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天国のお土産  作者: トニー
第二章:赤鬼と匪賊
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2-14. 師匠を獲得、なの

 婦女子を攫ってアジトに帰る。

 うん、これぞ()鬼、鬼の所業ですね。


 この後どうなるかはもう、火を見るより明らかでしょう。というか、明らかにはしちゃいけないあれやこれやです。最終的にはぽんぽん突き破っての グギャーァッ グギャーァッ までがお約束。ぷっくら膨らんだ描写で終わることも多いですか?


 というわけで違和感なく、女ハンターひとりの身柄をゲットです。

 いいえ、決して僕の趣味だけで選んではいません。彼女のおっぱいが大きいとかはあまり関係ありません。


 彼女に目を付けたのはあれです。弓を背負ってましたので習えるかもしれないという期待からです。

 そして彼女凄腕です。ギークの攻撃が掠りもしませんでした。格好いいです。女として憧れます。ヅカです。

 つまり色々と考えた結果なのです。是非とも、彼女にはこの野生児(ギーク)への手ほどきをお願いしましょう。


 俺を貴女の弟子にしてください!


 これです。そしてこれより修行の日々が始まるのです。勿論、戦闘のです。閨のじゃないです。筆卸でもありません。違います。


 閑話休題、てゆうかさ。そもそも領主の軍勢じゃないんだけど。

 コレどういうことよ。


 え? 違うんですかい?

 じゃあねぇッつーの。

 何処の何をどう見たらそう見えるんだこのクサレめんたまな節穴どもめ。抉ったろか?


 武装して追い返そうとした偵察部隊が、アッサリ蹴散らされたんで俺らてっきり?

 てっきりじゃねーよ、どうすんだよコレ。

 やっちまったもんは、もうどーしょーもねーですねー。そーですねー。

 でも、反省はしろよこのクソッタレ共め。


 あ? 若頭、肉として喰っちまう前にはうちらにもちょっと味見を?

 お前マジか? マジで言ってるか? ぶっ殺しますよ?

 反省をしろ反省を。女がどうとかふざけてんのか。


 そもそもあんたら、ちょっと殺られすぎですよね。

 何人死んでんだよちょっと数えてみろよ。

 名前はさっぱりだけど見覚えあるやつが相当屍になっているよ。


 誰かもっと気にしてやったらどうなんだ。女どうこうの前にまず弔えって。

 もうあれだな。こいつら虫だな。うん、きっと蠅かなんかだ。手ぇスリスリとかしてんじゃねー。


 うるさい蠅を追い払う。はいはい、邪魔邪魔。どけどけー。手を出すなー、これは俺のだー。

 こらこらギークさん、いくらなんでもそれじゃ棒読みすぎです。


 しかし一応、赤鬼(オカシラ)にはちゃんと断りを入れておいた方がよいでしょう。

 女ハンター(コレ)貰いますよ。

 キニシロ。よしバッチリ。


 赤鬼オカシラ、別の女ハンター相手に盛っている最中でした。

 細かい描写は憚られますね。せめてアジトに戻ってからにしたらいいのに。

 あんたがそんなんだからとちょっと言いたいがぐっと堪える。言っても仕方ない気がとてもする。


 ん? あれれ? あれって本当に女かな? ちょい華奢な青年なハンターなようにも見えますね。

 ちょっとアングルを変えてみましょう。ああ、これいい角度です。

 うわぁ、わー、わー、ああ、赤鬼(オカシラ)さんそんな、そんな金棒はダメだって。あー、あー。


 堪能しました。

 さあ帰りましょう。



 他の女性ハンターは? うん、助けられるものならそうしてあげたい心情はあります。

 ありますが、厳しいですね。縛りあげられて、意気揚々とお持ち帰りされようとしています。

 みんなの共有財産としてです。取り上げたら暴動が起きるでしょう。

 誰か個人の取得物扱いであれば、まだ借金棒引きとで交渉の余地があったかもしれませんが。


 持ち帰るな? それはこの場で男どもにそうしたように、男女平等で皆殺しにすべきだっちゅー、鬼畜発言ですか? それはちょっと非道くないですか?


