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七話

「栞羽(以下、甲とする)という女子に強制猥褻行為及び教理背信行為を行った者、其の者に対する然るべき対応は終身苦痛永続刑又は・・・死。無量大数が一、甲に誘惑を仕掛け、それが成功し甲が誘惑を行った場合、■■■による■■■■■の為の■■■及び死刑が行われる。・・・・・・さらばだっ!!」

「「「「「憎い殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」」」」」

そんな、俺に光明を与えてくれたのは、

「ゆうまには、私がきちんと話をつけておくから。かえって。」

そういい、狂人の目をした異端審議会の連中の前に立ちふさがった、ロウキュピテスだった。

「でも、ロウキュピテスさん。僕達は、悠真くんを殺さないと、コロサナイト、きモちヨク眠ることができないんです!」

田中、死霊化してる!っていうか、こいつらの上にたまに見える黒髪を振り乱して鎌を持った女(?)はいったいなんなんだろう。

「ゆうまが死ぬと、私も死んじゃうの。・・・それでもいいって言うなら、どうぞ。」

「「「「「な、なんだって!」」」」」

「このクズを、じゃあ俺達は一生殺すことができないのか!」

「神置を殺すことができないなんて、そんなの生き地獄じゃないか!」

「顔も成績もいいから三閥がもてるのはわかるが、顔も成績も糞でごみと言うより生ゴミに近いこのクズがなぜこんなにモテるんだ?!」

「シカタネェ・・・。今日は、見逃してやるか。」

あっという間に消えていく異端審議会。あ、危ねぇ・・・!

「たすかった、ロウキュピテス!お前がいなかったら、もう俺はとっくにコンクリの中、東京湾の下だった!」

「ん。まあまあ役に立つでしょう、私。」

「うんうん。」

まぁ、そんな異端審議会のことはどうでもよくって。

「じゃあ、風呂でも入れよ、ロウキュピテス。」

「え・・・・・・。」

「おい、何で引いているんだ?」

「いや、いくら使徒だからといっても、性欲の解消係として風呂まで一緒に入るのは・・・。」

「いつ何時俺がお前と一緒に風呂入ろうとせがんだ?!」

「いや、「じゃあ、(俺と一緒に)風呂でも入れよ、(お前は俺の使徒だから勿論良いよなぁ)ロウキュピテス?」と聞こえたから・・・。」

「お前の耳はどうなっているんだ!」

とうとうこいつまで異端審議会に洗脳されてしまったのか!

「ジョークはいいから。じゃあ、俺は出て行くからな。鍵をかけろよ。絶対かけろよ。絶対かけろよ!」

「わかったってば。」

そういい、外に出る俺。ドアを閉め、十秒たってからドアを動かしてみようとしたが、ちゃんと鍵をかけたようでビクともしなかった。・・・けっして、俺はダチョウクラブ的なノリで言ったわけではないので、安心した。

「じゃあ、俺は飯でも買いに行くか。」

俺は料理が壊滅的にできないからな・・・。と言う言葉は口の中だけ。おもわず、肉じゃがを作ろうと思ったのに何かわけのわからない物体Xができたことを思い出す。その手口に、思わず母が「錬金術師・・・。」とか言っていたのを思い出す。

・・・・・・普通、料理ができないって言うのは萌えキャラだよね。頭顔スタイルが良くて、優しい人が料理を失敗するから萌えるんだ。こんな高2の男子が料理スキル壊滅的であったとしても、何にもならない。

 おにぎり×4、りんごジュースとジンジャーエールを買って帰ると、実に一時間も経っていた。早く寮に戻らねばと思い、728号室に着くと・・・

「くそっ、扉が開かねぇよ・・・!」

「男三人で体当たりしてなんでびくともいわねぇんだよ!」

「おまえ、SPなんだ?」

「おれは、発火だよ。」

「おれは、変化。」

「おれは、呪文だ。」

「ナイス!よし、確かピッキングの呪文は、」

「おい。俺をなめすぎだぜ?俺の能力が呪文だと決まったときから、ピッキングは勿論、覗きや憑依、透明化や透視、女性化に昏睡呪文を全て覚えた。そのレパートリー、実に150!」

「流石だぜ、兄貴!」

「フッ・・・これくらい当然さ。」

俺の部屋の扉の前で・・・馬鹿なことをやっている(おそらく)異端審議会の連中を見つけた。っていうか、マジでなにやってんだろう?

このままだとやばいかもしれないが、俺が突入すると、即気絶させられ山に捨てられるだけ。犯行を妨害できない。こういうときには、勿論。

「おい、田中?お前、今動けるか?なに、ゲームをしてる?そんなのどうでも良いだろ。こっちに、ロウキュピテスの着替えを覗・・・ツーツーツー」

電話が切れたと思ったら、いつの間にか横に異端審議会のリーダー、田中 一をはじめとする異端審議会のメンバーが30人ほど揃っていた。

そうして、そいつら・・・名前が勝山・白鳥・黒島というんだが、どうでもいい・・・に、静かに近づいていき、クロロホルムと思しき物体を鼻に近づける。すると連中昏倒し、田中は身振りで何かを伝えると、田中と他三人は帰り、残った二十人程度はその三人をぐるぐる巻きにし、どこかへと連れて行った。俺とすれ違うときに、敬礼。情報提供者だからだ。

「おい、ロウキュピテス。開けろー」

と俺がいうと、すぐにドアは開いた。

「俺は風呂はいらんわ。じゃあ、はい、飯。」

それを食した俺とロウキュピテスは、眠ることにした。ちなみに、俺は地べたで、ロウキュピテスはソファで、だ。・・・ねぇ、俺、お前の主なんだぜ・・・?

