしつつ、無知を嘲り笑いながらちまちまといびり殺してやるプランなんかが思いつきます。


 「ギ、レベル? 次の獲物、カ。ドコにいた」


 。。。駄目だ。プラン却下。

 あー、はいはい、もういいです。


 まだお腹すいてまちゅものね。

 意見交換だの意識合わせだのは満腹になったらその後にでちゅね。


 えー、さて、獲物、獲物ー、と。

 おいしい食べ物どこですかー。


 隠れてないで、出ておいでー。


 その後、身を隠していた木立の周辺をうろつきまわること数刻。

 追加で数匹の獲物をハンティング。


 やはり基本戦法は投石安定ですね。

 この辺に居るような小動物は、物陰とか地面の穴とかにすぐ避難してしまう。

 真っ当に捕まえようとすると全然ダメ。


 ギークががっつきすぎで、そんなに草叢をガサガサ言わせて近づけば、そりゃあ狙われてる側は逃げますよねってことなんだろうけど。


 捕らえた獲物は丸呑みでなければ丸齧り。

 更に追加でのレベルアップを果たした。


 文明人たる僕にはつらい食生活。

 せめて火で炙って塩を振るくらいのことはやってほしい。


 それくらい屋台のガラの悪いおっちゃん方でもやりますよ。

 なんでそれくらいできないんですか。


 まあ、文明人な僕は火の熾し方すらロクに知りませんけどね。

 なんか石と石をガチガチやると着くんだっけ?


 しかしこの感覚がレベルアップだとすると、正直かなりなハイペースだと思われる。


 どのモンスターもこんな調子でレベルアップするものだとしたら、あっという間にどいつもこいつも頭打ちになって、上位ランクの凶悪なのがそこらじゅうに居ないとおかしいってことになるのではなかろうか。


 でもそうはなってないな。

 そうするとこれレベルアップじゃないのかな?


 んー? 分かりませんねー。

[INFO] 動物(草原鼠)を、殺害しました。

[INFO] 動物を、殺害しました。

[INFO] 動物を、捕食しました。

[INFO] 動物を、捕食しました。

[INFO] 永劫の飢餓により、摂食物は魔素に変換されました。空腹状態は維持されます。

[INFO] ギークは、レベルが上がった!

[INFO] 動物(パロ)を、殺害しました。

(中略)

[INFO] ギークは、レベルが上がった!

[INFO] 現在の状態を表示します。


 ギーク

  小鬼 Dランク Lv4→Lv6 空腹

 【ギフト】

  不死の蛇 Lv2

  唆すもの Lv--

  地図 Lv1

  <---ロック--->

  <---ロック--->

  <---ロック--->

  <---ロック--->

  <---ロック--->

 【種族特性】

  永劫の飢餓(継承元:餓鬼)

  暗視(小鬼)

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