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先ほど助けた少女を背負い、森を歩いて十分ほどたっただろうか

森の一部が拓けている場所があり、木でできた看板の様なものが中央にあった


[マーハンムラバッサイチ マーハンソンチョウ]


なんだこれ・・・ALLカタカナで書かれてる看板か?


マーハン村伐採地 マーハン村長


でいいのか?多分あってるだろう

こんな看板があるってことは村が近いと思って良いのか?

それにしてもマーハン村って名前なのか

後どのくらいで着くのか分らんがこの方向を維持して行けば着けるだろう



あの伐採地からどれほど歩いただろうか日の傾き方から考えても2時間以上は歩いている

背中の少女は起きないし、村とやらも見えてこない俺の目の前には

丘へと続く道の様なものと休田だろうか手入れのされていない田んぼか畑らしき跡地

後は至る所の堤防が崩れかかった比較的大きな川だ



それからその道をしばらく歩いているとまたもやカタカナで書かれた看板を発見した


[コレヨリサキヒガシ5キロ マーハン ナントウ40キロ バーダイン]


おおおおおお後五キロほどでマーハンに着くってか?

今までの道のりでどの程度歩いたか分らないが

人を背負っていたとしても2~3時間後には着けるだろ

日が沈む前にどうにか少女を送り届けることができそうだ


俺は歩くペースを少しだけ速めて村を目指した



side-----???-----

俺は今自警団の団長就任式の会場にいる

会場といっても村の中央にある少しばかり大きいだけの

集会所でだが、今日此処で前団長が病死したため

副団長だった俺がそのまま団長へと繰り上げ昇進する事が決まった


「マーハン村自警団副団長、マコト・ダールトンを新たに自警団団長として

ここに任命する マーハン村村長ゲドー・ワカバヤシ」


「謹んで拝命致します」


この騎士ごっこにも思えるくだらない就任式をさっさと終わらせて

村の警備をしなければいけないのに村長となぜ自警団全員をここに集めたのだろうか?

私に団長をやれと一言言って終わらせれば言いの物をこんな

めんどくさい式典紛いの物まで用意して何がしたいのだろうか


「今日はただ酒が飲めるな」「後ただ飯な、肉なんて久しぶりだぜ」

「まてまて副長、いや団長の事だから、誰か門の警備に二人くらいは出させるかもだぞ」

「「「「「あ」」」」」


若い自警団の連中がテーブル席で宴が始まるのを目を輝かせて待っていた

確かに酒に肉がでれば若い連中も浮き足立つのは仕方が無い事だ

それに誰を警備に着かせるか・・・

「イゼ私と共に主道の警備だ30分やる悔いの無いように肉を食え

ただし酒は飲むなよ」

若い団員から悲鳴が聞こえて来たがまともに戦闘が出来るのが私を含めて3~4人しか

おらずしかも熟練の団員10名は今

南の街バーダインとの間に最近現れるようになった

盗賊共の拠点を調べに行っている

それに今日は何か胸騒ぎがするのだ、杞憂であってくれればいいが


side-----ダールトンーーーーーout







俺はただひたすら東を目指して歩いていた

ようやくマーハン村と思われる柵に囲まれた村らしき

集落を発見した


俺から見える村の入り口の門の辺りに完全武装の騎士?の様な格好をした男が二人

片方が剣をもう片方がライフルの様な物を装備している

なんだろうかこの世界は・・・ひどくあべこべな気がするのだけど

剣で銃相手に戦えるのか?と言うかあいつ等はなんだ?

