第四話:「魔王は倒しても良いんですか?」
受付の女性の話を纏めると、
一、ギルドは、トップにギルドマスター、その下に副ギルドマスター(副ギルドマスターは、場所によってはいない)、その下に、その他大勢の冒険者、というヒエラルキーで成り立っている。
二、ギルドマスター、副ギルドマスターは、先代のギルドマスターの推薦と、ギルドメンバーの過半数以上の賛成によって就任する。(辞退も可)
三、ギルドメンバーは、基本的に国ではなくギルドに所属する。(例外は有り)
四、冒険者は、それぞれS〜Fまでに分けられ、ランクによって受けられる仕事のランクも変わる。
五、ランクを上げるには、一定数以上の依頼の達成と、本人の申請を必要とする。
六、パーティは、原則として自分の二ランク前後までとする。
七、ギルドメンバー間の諍いには、ギルドは基本関与しない。
八、その他目に余る犯罪行為を行った場合は、ギルド追放となる。
続いてギルドカードの効力としては、
一、ギルドカードを所有している限り、ギルドメンバーとして扱う。
二、ギルドカードは、冒険者の身分証としても扱える。
三、基本的に、どのギルドでも使用可能である。
四、紛失の際は、銀貨二枚で再発行可能。
となる。
「以上です。何か質問はございますか?」
「では一つだけ」
「? 何でしょうか?」
「魔王は倒しても良いんですか?」
僕の質問に、彼女は一瞬ポカンとしたような表情になったが、すぐに笑顔に戻って、
「えぇ、出来ればそれが望ましいですね」
と言って流した。
「それでは、これがギルドカードとなります」
そう言って彼女が手渡して来たのは、見た目は木で出来たクレジットカードのような物だった。
カードを観察していると、
「そういえば、さっきのはどうやったんですか?」
と、問いかけられた。
「さっきの、とは?」
「ほら、さっきの男性達をのしちゃった方法ですよ。どんな魔法を使ったんですか? 肉体強化と未来視を組み合わせたりとかですか?」
若干興奮気味に聞いてくる。
「いや、魔法は使ってませんよ?」
「え?」
「ただの体術ですよ。特に何かをしてはいないです」
「え、じゃあ斧を折ったのは?」
「あれは、てこの原理を応用した物です。少し鍛えれば誰でもできますよ」
「な、なら最初に殴られた時のは?」
「あれは体捌きの一種です」
これに関しては嘘だ。
ぼろが出ないうちに話を打ち切って、カードの観察に戻る。
両面を観察するが、特に何かが書いてあるようには見えない。
頭に?マークを浮かべていると、
「そちらに魔力を流し込む事で、情報が見れる仕組みになっています」
と、彼女が助け舟を入れてくれた。
試しに、指先に魔力を集めてみると、
ビシッ、という音がした。
周りが静かだったので、余計に音が響いた。
よく見れば、縦に一直線に亀裂が入っている。
受付の女性は頬を引きつらせながら、
「そ、そんなに魔力を込める必要は無いかと……」
と言った。
それでも笑顔を失わなかったのは、さすがの一言だろう。
「それほど込めたつもりは無いんですけどね……」
周りの視線が痛い、痛いよ。
「それより、早速なんですが、依頼を受けても良いですか? 早い所借金を返したいので」
と言うと、近くに在った、Fランク用ボード(通称F板)から適当に一枚をはがし、女性に渡す。
「これお願いします」
「え、あ、はい」
もうこれは勢いで乗り切るしか無いだろう。
彼女は、雰囲気にのまれながらも、条件反射で受付の仕事をこなした。
依頼が受け付けられたのを確認すると、その場を逃げるように外に出た。
後から考えれば、逃げる必要は無かったなと思う。
受付の彼女が、ギルドマスターの所に駆け込んだ事を僕が知るのは、もう少し後の事だ。
どうも、全く話が進んでないんじゃね?と思う今日この頃な作者です。
まだまだ続く……かは分かりませんが、どうか長い目で見守ってやって下さい。
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