第6話 両想いなんて絶対ない! ⋯ないよね?
―― 天海ひより視点 ――
放課後、帰り道。
私はユウと並んで歩きながら、ずっと頭の中がぐちゃぐちゃだった。
……両想い、ねぇ。
神様(砂場から出てくる奇行の人)の言った解除方法。
スキル対象外の人物と両想いになる。
つまり、私とユウが両想いになったら解除されるということらしい。
いやいやいや……ありえないでしょ。
ない。
絶対にない。
だって私はユウの幼なじみで、毎日世話を焼いて、小さい頃からずっと近くにいて。
……って、そういうのじゃないから!
歩きながら、無意識に頬を触る。
さっきからずっと熱い気がする。
◇
「ひより、今日……本当にありがとうな。レンから助けてくれて。」
ユウが照れ臭そうに笑う。
……その顔やめてよ。
なんか心臓に悪い。
「あんなの放っとけないだけよ。ってか、あんたがレンのことを好きなんて思うから問題なのよ。」
「いや!俺は男に興味ないし!?」
「知ってるわよ。どうせ、イケメンかっこいいとでも思ったんでしょ?」
「思った……かもしれん。」
「そこよ。それやるとスキル発動するのよ。」
「イケメンや女の子みたら、かっこいいとかかわいいとか思っちゃうじゃん!?」
「知らないわよ。」
そう言いつつ、つい笑ってしまった。
ほんと……昔から変わらないな、こいつ。
だけど胸の奥はざわざわしている。
両想い……ねぇ。
もし仮に、ありえないとは思うけど、ユウが私をそういう対象として見たら。
ないない。
絶対ない。
だってユウは昔から私に対して……。
「ひよりってさ、なんか頼りになるよなぁ。ずっと一緒にいると落ち着くっていうか……。」
「なっ……!」
ちょっと待ってそれはズルい!
唐突にそんなこと言われたら、心臓から変な音がする。
「な、なに急に……褒めても何も出ないわよ……?」
「いや、本当にそう思っただけで……その……なんか最近、ひよりが一番安心できるなって。」
「…………。」
沈黙。
え、それ……それってそういう意味じゃないよね?
ただの幼なじみとしてよね?
ね?
頭の中がわたわたして、口がうまく動かない。
「ひより?どした?顔赤いけど。」
「う、うるさい!赤くないし!」
赤い。
自分でも顔が熱くなっているのがわかる。
……もう。
なんなのよ。
ユウは私を見て笑っている。
その笑顔が妙にまぶしくて、くすぐったい。
こんなのと両想いとか考えるなんて、ばっかじゃないの。
私は自分に言い聞かせる。
私はユウのことが、ちょっとだけ気になってるだけ。
ちょっとだけ。
ほんのちょっと。
でも、好きとかじゃない。
断じてない。
「ひより、また一緒に帰ろうな。」
「……私が一緒じゃないとユウはいろんな人に絡まれて大変そうだから、仕方なく私が一緒に帰ってあげる。」
……あれ?
なんか……悪くないかも。
そんな自分がいちばん信じられなかった。
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。