村を守ってる騎士か?盗賊とかそう言う奴らにも見えないし

背中の少女の事もあるしここは話しかけるしかないよなぁ・・・ハァ


「こ、こんにちはー・・・あのーここはマーハン村でよろしいでしょうか?」


「ん?ここはマーハン村で間違いないぞ・・・君!その背負っている少女

もしかしてうちの村のアキラではないか!?」


「はひぃ!?ア、アキラ?い、いえ、名前は分りませんが西の方の森で黒い狼に

襲われていたので助けたのですが気を失っていて近くの村を探して

ここまで来たんです」


「黒い狼だと?ナイトドッグか・・・そうか分った有難う

そのまま村の診療所へその子を連れて行ってくれ、イゼ!案内してやれ!」


「りょーかいっす、さっこっちだ熊の少年」


熊の少年???なんだ熊って・・・ハッ、そういえば今着てる服が

熊革のマタギコートだった、なんか変なあだ名を付けられたけど

悪い人じゃ無さそうだし、この子も心配だ早く診療所へ行かないと




診療所は俺の感覚したら酷く拙い物だった

簡易ベッドが二つほどあって医者と思われる眼鏡のお兄さんと

助手と思われるおばさんの二人だけ

医療器具などあるわけも無く、天井から草や何かの球根などがぶら下げれていた


「神父様アキラが腕を怪我したので見てやってください、それに意識もありませんから

たぶん西の森でナイトドッグにやられたと言っていたので毒のせいかと・・・」


「ふむ、ナイトドッグの毒だね、今から薬草を調合するから

マーサさんは腕の治療をお願いします」


「わかったよ、あぁアキラちゃん、まさか西の森に行ってたなんて・・・

いま直してやるからね、ほら!そこのボウヤ!ボケーっと突っ立てないで

手伝いな!」


へ?おれ?イゼさんとか言う騎士さんはなんか足早にどこかへ行ってしまったし


「え?お、俺ですか?」


「あんた以外に誰がいるのさ!今から傷口を消毒するから奥の釜に火を入れてきな!」


「は、はい!」


診療所の奥に行くと神父様と呼ばれてた先生の生活スペースだろうか

キッチンと奥へ続く扉があった、俺はキッチンの釜にライターで火をくべて

水瓶がすぐ脇にあったのでその水を鍋に入れ暖め始めた



それからは激しい戦いだったマーサさんの手伝いをしていたら先生に呼ばれて

薬草とやらをすり鉢で摺ったりして腕がパンパンだ・・・

今は休憩しても良いとの事で脇で座って治療の様子を見ている

ピコーン!ん?この音は周りの目を気にしながら小さな声で

ステータス閲覧を唱える

ソトヤマ ジュンのレベルがあがりました

特殊条件を満たしたため【医療技術】を覚えました

------------------------------------------------------------------

ソトヤマ・ジュン

Lv.4

STR 6-7


VIT 4-5


DEX 7-8


AGI 5-6


INT 6-7


CHA 3-4


LUC 5-6


スキル

New【医療技術】 ★☆☆

【自己ステータス情報閲覧】

【逃げる】 ★☆☆

【狙撃】 ★☆☆☆☆

【学習能力上昇】 ★☆☆☆☆

【機械及び電子工学技術】 ★☆☆☆☆

------------------------------------------------------------------


やっぱりレベルがあってる・・・しかも4になってる・・・

あ、そうか森でも確か狼を倒した辺りでこの電子音が鳴ってたような気がするな

ステータスの前提数値が高いのは前回見てなかったからか

それに医療技術とやらを覚えてるし、よく見ると狙撃・・・とやらも覚えてる

おおおおお!狙撃とかかなり良いスキルなんじゃ無いか?

これLv3のときに覚えてたのか

よし今はやることないしこの二つを確認するか



【医療技術】★☆☆熟練度18/100


【狙撃】 ★☆☆☆☆熟練度10/100


熟練度が上がってる?そうか・・・逃げるとかの場合はまだ逃げたことが無いから

熟練度が0で医療技術は今の手伝いで熟練度を手に入れたのか

特殊条件とやらも医療的行為をするか教わったりすることで覚えるのだろう・・・多分


後狙撃に関しては多分狼を撃ったからだと思うけどどうなんだろうか、それ以外に心当たりも無いし

そう考えるのが無難だな。



そんなことをしているとどうやら治療が終わったようで先生がこちらに近づいてくるのが見えた、

「閲覧終了」


「ん?今何か言ったかい?」


「あ、いいえ何も言ってないですよ」


「そうか、それなら良いのだけど、

それと先ほどまで忙しくて言えなかったが村の子を助けてくれて有難う

この子は僕の友人の娘でね、友人はもうここ居ないが、彼に代わって

お礼を言わせてくれ」


「い、いえ、俺も必死でしたし・・・こんな可愛い子が怪我して倒れてるのに

放置するわけにも行きませんでしたからね」


「彼女を見つけたのが君みたいな青年でよかったよ、ここら辺も最近は物騒になってきたしね

それと不躾な質問かもしれないが、君はこの村には彼女を運ぶことだけが目的で来たのかい?

旅をしてる居るには、カバン一つとはあまりに軽装にみえてね」


「あ、いえ・・・何と言うか、迷って森に入ったら、彼女が恐れていて・・・」


「そうか・・・敢えて深くは聞かない事にするよ、それに君今日の宿は決まっているのかい?

言っておくけどこの街には宿なんてないよ」


そうだった忘れていた・・・宿が有ったとしても今の俺はまったくの無一文どうするか・・・

「いえ・・・それが財布も道中で落としてしまって今無一文なんです

宿があったとしてもお金が払えません・・・」


「そうか、だったらどうだい?診療所の奥にスペースがあるから今日はそこを使っては」


「え?そこは先生の家じゃ」


「アッハハハ、いや僕は教会の方に部屋があるからね、これでも一応神父なんだ、昔薬学を齧っていて

人の為になるかと思い気まぐれで診療所を始めたら、辞めるに辞めれなくてね、今じゃ神父兼医者もどきをしてる」


「そうだったんですか・・・それじゃあ今日はお言葉に甘えさせてもらいます、実はもうクタクタで」


「そうか、分った、キッチンは好きに使っていいからねそれに私とマーサさんで

アキラ君を家まで送り届けるから後は好きに休むといい、じゃあまた明日くるから」


そういって先生とマーサさんはアキラと言う少女を背負って出て行った

俺はもうこの時点で体力の限界ですぐさまおくの扉を開け小さなベッドがあったので

それにダイブして意識を手放した


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