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天国のお土産  作者: トニー
第二章:赤鬼と匪賊
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2-15. 弓術の練習、なの

 (マスター、浮気でありますか)


 何ですのん。


 (私というものがありながら、新しい女を寝床に連れ込まれるのでありますね)


 河童ちゃんがなんだか怖いです。どうしましょう。


 (男より、女の方がよいかと思っただけなの、、、)


 (それを浮気というのであります! 私、私ッ マスターに捨てられるのでありますか?!)


 (ち、違うの! そんなことないの! かっぱ、、、ぱーぱー、フレデリカは僕の大切な仲間なの! 捨てたりなんかするはずがないの!!)


 (い、いま、また河童と呼んだでありますね! 河童ではないと申し上げたはずであります! マスターは酷いであります!!)


 矢が、的の遥か上方を飛んでいく。


 「……、お前ら、ちょっと黙れ」


 「ギーク、もっとちゃんと集中しろ。あと独り言も感心しないぞ」


 あ、ギークが師匠に叱られた。

 というわけで師匠(予定)が師匠にクラスチェンジしたので弓矢の練習中です。

 赤鬼団の暇人()たちが興味津々にこちらの様子を伺っているようですが気にしません。

 ギークが超不機嫌ですが僕のせいではないと思います。河童が悪いです。

 にしてもおかしい。河童こんなキャラじゃないはずだったのに。どこで狂ってしまったのだろう。


 (やはり胸、胸なのでありますか! 脂肪の塊が恋しいのですか!)

 (確かにそれは恋しいの。でも違うの。落ち着くの)


 矢が、的の遥か下方、地面をバウンドして跳ねていく。

 ギークが弓の本弭(もとはず)を地面にザクンッと突き立てる。


 「ギーク。自分の得物は大切にしろ。失敗を自分の得物のせいにするなど恥ずかしいことだと思え」


 あ、ギークが師匠に叱られた。


 貧困領主の騎士から強奪した金属(コモン鋼)製の弓と矢ですが、ようやく本来の用途で使える日が来ました。


 弦を張ってー。え? 弦張るの二人がかりなの?

 矢を番えてー。え? 矢は持たないの? じゃあどこ持つの?

 さあ、狙えー。え? 弓越しに的を見る? 弓邪魔で見えなくね?


 おー、威力すげえ。アジトの壁に穴が開いたよ。あ、誰か来た。はい、ごめんなさい。場所変えます。

 矢を回収するのが面倒ですね。とりあえず万が一に備えてすべての矢にマーキングをつけておきます。

 なんかこう、やはり<<念動テレキネシス>>のギフトが欲しくなります。ミアのおねだり候補だったのですが、予約待ちが大行列で早々に選択肢から外したあれです。

 ん? 他に何を候補に考えたかですか?

 えーと、えーと、イメージは湧くのですが、名前がちょっと、思い出せないのです。

 うん、でも魔法シリーズは全部候補でしたね。赤青黄色に黒白銀です。

 だって魔法少女とか憧れますよね。ミラクルですよミラクル。

 銀魔法を取る奴はマゾだそうですけどね。時空操作スペースタイム・マジックとも言いますが、あれってば発動させる度に、全身に失神レベルの激痛が走るそうですからね。


 うん? フラグ? なんのこと?



 その日の夜。

 ギークは夜行性なのかと思っていましたが、本人に改めて確認したところ、食い物さえあればどっちでも適応できるそうでしたので、ここしばらくは朝型生活をお願いしています。

 理由? え? だって夜は寝たいでしょう?

