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寒い・・・・・俺が最初に感じたのは肌を刺すような寒さだった
「な、なんで? 」
先ほどまで自室でゲームをしていたのに気が付いたらそこはあたり一面に広がる銀世界
いやいや、おかしいだろ!なんでだよ!さっきまで部屋にいただろ!?
心の中で叫んでみても声に出して叫んでみても変わらずそこには俺と銀世界
一面の銀世界に一人でいる孤独感に耐え切れずに俺は叫ぶしかなかった
「誰か!誰かっ!誰かいませんかぁあああ!?」
「なんだ、騒がしいなぁ・・・・・・俺様ならここにいるぞ」
なにやら声が聞こえてきたが辺りを見回しても誰もいない、よくよく見回してみても
雪、俺、雪、地蔵、雪・・・地蔵?さきっきまであったか?こんなの
さっきまでは気付かなかったのか笠を被った地蔵がそこにいた
「そんなに見つめるな、男に見つめられても嬉しくもなんともねぇ」
「え?えっ?お地蔵様?なにこれ・・・」
喋る俺様地蔵がめんどくさそうに、いや実際どうやってるか分らんが
めんどくさそうな表情を作り語りだした、実際に表情がある訳じゃないが
そのように感じる不思議ってやつだ
「最初に言っておくがここはお前の暮らしていた世界じゃない
ここは俺様が作った世界だ、まぁお前の所の神様に頼んで色々裏技を使った世界だけどな」
え?お地蔵様の世界?なにそれ・・・コワイ、それに裏技?なんのことだろう
「まずはお前は俺様によってこの世界に呼ばれた、まぁお前で無くても良かったんだが
講義サボって朝からゲームしてる大学生から無作為に選んだんだ」
え?それって物凄くさっきまでの俺ですどうもありがとうございました....
「それでお前が選ばれた、向こうの神様に言ったら、お前はどうせ来週死ぬ運命だったから
持って行っても世界への影響はほぼゼロらしく快諾してくれたよ、それと因みにお前の死因だがな
真昼間に隣の家が火事になってそれが飛び火、気付かずそのまま焼け死んだ
朝までネトゲしてるからだボケ」
そんな・・・俺の人生って・・・
「まぁそんな訳で今ここにいるわけだな、さっきも言ったが裏技ってのはお前の居た世界の文明をもらった
、まぁ貰ったって言っても文明だけだけどな、この世界では謎の古代文明、神の時代とか言われてる
、まぁ文明を殆ど設定も無くぶち込んだから時代背景も分らない超文明って所だ
だがそんな裏技を使ったのにこの世界の人間どもはまともに文明の遺産を使おうとしない
それどころか神の遺物を触るのはダメだとか言い出す輩までいる始末でな、
なんの為に俺様が上司に頼み込んだのか・・・ハァ」
なんだこいつまるで自分が神様の一員だとでも言いたいみたいな
「ん?俺様は神だぞ?お前がどう思おうが関係ないがな」
え!?神様?お地蔵様って仏様じゃ?あれ?
「この姿は適当だここにあったから憑依しただけの話
んでだ、話を戻すとこの世界に文明を置いたは良いが多くがそれの意味を理解せず、
使うことも避ける輩もいる、だからその文明を知っている奴をこの世界に呼び出し
起爆剤になってもらおうと思ってな、これもプレゼンでは賛成意見が多かったんで
採用したんだ、だからお前は文明を復活させろ」
プレゼン・・・神様会議ってやつか?だんだん神様に対するイメージが崩壊していくな・・・・
「フンッ、勝手な想像を抱いて勝手に落ち込むのはどうでもいいが
俺様は神だぞ?しかも優しい神様だ、だからお前をこのままこの世界に放り出すのは
可哀想に思えてな、所謂チート能力をくれてやる、だが最強の生命体になるとか
超野菜人になるとかそんなチートは世界を歪ませる要因になるからやれんが
そうだな。レベル制での身体能力上昇とスキル会得で良いだろう
あとは学習能力向上と文明の遺物をうまく扱えるように機械類等の技術知識をくれてやる」
