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天国のお土産  作者: トニー
第二章:赤鬼と匪賊
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2-19. 赤鬼の居ぬ間、なの

 狂犬(マッドドック)わんさかな森から帰って参りました。

 成果は相変わらずのボウズです。なお、その場で異次元した分は勘定に含みません。

 師匠は何事もなく無事でした。出掛ける前とか、目が合った奴全員に事前に詰め寄っておいた甲斐があったということでしょう。「あ、若頭あにき(スケ)に手ェなんて出しませんて!」てなことを宙吊りに持ち上げつついろんな奴に大声で叫ばせた成果に違いありません。広報が大事なんです。

 その度に師匠の顔が真っ赤になっていたような気もします。考えてみれば公開羞恥プレイだったかもしれませんが、仕方がありません。あれは必要な犠牲でした。

 ああでも、あわあわしていた師匠もかわいかったです。ギャップ萌というやつです。


 炊き出し係から夕飯を受け取って、無事だった師匠と一緒に食べます。あーん、とかやってほしいです。

 おや? 羨ましそうにこっちを見ている奴がいる気がしますね。あとで頸とかキュッと締めておきましょうか。

 ……、ん? 僕らが外出中に何かあったんですかね? どうも誰とは言わず浮足立っている雰囲気を感じます。

 師匠に聞いてみましょう。


 「いや、すまない。お前に言われた通り、家からは出なかったからな。1度だけ誰かが覗きに来たが、物陰で息を潜めてやり過ごした。外が少し騒がしかった時間があったようなんだか」


 誰かが、一度、覗きに来ましたか。

 ほう。


 誰じゃーーーッ 許さねぇッ 名乗り出やがれ去勢してやるッ

 許せねぇッ 人のものを盗ろうとはフザケタ真似してくれんじゃねぇかぁエエッ?!

 この落とし前はどうつけてくれるんじゃいッ! 名乗り出んかいこのあかんたれガァッ!!


 適当に何人か捕まえて事情聴取をします。カツ丼は出しません。

 疑わしい奴の目星はついているんです。男です。男が怪しいです。

 もう面倒ですね。男ども全員去勢でいいんじゃないですかね。そうしちゃえば僕も安心だし師匠も安心だし、奴らもきっと性欲を持て余すこともなくなるしでオールハッピーなんじゃないだろうか。

 よしギーク、ちょっとそういう方向で、一人ずつ潰して、、、


 え? 赤鬼(オカシラ)が外出した?

 え? 今居ないの? あの酔っ払いが?

 突然雄叫びを上げながら? 西の方へと走り去って行ったって? 夕日に向かってか?

 ウンバルラーッ とか叫んでた? いや意味不明だし。なんだよそれ。

 ……、酒って怖いわー。ギークは飲んじゃだめだからねー。

 溺れた? 酒にじゃなくて? 誰が? 若頭? いつギークの話になった。

 あ? 重かったって? いやそれはそうだろうけど。

 え? 俺のマラをみてくれ? は? 潰してほしいのか?


 いやちょっとお前らさ、もう少し時系列を追って順序良く分かるように喋れよ。

 話がピンポイント過ぎてサッパリ全体像が見えねーぞ。


 宵の口を過ぎてそろそろ夜更け。師匠の待つ寝床に向かいます。

 師匠、先に横になっていますが、藁布団の片側を捲ってギークが来るのを待ってくれています。師匠にとってはもうかなりの暗闇のはずです。でもギークは夜目が効くのでまだ色々見えてます。

 うん、師匠ちょっと色っぽすぎやしませんかね。ほらなんか、隙間から覗いているおみ足とか、何より表情がさ。

 ちょっとギークさん、身体、僕と交代してください。僕、師匠が抱きたいです。チューしたいです。

 ギークが布団に潜り込みます。師匠の体温であったかいです。

 夜は寒いのですがぬくぬくです。

 僅かに濡れた唇を半開きにして、師匠がぽー、とギークを見ています。

 いや、師匠的には暗闇なので見えていないはずですが。ヤベーです。もうほんとキスしたいです。マジおいしそうです。がるるるる。


 (それで結局、赤鬼(オカシラ)はどうしたのでありますか?)