 夜目とか関係ないです。僕、夜は寝たいです。

 ん? わがままって何ですか。いや、だってギークはどっちでもいいって言ってるし。

 大体ですね、僕は朝日とともに目が覚めて、お日様の下でおいしく紅茶をいただいていた身分の人間ですよ? 闇夜をこそこそとか犯罪者みたいな生き方、そもそも趣味じゃないんですよ。それが復讐に欠かせないってんなら勿論我慢しますが。


 で、師匠にはギークとの同衾をお願いすることになります。

 いやだって他に寝るとこないし。家狭いのですよ。ミアの屋敷のトイレとどっこい。

 一部屋しかないし、板間その半分もないし、そこに河童を設置しているわけだし、デカイ弓矢も格納しなきゃなんですよ。チンチロのカタでむしろとか藁布団とかは数があるけど、土間に直敷きじゃさすがに寒いでしょ?

 赤鬼団(おまえんとこ)、いろいろ死んだんだから空き家増えたんだろ? はいそうです。いいところに気が付きますね。

 でもそもそも師匠は、ギークの女にするという名目で山砦(ここ)に引っ張ってきたのです。その前提で身分が保証されているといって良いでしょう。

 別居なんてことになったら大変です。活動時間帯をずらすのも同じ理由で却下です。鬼の居ぬ間に、蝿がたかってきかねません。


 「(オーガ)と人間で、子供というのは生まれるものなのか?」


 師匠が何か言っています。違います師匠。そうなる行為をする予定はないのです。

 ギークにもちゃんと食わないように言い含めました。どうも違う意味に取りやがった気もしましたが、大丈夫です。

 強権発動してでも師匠の貞操は僕が守ります。

 あ、でもちょっとおっぱいの感触とかは少しくらい……、ギークが左の指先で二回、自分の腰骨の辺りを軽く叩く。僕に対する、なんか言え、の符丁。ついさっき取り決めたのです。


 (フレデリカー、子供できるかとか、何か知ってますー、なの)


 (酷いでありますマスター。私にはそんなこと一度もしてくれなかったのにであります。私もハグとかされたいのであります。ずっと寂しかったのであります)


 あー、ダメだこれは。壊れている。後で修理に出そう。

 つか河童よ、ずっと背負われて密着してたよね? そっち系が嗜好だったとはついぞ気付きませんでしたが、それで満足しときなさいよ贅沢だな。


 (冗談はさておき、子供でありますか)


 冗談かよ! 僕の全力の突っ込みを、ハリセンで表現できないのがまことに悔やまれるわ。


 (生殖能力を持たない三倍体の雑種が発生する可能性は低くないと思うであります。しかしながら恐らくは魔素の影響で人間側の細胞か遺伝子かが毀損されてしまうと思うであります。従って発生直後に死亡して母体に吸収されるため子供はできないか、できたとしても産み落とされた瞬間に即死してしまうような奇形児になってしまうと予想されるのであります。実験はお勧めしないであります)


 相変わらずの河童語だし、理解できた部分も随分とえぐいこと言ってるな。そんなとこに変なリアリティ求めてねーよ。


 「碌な結果にはならん、らしいな。なぜそんなことを聞く」


 あ、ギーク端折った。

 何故とかいいです。その話、もう続けるのやめません?


[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを殺害しました。

[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを摂食しました。

[INFO] 永劫の飢餓により、摂食物は魔素に変換されました。空腹状態は維持されます。

[INFO] ギークは、レベルが上がった!

[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを殺害しました。

[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを摂食しました。

[INFO] 永劫の飢餓により、摂食物は魔素に変換されました。空腹状態は維持されます。

[INFO] ギークは、レベルが上がった!

[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを殺害しました。

[INFO] ギークは、狂犬マッドドックを摂食しました。

[INFO] 永劫の飢餓により、摂食物は魔素に変換されました。空腹状態は維持されます。

[INFO] 現在の状態を表示します。


 ギーク

  オーガ Cランク Lv6→Lv8 空腹(忍耐)

 【ギフト】

  不死の蛇 Lv2

  唆すもの Lv--

  地図 Lv3

  <---ロック--->

  <---ロック--->

  <---ロック--->

  <---ロック--->

  <---ロック--->

 【種族特性】

  永劫の飢餓(継承元:餓鬼)

  暗視(継承元:小鬼)

  忍耐の限界


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