そりゃスーパーな野菜人になったら星のひとつくらい破壊できそうだもんなぁ・・・
「えっと・・・俺はRPGみたいなレベルがあって戦ったりしたらレベルが上がって
強くなれるってことですか?お地蔵様」
「そうだ、あと俺様はお地蔵様じゃねぇ!そうだな仮にユングとでも名乗って置こうか
もし気が向いたらまた此方からお前に会いに行くからな
ここから東に向かうと村があるこのコンパスをやるから後は自由に行動しろ
俺様は仕事が溜まってるんだ、それじゃあな淳」
「え!?いきなり?まって、まってくれよっ俺はどうしたら・・・本当に消えちまった
お地蔵様が空に向かって消えていくってドウ見ても成仏したようにしか見えなかったなぁ・・・」
・・・・・・寒い、忘れてたけど俺は今部屋着のジャージ上下しか着てない、神様の親切心かジョギング用の靴を履いているが靴下は無い
後は貰ったコンパスと去年バイト代を貯めてかった感情さが売りの腕時計しかない
と、とりあえず村とやらを探したほうがいいか・・・このままじゃ凍死しちまう
side----???----
「ふあぁぁよく寝た」
昨日は村はずれの森まで行って樹液集めで忙しかったから疲れてて良く寝れた
ミルガの木から出る樹液で作ったシロップは甘くておいしいし今日当たり隣のマーサおばちゃんに樹液を渡して
シロップを作って貰わなきゃ。
それにしても最近は雪が多くて嫌になる
森の魔獣も雪のせいで冬眠するか獲物が少なくかなり獰猛になっていて
あまり深く森に入れないから暇だ
僕は畑仕事はあまり好きじゃないし、そもそも冬場は畑は・・・
そうだ!北の森じゃなくて西の森に行けばいいんだ!なんで今まで考え付かなかったんだろうか
自分がバカみたいだ、そうと決まれば思い立ったが吉日ってね、早速マーサおばちゃんに頼んでお弁当つくってもらおう
そして今日は樹液だけじゃなくて出来れば兎かなにか獲物が取れれば良いのだけど
僕の持ってる父さんの形見の拳銃じゃ大きな獲物には心もとないし、それに弾も高いから、弓を持っていこう
まぁ現地に到着してから考えよう、まずは準備だ!おばちゃんにいろいろ頼まないと行けないし
side-----???-----out
何も無かった雪原を歩くこと小一時間程、俺の目の前には一つの小屋、と言うより小さな平屋建ての家?があった
これはどう見ても人が住んでる村には見えない、だとしたらこれがあの俺様地蔵が言ってた文明って奴なのか?
とりあえずこの寒さを凌ぐ為にここで休憩しよう
ギィイイ古いドアが悲鳴を上げながら開くとそこにはつい先ほどまで誰かが居た様な新しさと
長年放置されていた痛み具合が混然としていて妙な違和感がある
よく見るとテーブルや椅子は傷んでおり使い物になら無そうだ
ただ暖炉、それに冷蔵庫とキッチンは使い古された感はあるもののまだまだ現役といった感じがする
「それにここ・・・電気が付く、これもお地蔵チートの一つか?」
とりあえず壊れている椅子を薪にして暖炉を使わせてもらうか、
火はテーブルの中央に灰皿と痛んだタバコのパックだったと思われる残骸と共に年代物のジッポが置いてあった
「こういう渋いZIPPOに憧れてたんだよなー、タバコすわないけどやっぱかっけーなぁ」
このZIPPOライターは有難く使わせてもらうとして後は種火になりそうな痛みきって読めなくなってたり
ページが張り付いて開けない本などを使わせてもらう
「でも一番気になるのは」
俺が目線を動かした先にあるのは両開きの南京錠がかかったキャビネット
南京錠はお地蔵チートの劣化しにくい物なのか簡単には壊れそうは無い
ただしキャビネット自体はかなり朽ちていて止め具も腐っているのか
開き戸がガタガタ鳴る、よし開いてみよう中に何があるのか
大丈夫だ人が住んでると思えないこの家なら泥棒と言われることも無いだろう、多分・・・
それに住民の目の前で箪笥や壷を漁る某勇者よりマシだ
ガタガタ、ガタガタ、ガンッ!ガンッ!ガンッ!
