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八話

SP KING CHOOSE大会、略してSKC。それは楽成の2,3年合同でおこなわれるSPを使った大会である。「え、SPを人に使って大丈夫なのか?」と思う人もいるが、そこは安心である。SP大会には フィールド と言う特殊な結界が張られ、そこの中では現実に即した痛みが一切与えられない。ただ、HPとして各自自分の体力に応じたポイントが割り振られ、SPが被弾するごとにHPがけずられてゆくのだ。勿論SPを使うごとにLDは減るが、LDがゼロになっても死なず、またフィールドから出るとLDはもとの値まで回復する。そんなフィールドでSPを撃ち合うゲームなのだが・・・。

「はぁ、SKC大会がどうかしましたか?」

もちろん、俺は出る当てが無い。第一、SP操作に長けた3年がまだ未熟な2年に負けることなぞ、滅多に無いのだ。俺が出ても、ロウキュピテスがいると言うだけであって、SPが使えない俺は即死確定である。

「そのSKC大会のことなんだが、ちょっと商品について問題があってね・・・。」

「・・・はぁ。」

「君も知っていると思うんだが、SKCで優勝・準優勝・三位のチームには商品を渡すんだ。」

「ああ、それは知っています。」

たしか、十万円とか旅行券とか、結構豪華なものだった記憶があるのだが・・・。

「今回の準優勝の商品を、本来ならば聖痕の『光剣』とすべきなのに、なぜか手違いで北海道五泊六日のペアチケットと誤植してしまったんだ。しかし、そんなチケットは存在しない。何回か伝手をあたってみたんだが、春にわざわざ北海道に行くなんて物好きはいないから、そんなツアーチケットはないと言われたんだ。最悪私の自腹を切ってそんな旅行ツアーを作るしかないと思っていたんだが、それだと試算しただけでも300万以上かかるんだよ。流石にそれは、懐に響く。」

「すみません、話の途中。・・・あの、普通に訂正をしたらどうなんですか?」

「いや、もうエントリーが終わってしまったんだ。そしてパンフレットも作られた。北海道五泊六日のペアチケット狙いでエントリーしている人も、少なくないに違いないんだよ。だから、その案は無しなんだ。」

「はぁ・・・。」

「それで、なんとしてもそのチケットは使用させたくない。だが、商品の変更はできない。それならば・・・。」

「自分の息のかかった人間に準優勝を取らせ、誰にも不自然だと思われないような形でそのチケットを回収したい、ですか・・・。」

「なかなか分かっているじゃないか。そういうことだ。」

「で、その役に僕が。」

「ああ。」

俺は頭をかかえる。・・・ほらみろ、やっぱり無理ゲーじゃねぇか。

 しかし、ここで校長に恩を売っておくことは損ではない。俺はため息をつく。

「・・・失敗しても、文句は言わないで欲しいですね。」

「勿論だよ。すまないな、神置くん。ところで、報酬は何を望むんだ?」

さて。校長のことだから、ドラ●もんのごとく、ほとんどの望みはかなえてくれるだろう。おそらく、内申点を底上げや2、3年のテストすべて満点くらいの望みだったら即OKするだろう。・・・しかし、

「じゃあ、僕やロウキュピテスなどが死に瀕したとき、助けに来てください。」

「ほう。それだけでいいのか?」

「まぁ、一応は。」

あまり高望みをすると、何かしらの反動が出るはずだ。

「で、僕のペアは誰なんです?」

そう。SKC大会は、男女のペアではないとエントリーできないのだ。むろん、俺がSKCに誘うことのできる女子は皆無である(もちろん、華は論外)。そんなことは校長も十分承知のはずだ。さて、校長は誰を選んだのか・・・。

「え?いや、それは自分で見つけてきてくれる?」

「へ・・・?」

じゃああれか、俺は今日中に誰か女子のペアを見つけないといけないのか?校長は、もう話はおわったという風に紅茶を飲んでいる。

・・・・・・これはまずい、まずエントリーすらできないかもしれない。

ほらみろ。やっぱり、無理ゲーじゃねぇか。

          *

今日は、六時間授業なので、帰るまで長かった。何故かって、授業の内容が全く理解できないから。どうやって女子を集めよう、誰なら俺とSKCに出てくれるだろうと思い、クラスの女子をガン見していたら、みんなから奇異の目で見られた。っておい、田中に机代。お前らまで俺を奇異の目で見るな。

HRを初出が適当に終わらせて、帰りの準備をしていると、突然華がやってきた。

「すいません神置くん、少し頼みごとがあるんですが。ちょっと廊下へきてください。」

         *

帰るときのメンバーはおなじみの田中 一君と机代 新君、前に紹介した世界一もてない男の唯 業君、久遠、初対面の、田中が頬を引きつらせて紹介してくれた闇水 鋼君(かなり美形で、スタイルも良いのにもてないのか、こんなにも変態な田中になぜ引かれているのかというと、かなり重度の美少女アニオタで、ドM+露出狂だからだ。)などと談笑しながら帰った。・・・まぁ、内容は前にいた女子が俺らの話を聞いたとたん戦慄して、その場に立ちすくんだということからも想像がつくと思う。

