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暖炉の残り火が小さく爆ぜる音と外から鳥の鳴き声が聞こえる

「ん、ん・・・朝か、変な夢を見た・・・・な・・・・夢じゃなかったのか」

知らない天井、と言うより知らない世界に俺が呼び出されたのは気のせいじゃなかったのか

さすがに帰らないと周りが心配するかなと思ったが自衛官でヘリのパイロットだった父は

ある日いきなり帰らぬ人となった、ヘリの故障の為洋上で墜落したのだ。

母さんはその後急に元気が無くなり後を追うようにして父が行方不明になった2年後に

死んだ。


その当時俺は高校一年生になったばかりだった

父方の家の祖父と祖母は俺が幼い時にはもう居なかった

母方のほうは祖父が極左団体の幹部だったらしく自衛官である父との結婚に猛反対し

勘当されている為に会った事も無い。


しかし俺に父と母の遺産が舞い込むと会った事も無い祖父と祖母を含め

親戚がその金目当てにワラワラと集まりだした

俺の憧れだった父さんを悪く言う祖父と祖母からの誘いはすぐ断った

日本の為にその金がどうたら言い出す狂信者に近づきたく無かったから


その他の親戚も赤い狂信者じゃないってだけで只の金目当てにしか見えず

もしかしたら本気で心配してくれ居た人も居たのかもしれないが


当時16歳の俺は一人で暮らすことを決意した保護者には父の友人だった

父が自衛官だった当時の飛行隊の隊長さんが俺の保護者になってくれた。



「淳君、君の今までの経緯は聞いたよ、私が信用できないかもしれない

君の父さんをそして奥さんの雅子さん死なせてしまった自衛隊の一員だからね」


「いえ・・・俺は自衛隊を憎んじゃいません、父さんが死んだの辛かったけど

誰かが悪いわけじゃないって分ってます事故だったんだって・・・それに

ましてや母さんが死んだのは隊長さんのせいでもなんでもない」


「有難う、本当は君に会うまで怖かったんだ、憎まれているんじゃないかとね

養子に受け入れようと決意したがどうしても怖くてね、その言葉が聴けてうれしいよ

だが当時のことは今でも後悔しているよ、どうしてもっと入念に整備させなかったのか

機体の変調になぜ誰も気付かなかったのか、と」


「俺が言うのも可笑しいかもしれませんが

隊長さんが気に病む必要はありませんよ

父さんは誰も恨んで無いと思いますし、今頃母さんと天国で一緒に居るはずですから...」


「あぁそうだな、だが俺には責任があるんだ、アイツが残していった

忘れ形見を育てなければいけないこっちで見守る人間が必要なんだ

だからどうだろうか?もし迷惑じゃなければ私が君の保護者になろう」


「有難うございます、これからよろしくお願いします外山さん」



そんなやり取りもあり俺は外山淳になったその後は北海道に駐屯している義父さん

の環境もあり俺は地元の新潟で一人暮らしをする事となった

その2年後俺の18の誕生日の前日に外山さんは交通事故で呆気なく逝ってしまった

俺の誕生日を祝うために態々北海道から新潟に向かう空港へ向かう際に

大型トレーラーに追突され死んでしまった、車の中からはよく電話で話していた

俺の好きなアニメ作品のロボのプラモデルや北海道の特産のお土産が沢山出てきた



また俺は一人になった一時期トレーラーの相手を憎んだしこの世界に神様なんて居ないんじゃないかとも

思ったしこのまま俺の愛する家族三人が待っている天国に自分から逝こうとも考えた

だけど当時の友人や教師など周りにこれでもかと言うほど励まされ

色を失った俺の世界にまた色が灯り始めてそうして

今の俺があると思う


大学に入ってからは仲の良かった友人たちは県外に行き連絡はたまにしているが

俺の放浪癖をしているからあまり心配しないだろう

ちなみに自慢じゃないが高校は出席日数ギリギリだった余っている金で

色んな国へ行っていたからな、ただし外山さんとの絶対の約束で卒業はした

し大学へも入学を果たしたそんな俺だし大学を辞めるかもしれないと零していていたので

友人はそこまで心配しないだろう


心配するとしたら寡黙で無表情な☆HIKIKOMORI☆な

幼馴染くらいだろう、まぁそれもどうだか分らんが

そんな感じで俺が行方を眩ませても大勢に迷惑をかけはしないだろう

一応幼馴染の翠には悪いと思っているが・・・サーセン



そんな事をぼんやり考えていると段々目も覚めて来たので

朝飯を食おう、うん、朝飯は大事だよね

今日は昨日のMREの残り二つのチキングリルセットの内の一つだ

残りが一つになるが近くに人里があると信じて食おう

腹も減ったし


今回のMREのメニューは


グリルチキン、これはまぁ美味しかった昨日のハム野郎に比べてだが


クラッカー(アップルソース)、アップルソースが結構美味しくいただけた


メキシカンライス、前回と同じ轍を踏まないように暖炉に薪をくべてその熱で暖めた為前回より格段にマシになった


ココア、外の雪を溶かして金属コップ(こいつも昨日見つけたいた)入れこれまた暖炉の熱で溶かして暖めてから美味しく飲んだ

前回の粉末ジュースもあるが


紅茶、紅茶のパックも入っていたがこいつは昨日手に入れたバッグへINした、俺はまだまだお子様口なので

紳士飲料水の良さがいまいち分らない、将来は紅茶の似合うオレンジペコな紳士に成りたいものだ



そんな感じで朝飯も終わり銃を持ちマガジンをポケットに入れその他の弾薬はカバンの中で散らばらないように

使用済みのMREのパックを雪を溶かした水で洗い流し綺麗にして乾燥させてからそのパックの中にぶち込んだ

蓋はなぜかカバンに元から入っていたガムテープで止めた


準備が終り昨日見ていなかった台所脇の戸を開けて最後の家捜しをしたらなんとコートが出てきたのだ

なぜか熊革?の様なマタギが来ても違和感が無さそうなコートが、だ

しかしそれ以外に寒さを凌げそうなものは無くめぼしい物もコート以外見当たらなかったので

のこ廃屋を後にして村とやらを目指そう、地蔵印のコンパスを使い東を確認した後に

目の前のに広がる森に入った



森に入ってから2時間ほど歩いただろうか薄く積もる雪に足をとられて思った以上に体力を奪われ

休憩できる場所を探していたとき

パァン!パァン!パァン!

森のどこかから銃声が響いた

それほど距離が離れて居ないであろうその銃声の場所を目指して俺は気付いたら走っていた

そしてその時の自分の行動に将来感謝しながらも、なぜ危険もなにも考えずに突っ走ったのかと苦笑するのは今はまだ先の話

今後はぼちぼち書き溜めながら週に1~2話ずつくらい投稿していきます

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