「ハァハァハァ、なかなかやるなキビネットよ!しかし次の一撃で最後だっ!」
物言わぬ朽ちかけたキャビネットと格闘すること数分最後には俺の渾身のタックルで扉に使われていた
止め具が完全に折れたのかガシャンジャラジャラと言う音共に南京錠とその鎖ごと倒れた
ピコーン!ソトヤマ ジュンのレベルがあがりました
レベルが2になった為【自己ステータス情報閲覧】ができるようになりました
レベルが2になった為スキル【逃げる】を覚えました
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ソトヤマ・ジュン
Lv.2
STR 5
VIT 3
DEX 6
AGI 5
INT 6
CHA 2
LUC 4
スキル
New 【自己ステータス情報閲覧】
New 【逃げる】★☆☆
【学習能力上昇】 ★☆☆☆☆
【機械及び電子工学技術】 ★☆☆☆☆
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え?なんだこれ、レベルアップ?しかも倒したのはキャビネット??
こいつ敵なのかよっ!しかもなんかスキルとか言うのが増えてるってなんなんだ!?
落ち着け俺まずは深呼吸だ、ヒッヒッフー、ヒッヒッフー
ふー落ち着いてきた、やっぱ伯父さんが教えてくれた呼吸法はさすがだぜ!
それでなんだったか・・・そうだスキルだスキル
まず初めに【自己ステータス情報閲覧】か俗に言うパラメーターとかステータスってやつ?
スキルもなんか知らんが星マークが付いてるし
目の前にいきなりホログラムみたいな画面が現れるし
なんだよこれ、お地蔵チートこんな事までできるのか、
でもあって損する物でもなさそうだし
今は細かいことは置いておいて確認してみるか
それにLvが上がる前のステが分らんがまぁ気にしないで置こうか
STRこいつは所謂力強さって奴だな 5がどのくらいの強さか分らないが
他の能力の中では平均的な数字だ
VITが頑丈さとか生命力だよな確か、これが3か・・・打たれ弱いって事か俺
なんかこの先不安になってきたぞ
次にDEXこれが器用さとか命中力だよな、こいつが6他のステータス欄にある能力の中では
一番高いのがこのDEXとINTだよな、攻撃力だけ高くてDEX低くて敵に当たりませんとか
笑えないからこれは有難いな
んでAGIこれはー確かアレだよな素早さ、普通だな俺の中では平均的な数字だな
次はINTこれは賢さだな賢さまでステータスにしちまうのか、完全にゲームじゃねぇか
でも6はこのINTとDEXしかないから貴重な成長項目か・・・
後の二つCHAってなんだ?赤い彗○か?赤い○星が2、ロリコン仮面が二人・・・悪夢だ・・
CHAってのは後で考えるとしてLUCが4だなLUCが運のよさだとすると
そこまで運が悪いって訳でも無さそうだな《まぁ、その運が何を引き寄せるのかって見方もあるんだがな》
ん?いまなんか聞き覚えのある声が聞こえたような気がするけど気のせいか?
まぁいいか。
んでスキル、スキル名を押すとなんか能力の詳細が見える全部押してみたけどこんな感じだ
【自己ステータス情報閲覧】
自分のステータスを閲覧できるようになります(発生条件ユングからの加護)
【逃げる】★☆☆熟練度0/100
逃げ足が速くなります熟練度を上げるとより早くなります(発生条件AGI値5到達)
【学習能力上昇】 ★☆☆☆☆熟練度0/100
物覚えが良くなります、記憶力が良くなります(発生条件ユングからの加護)
【機械及び電子工学技術】 ★☆☆☆☆熟練度0/100
機械や電子工学等に強くなります、簡単な修理等ができるようになります(発生条件ユングからの加護)
うーんステータス閲覧は今やってる確認作業が出来る能力って事で分るが
逃げる、学習能力上昇、機械及び電子工学技術この三つの能力がなぁ
逃げるに関しては逃げるのが上手くなるなるんだよな、これは分りやすいが
どの程度影響が有る無しで出てくるのかしかも後の二つが星五つなのに対して三つだしなぁ
まぁ今は深く考えず手に入れたことを有りがたく思っておくしかないか
それでユング(お地蔵)からの加護とやらで手に入れた三つの能力の内気になる二つ
【学習能力上昇】
これはあれだよな勉強が出来るようになる頭が良くなるって感じかな?後は記憶力だけど
知識だけなのか、人の名前や、地名とかも知識と同じように覚えが良くなるのか
そこらへんは未知数だがこれも今は置いておこう
最後に【機械及び電子工学技術】だが子が一番適当な説明文じゃないか?
機械に強くなるとか修理が出来るとか・・・でもあっても損は無さそうだな
古代文明とやらの遺物だったかを見つけたら色々分ってくるかもな
それはそうといきなりのレベルアップでテンパって忘れてたけど
これどうやって消すんだ?