 深夜二時、なんかうるさいなぁと思い横の部屋のところに耳を澄ましてみると、

「この部屋に住めるなら、俺は80万払う!」

「俺は100万ポッキリだぞ!」

「甘ぇ!150万!」

「ふっ・・・これが、信念の差かな。180万!」

「・・・・・・・・・・・・285万。」

「「「「「な、なんだって!」」」」」

「いままで一言もしゃべらなかったのに・・・。」

「な、なんというムッツリ!流石、「性者」の名は伊達じゃねぇということか!」

とか言う声が響いてきた。・・・285万って何だ、クソ高ぇじゃねぇか・・・。

             *

 朝起きると、まだロウキュピテスは寝ていた。支度をし、ロウキュピテスを起こさないように玄関を出る。気になったので、昨日のオークションの買った人を見てみると、「ナボコフのロリータを研究する会」とかかれていた。道理でロウキュピテスに興味を持つはずだ。

 2―10の扉を開けるときはもうびくびくだった。なにしろ、二日連続で華に蹴り飛ばされているのである。(しかもドアを開けたとたん、弁解もゆるされず。)しかし、今回は何も無く、華はつんとすまし顔でアドルフ・ヒトラーの「我が闘争」を、その隣の男子はナボコフの「ロリータ」を、その前の男子はD・H・ローレンスの「チャタレイ夫人の恋人」を、その横の女子はザッヘル・マゾッホの「毛皮を着たビーナス」を、その前の女子はマルキド・サドの「美徳の不幸」を読んでいた。・・・変な気配がそいつらの周りを取り囲み、半径十メートル以内に人が近づいていない。・・・っていうか華、こいつらの読んでいる本を見て疑問におもわねぇのかよ・・・。

 一時限目、化学。二時限目、数学。俺の苦手分野が揃っている。でも、このクラスにはできの悪い生徒が多いので、あまり俺の馬鹿さは目立たなかった。ちなみに、授業風景をあげると、

化学 「では、田村くん。あなたの知っている薬品と、その化学式を述べてください。」

   「ヘリウムHeと窒素NとタンタルTaとイリジウムIの化合物で、神置悠真(化学式HeNTaI)が生成されます。」

   「違います。では、新省くん。」

   「硫黄SとイリジウムIとネオンNeの化合物で神置悠真(化学式SINe)が生成されます。」

   「違います。あと、死ねと言いたいなら水素(H)を加えてヘボン式で言いましょう。じゃあ、桜田くん。」

   「カルシウムCaと硫黄SとウランUの化合物で神置悠真(化学式CaSU)が生成されます。」

   「違います。あと、話をする時には神置君ではなく先生の方を見ましょう。

とかいう俺の悪口で埋め尽くされたし、(まだ根にもっているらしい。)数学では

  「此処に垂線をひいて見ると、田村くん。どうなりますか?」

  「性こ・・・平行四辺形になります。」

  「そうですね。あなたが授業中どんなことを考えているのか非常に分かりました。では静見くん。その平行四辺形の座標を求めるために、使う点を述べてください。」

  「点H、点´H、点 ´´H、点´´´HHHHHHHひゃっほぅ!!!!」  

  「はい。あなたにこんな質問をした先生が馬鹿でした。あとその二人、後で職員室に来るように。」

とかマジで頭がおかしい。

 四時間目が終わった。すると何故か、先生がお昼を食べ終わったら校長室に来てくださいといわれた。何か悪いことでもしたか?・・・思い当たる節が多すぎる。不純異性交遊に人身傷害、器物破損なんてセンも考えられる。まぁ、ろくでもないことだと思う。・・・っていうか、俺これで校長と二人っきりで会うの二回目なんだが。・・・校長が若くて綺麗な女性だったら良いけど、実際のところはオジサンだからなぁ・・・。

表面上では笑っているが、目は決して笑っていない異端審議会の連中が一緒に飯を食おうと提案してくるのだが、それを丁重に断って、それならば実力行使だ昨日の話を詳しく聞かせてもらおうかとカッターや鋏、金属バットを投げながら追いかけてくる奴らをまいて、俺は校長室へと駆け込んだ。ノックもせずに校長室に飛び込むと、校長は目を丸くしてこちらを見ていた。まぁ、カッターや鋏がつき刺さったりしていて服がボロボロになっている男子生徒がお弁当を抱えたまま校長室に飛び込んできたら誰でも100%驚く。

「・・・・・・どうしたんだい?神置くん。」

「・・・・・・・・・すいません、ちょっと異端審・・・男子の過激派組織に追われていたものでして・・・。ここで飯って、食って良いですかね?」

「・・・そうかい、いいよ別に。じゃあそこで弁当を食べておいて。」

          パクパクパク。

朝、ロクな物を食っていなかった俺は貪るように弁当を食べた。校長は

「・・・で、僕に話ってなんですか?」

校長が出してくれた紅茶とクッキーを食べながら、俺は聞く。校長室、中々悪くない。

「・・・いや、実は明日のSKC大会の件なんだ。」


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