 河童の声で正気がリターン。

 はうっ、あぶなかった。師匠の魅力にコロリとやられるところでした。僕がね。

 ギークが何考えてんだかはよくわかりません。少なくともギンギンではないです。師匠はこんなにも魅力的なのに不思議ですね。ついてないのかな? ああ、いやついてたね。前に確認したことあったわ。


 (どうにも要領を得なかったの。河っ、、、フレデリカにも、一緒に来てもらえばよかったの。失敗したの)


 食事の時、河童はこの家に置いてきていたんですよね。河童、普通のご飯食べないので。

 この河童のエサは、チンチロで巻き上げた屑鉄とかです。どうやっているのかは分かりませんが気が付くと平らげています。謎です。ブッチンブッチンと齧っているのでしょうか。丈夫な歯です。

 排泄はどうなるのでしょう? 分かりません。下品なことを考えたからでしょうか。河童がなんだかこっちを睨んでいる気がします。目線感じます。


 (掻い摘むと、ミイたちが狩りに出て暫くして、見張りが川に鬼の死体が浮かんでいるのを見付けたらしいの。最初若頭かと思いましたよとか言われたの)


 正確には、若頭がもう一人川に浮かんでまして、と言っていた。

 一事が万事そんな感じで、かなり意訳しています。そのままじゃ全然意味不明ですから。

 

 (その死体を見て赤鬼(オカシラ)が激怒したの。更に川上にもう一体の死体があって、赤鬼(オカシラ)が絶叫したの。絶叫しながら川上向けて走り去って行ったそうなの)


 激昂した赤鬼(オカシラ)が突然川に飛び込んで、ちょっと溺れそうになっていて、それで儂らは竹竿で、ウンヌンカンヌン辺りのエピソードはカットです。どーでもいいです。


 (すごい勢いだったし恐ろしかったので、誰も追いかけられなかったんですよ、だそうなの)


 あんときの赤鬼(オカシラ)は怖かったよな、ああ魂がなくなっちまうかと思った、俺はもうここが縮こまっちまってほら見てくれよ以下略。

 まずはきちんと事実を述べろ、テメーら所感混ぜすぎなんだ。若頭への報告だぞもっとちゃんとしっかりせんかいこのドサンピンが、というのが僕の所感です。

 ああ、師匠あったかいです。あと柔らかいです。幸せです。


 (……、赤鬼が最初に言っていた、「ワガ一族イチゾク」というものが、亡骸で見つかった、ということでありますか)


 ギークの左腕が師匠の枕です。かかる師匠の吐息が熱いです。おかしいです。そろそろ地面に霜柱ができてもおかしくないくらいの季節のはずです。


 (ご主人様マスター、聞いておられますでありますか?)


 (やばいの、僕はもうだめかもしれないの)


 (……、ギーク様(おからだ)のバイタルサインには、特にこれといった変化は見受けられないでありますが、、、)


 (ギークは男の風上にもおけないの!)


 ギークが右の拳で自分のわき腹をドンッとついた。


 ……、黙れ。だと思われる。

 そんな符丁を決めてはいないが。

[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを殺害しました。

[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを摂食しました。

[INFO] 永劫の飢餓により、摂食物は魔素に変換されました。空腹状態は維持されます。

[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを殺害しました。

[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを摂食しました。

[INFO] 永劫の飢餓により、摂食物は魔素に変換されました。空腹状態は維持されます。

[INFO] ギークは、レベルが上がった!

[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを殺害しました。

[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを摂食しました。

[INFO] 永劫の飢餓により、摂食物は魔素に変換されました。空腹状態は維持されます。

[INFO] 現在の状態を表示します。


 ギーク

  オーガ Cランク Lv8→Lv9 空腹(忍耐)

 【ギフト】

  不死の蛇 Lv2

  唆すもの Lv--

  地図 Lv3

  <---ロック--->

  <---ロック--->

  <---ロック--->

  <---ロック--->

  <---ロック--->

 【種族特性】

  永劫の飢餓(継承元:餓鬼)

  暗視(継承元:小鬼)

  忍耐の限界


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