 あー、

 このままお持ち帰りされちゃうのと、

 この場でサックリ殺しちゃうのと、

 どっちが非道いのかな。

 どっちも非道であって、どっちがマシということもないような。

 でも生きていればということもあるし。

 大丈夫きっと一線越えるところまではそうそうは行かないのじゃないですかね。

 お前の一線てのはどこにあるのかって? どこでしょうね?


 商人には男しかいませんでした。

 まあ、普通そうだよね。危険があぶないものね。

 切り捨てた男共の亡骸と、こちらの手勢で殺られた分、死体を一か所に積み上げます。

 持ち帰っても使い道がない類の物資と一緒に燃やしてしまうのだと。


 むしろハンターにはなんで若い女性がいたのでしょうね? 不思議です。

 あまり女性向けの仕事とも思えませんが。いやでも女性騎士っていうのも一定数は居ましたね。


 ギークがなんだかジーッと、死体の山を見ています。

 そうですか。食べたいのですか。止めていただきたいです。

 せめて僕が寝ているときにしてください。


 あれ? そういや赤鬼(オカシラ)は食べないのかしら。

 いや、別の意味で現在進行形にお食事中なのは知っていますが。

 赤鬼(オカシラ)がギーク並みに喰っているところ、考えてみれば見たことないです。

 そういう話も聞かないですね。体格並みにしか食べていないと思うのです。

 まあ体格デカいので、もちろん大食漢ではあるが、なんというかギークのようにあるだけ幾らでもな感じではないですね。

 はて、どういうことかな?


 「そんじゃ、やりますぜー!」


 なにか聞こえた。あ、火が付いた。

 メラメラパチパチ。


 「油がちと勿体ないが、アジトのそばをゾンビにうろつかれても困るからなあ」


 誰かが呟いています。

 同感ですけどねー、同胞の死をまず悼んであげようぜー。可哀想じゃん。


 あ、ギーク超哀しそう。

 また今度、狂犬(マッドドック)食わせてやるから我慢しなさい。

 因みに焼いた後の灰はちゃんと持ち帰って、肥料として活用する予定らしい。

 変なところだけ計画的な連中だ。


 山砦(アジト)に戻って。

 師匠(予定)が目を覚ましましたので、頼み込みます。

 ギークには土下座して頼めと命じたのに、拒否しやがりました。勝利した相手に下げる頭はないそうです。

 基本ベースが力こそ全てな野蛮人なので困ったものです。

 もうちょっと文明開化するべきだと思うのです。


 「えー、あー、すまない、あたしには無理じゃないかな、と思うんだが」


 ほらー!

 ギークが土下座しないから!

 今からでも遅くないぞー。拝み倒すんだ! やれ!


 「あまりその、漫才の世界には縁がなくてな。どうも命を救ってもらったようなのに、期待に沿えないのは心苦しいのだが」


 ……、漫才?

 なんのこっちゃ。

 師匠(予定)、まだ寝ぼけてるのかな。


 「なぜそう思ったかは聞きたくもないが、漫才ではない。習いたいのは、身のこなし、それから弓矢の使い方だ。先の戦い、その貧弱な体でよくも俺を翻弄できたものだとは思う。その極意を学びたい」


 その貧弱な体でよくも俺を翻弄できたものだって、おいこらギーク。全世界の女性に謝れ。

 彼女別に貧弱じゃないよ。十分だよ。

 これで貧弱だなんて言ったら天罰がくだるよ。

 女性の敵だよ。


 だってほら、ちょっと触ってみない?

 きっとDランクくらいはあると思うんだよ。

 もしかしらたEまであり得るか?

 ああ、もしそうだとしたら大変だ。いや流石にそこまではないと思うが。


 え? (民間人)ランクの上は(兵士)ランクじゃないのかって?

 え? 何の話?


[INFO] 忍耐の限界により、状態異常「空腹」を堪えています。

[INFO] 忍耐の限界により、状態異常「空腹」を堪えています。

[INFO] 忍耐の限界により、状態異常「空腹」を堪えています。

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