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神様から恋愛チートのスキルをもらったのに、彼女だけが振り向かないんだが!?  作者: 白熊 猫


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第4話 チートの解除、無理すぎね??

朝。

俺は教室に入って三秒で悟った。

今日も……モテすぎて……しんどい……!!

「ユウくん、おはよう!」

三条アカリが爽やかに腕を組んでくる。

「あ、あのっ……昨日書いた詩の続き、読んでほしいの……。」

百瀬ユキがノートを差し出す。(題名:『君の呼吸のリズムで世界が脈打つ』なんか怖い)

ほんとチートって……便利じゃなくて……災害じゃん……!

「ほらあんたら、ユウの心のキャパオーバーするから離れなさい。」

ひよりがずいっと間に入ってくる。

まるで編集者に守られる売れっ子新人作家みたいな扱いだ。

「あ、ありがとう……ひより……。」

「礼なんていらないわよ。あんたがこのままじゃ、精神的に倒れて保健室で点滴コースだから。」

「そんな未来予知やめて!そんなことにはならないから。」

でも確かに限界は近い。

このままじゃ……俺、社会的にも精神的にもダメになる……。

よし、決めた。

チート解除だ!!



俺は放課後、ひよりを引っ張って砂場へ向かった。

「ちょ、いきなり腕つかまないでよ! 誰かに見られたら――。」

「ひより、一緒に来て。チートスキル解除の手伝いをしてほしい。」

「……は?何を言ってるの?」

砂場の前に立つ。

そして――お約束のように呼んだ。

「神さまぁぁぁ! 出てこい!!」

ズボッ。

「呼んだか?」

「出てくるの早すぎ!」

「今日は浅めに埋まっておったのでな。」

「砂に埋まる前提をやめろ!!」

とにかく、俺は神に訴えた。

「チートスキル……解除したいです!」

「ふむ。」

神はヒゲをしごきながら言った。

「解除方法は三つある。」

「三つもあるの!?」

「だが全て困難だ。」

「もう既に嫌な予感しかしない!」

横でひよりが腕を組む。

「……神様にチートスキルってほんとのことだったのね。それで、その3つって何よ。」

神は指を1本立てた。

「うむ。1つ目はスキルを上回る純粋な愛を、誰かから向けられることだな。」

「つまり、チートより強い愛情を受ければ……スキルは無効化されると。」

「そんな都合よく本気の愛なんて向けられないよ!!」

「ユキちゃんから既に向けられてる気がするけど?」

ひよりが冷静に言った。

「いやユキちゃんのポエムは純粋というより熱量100%だから……!もはや何か怖いぐらいだから!」

「失礼よ。それはそれで純粋よ。」

「ひよりが普通に擁護してるの珍しい!」

「失礼ね。ユウ以外には私も普通に優しいのよ。」

「なんで、俺以外なの!?」

ちょっとした絶望感に浸っていると、神から声がかかった。

「そろそろ、次にいっていいかの?2つ目の解除方法は、スキルを授けた神より上位の存在に頼むことだな。」

「上位……って、何?」

「わしの兄とか姉とかだな。」

「神様って家族制なの!? 設定ゆるっ!」

「兄が管理職でな。わしは下っ端でな……。」

「身内の事情暴露しないで!なんか切ない!?」

「ただし、上位神は滅多に出てこぬし、気まぐれだ。」

「つまり現実的じゃないと」

「そういうこと。」

ひよりが小声でつぶやく。

「……あんた、下っ端の神なんかにチートスキル任せるからこういうことになるのよ。」

「返す言葉もない。いや、下っ端とはいえ、神様なんだけどさ!?」

「おぬしら、下っ端下っ端っというでない。神じゃぞ。」

神の後ろに哀愁が漂っている。

「3つ目の解除方法は、スキル対象外の人物と両想いになることだな。」

「…………。」

「…………。」

「…………。」

3人とも無言になった。

「え、それ……ひよりしか……いなくない?」

「気づいたか。」

「ちょ、ちょっと待って!?その理屈おかしくない!?なんであたしなのよ!」

「スキルが効かぬ者と両想いになれば、スキルは必要なしと判断されて消えるという仕様なのだ。」

「そんな乙女ゲーム的仕様ある!?」

ひよりが顔真っ赤になる。

「てか待て、両想いって……。」

俺もなぜか急に心臓がドキッとした。

ひよりは、耳まで赤くなりながら言う。

「べ、別に!あたしがユウを好きとか、そういうんじゃないから!!解除方法として言ってるだけで!」

「じゃあ俺は――。」

「言わないでいいから!!」

「ひよりの反応が青春すぎるんだけど!?」

「うっさい!!」

神はしれっと言った。

「まあお主達が両想いになれぬのなら、解除は無理じゃな。あきらめよ。」

「放置しないでください!?こっち修羅場になりそうなんですけど!?」

「ではな、人間よ。わしは砂に戻る。」

「帰るの早っっ!!」

神はズボンッと沈んでいった。

本日の仕事、終了らしい。

残された俺とひよりは――沈黙。

砂場の前で、妙に距離が近い。

「……あのさ、ひより。」

「な、なによ。」

「解除……どうする?」

「……知らない。でも、あんた1人がしんどそうなのは、見てられないわよ。」

ひよりが目をそらしながら、ぽつりと言った。

その横顔が、いつもよりちょっとだけ可愛く見えてしまった。

ああもう……チートより……ひよりが一番厄介だ……!

俺は心の中で頭を抱えた。


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