「まぁ、そんな 第二次性長期は女子に必要か という話題は置いといてさぁ。」

「じゃぁ、第二次性長期で女子は特有の体つきになるが、なぜその発育は個体差があるのかと言う話をしようぜ。」

「ああ。なぜ、貧乳と巨乳の差が出るのか、か。」

「そうだ、そこだよ。俺は一瞬、スポーツ女子は貧乳が多いと思ったが、羽燕や加奈子などは立派な巨乳だ。しかもくびれており、スタイルも申し分ない。」

「だからと言って、文化女子はまごう事なき神、栞羽がいるだろ。」

「ああ。栞羽は運動が全くできないらしいのに、だ。」

ちなみに行っておくと、保体は男女別。そのせいで、俺らはまだ栞羽の水着姿はおろか、体操服姿でさえお目にかかったことが無い。なぜか、勿論理由は簡単。

「栞羽の体操服姿か・・・。あの自己主張の激しすぎる胸、触れれば折れそうなくらいくびれた腰、そしてまずまずの大きさの腰。体操服と区別がつかないくらい白く、ひとかけらも曇りの無いうなじや鎖骨、艶のある濡れているような黒髪・・・!!!ヒャッホォォォォォォォォ!!!」

『『『『『キャアアアアアアアアァァァアァァ!!変態!!!!!』』』』』

こんな奴らが女子と一緒に保体などしようものなら、女子達の貞操が非常に危険だからである。

「いや、俺はそんな崇高な話しをしようと言ったわけじゃない。後、場所を考えろ。周りの女子がドン引きしているだろう。」

女子達は遠巻きに俺らを見ている。突き刺さる視線が非常に痛い。

「あぁ?」

そういいながら、女子を見回す机代と田中。

「良いじゃないか。全員ハズレのブスだ。」

物凄い女子の(殺気を帯びた)視線が痛かった。

「まぁ、確かにブスと言う点には同意するが、まぁお前らの顔だったら幸運にも彼女ができたとしても所詮あのレベルだろ。ってか、んなことはどうでも良いんだよ。・・・明日のSKC大会、お前らどうするつもりだ?」

「おい神置、マジでお前アレに出るんかよ?」

「そんな暇があったら、俺らと一緒にリア充を駆逐しにいこうぜ?」

・・・そうなのだ。何の理由かこの競技は放課後にやる。放課後?だからどうした、と侮る事なかれ。学生にとって、放課後とはまさにヘヴンズ・タイム。自分のしたいことを自由にできる最高の時間なのだ。そんな時間に、わざわざSKC大会なんてくだらないものをしにいきたくない。しかも何の恨みか、

「なぜ黙る、神置。・・・オイ、今の言葉、冗談だよな。俺がSKCに誘ったってついてくる女子がいないとわかってて俺をおちょくってんのかぁ。異端審議会の十戒に書かれてあるだろう、SKC大会に参加すること無かれ、と。・・・俺だって、SKCに出たいよ!だがなぁ、エントリーすらできねぇんだ!」

「まさか、SKC大会で女子との絆を深めようとしてんじゃねぇだろうなぁ?あぁ?」

・・・そう。繰り返し言うが、SKC大会では、男女のペアで無いといけない。そのため、死線をともにし、SKC大会に出場じたその二人は、90%くらいの確率で付き合うことになるのだ。・・・そのため、普通の人たちはSKC大会を、こう呼ぶ。

・・・S(好きな人に)K(告白する)C(チャンス!)

・・・・・・ちなみに、異端審議会はSKCをこう呼ぶ。

・・・さらって K(殺す)  カップルを

なんとも温度差が激しい呼び名である。

「・・・まぁ、そんなん神置のジョークに決まってんだろう。」

「は?なんでだよ、机代。」

「神置がSKCに誘ってついてくる馬鹿がいるか。付いていったらこいつの性欲が爆発することなんて、女子はわかりきってるだろ?」

「ああ。それで、美味しく頂いちゃいました(てへぺろ★)になることはわかりきっているからな。」

何て嫌な確信の仕方なんだ。あと、俺はそこまではしない!

「なぁ、神置。まさか、俺らをおいて一人だけでカップル路線に乗ったりしないよなぁ?」

「ああ、大丈夫だって。」

「だよなぁ。」

そういい、少し死霊化していた田中や机代は別の話に移る。

そして俺は、なんで(渡りに船とはいえ)あんなことにうなずいてしまったのか、首をひねるのだった。


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