「えっと、消去・・・きえねぇ、画面消去!むぅ・・・
閲覧停止!閲覧終了!おっ消えた」
ということは「閲覧開始!あれ?出てこないステータス閲覧、あ、出てきた
なんかめんどくせぇな、まぁ使い方分ったからいいか」
ん?そういえばなんか忘れてるような・・・・・・・・・・・・
あぁ!キャビネットの中身、暖炉の熱が部屋全体にやっと回ってきて
気が抜けてる上に今の出来事ですっかり忘れてたぜ
さっそく中をご開帳~ぐっふっふ、君の中には何が詰まってるんだい?
俺に見せてご・・・ら・・・ん?
なんだ?黒い布?に巻かれた物体が一つそれに金属製の箱が一つ
まずはこの布を被った怪しい物体を確認してみるか
布を取り払ったらそこから出てきたのは一つの銃だった
前の世界ではアニメ、ゲームが大好物なオタクだった俺には
こいつの名前が分るP220しかもスライドの先端近くには
9mm拳銃の刻印と共に桜に錨のマーク
こいつは海上自衛隊に納入された9mm拳銃って事か
また珍しい物が・・・
と、するとこの箱は弾薬か?
ガチャリ
無造作にその金属製の箱の蓋を開けると
「やっぱり!9mm弾と予備なのか?マガジンが一つか、これはやっぱりこの世界には
魔物とか居るんだろうか、お地蔵様に聞いておけばよかった!なんで忘れてたんだ俺ってば
だけど一応警戒して持ってい行くべきだよな、それに俺ミリオタだし
こんな異世界に一人で手ぶらでほっつき歩くのも怖いしな」
知識だけなら銃の使い方は分る部屋は暖まってきがたまだ悴んでいる手でどうにか弾薬を装てんして
マガジンを銃本体に差し込む
そしてもう一つのマガジンも同じように弾を入れポケットにしまう
銃は安全装置をつけてズボンのベルト部分にさしこ・・・・・・俺ジャージやん
入れるところがねぇええええ
仕方が無いので手に持ちながら歩くとして今はテーブルの上にでも置いておこう
そしてまだ見てない冷蔵庫の中身をチェックだ
ガチャリ
「瓶コーラ2本、MRE三つ、後は何も無いか、ん?なにかの鍵?なんだこれさっきの南京錠か?」
冷蔵庫の中身はコーラ日本に、MREが三つちなみにNoはNo.5(鳥のグリルセット)が二つにNo.1(ビーフステーキセット)が一つだ
「なんで自衛隊の戦闘糧食じゃなくて、MREなんだちくしょう・・・銃は海自のだったのに」
なんでまずいMREなんだ・・・まぁCレーションが出てこないだけマシか
Cレーションは悪評しか聞かないからなそれに比べMREは大分美味くなったと聞くし
それになによりこれもお地蔵チートか腐ってるようには見えない
多分食べれるだろう
手に取ったビーフステーキセットを片手に暖炉の前に座り込むなぜ椅子が腐ってたのにソファーは若干古くなってる感があるものの
無事なんだろうとか考えつつ弾薬ケースを簡単な机として使い飯用意し始める
まず結論から言おう、ビーフステーキセットとあったが訂正する、ハムだでかいハムの様な肉と付属の過熱器具で
暖めたにも関わらず微妙に暖め切れていない味付けされた米が主食だったここの米は不味かった
後は粉末ジュースの粉パック(チェリー風味)とクラッカー、ビーフジャーキー、チョコバーだ
粉末ジュースは水が無いので先ほど冷蔵庫の横で見つけた手提げ袋に入れておく
飲み物はコーラがあるしな、それにちゃんと栓抜きも見つけましたよ?
そしてジャーキーこいつが思った以上に強敵だった不味くはないが美味くもなく味が濃く
物凄くしつこいこいつを食いきるのに一番時間が掛かった
あとはチョコ、まぁチョコは市販の物なのか商品名が書いてある袋に包まれた
チョコキャラメルだったまぁ若干甘過ぎる気がしたものの、疲れてた俺には調度よかった
少し量が多過ぎるがな・・・・・
総じて微妙な評価の飯を食い終わると外も日が暮れており、行き成りの事ずくめで自覚しないながらも
自分の体は非常に疲労しているようで・・・・・・もぅ無理、お休みなさ・・・・い、バタッ、スゥ
連続投稿します