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神様から恋愛チートのスキルをもらったのに、彼女だけが振り向かないんだが!?  作者: 白熊 猫


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第3話 幼なじみは今日もツンデレ

―― 天海ひより視点 ――

最近、ユウが騒がしい。

いや、元々騒がしいんだけど……その、なんていうか。

違った意味で騒がしい。

教室に入れば女子がわらわら寄っていくし、廊下を歩けば誰かしらが声をかけてくる。

まるで学園のアイドル。

いや、チヤホヤされすぎて、もはや宗教の教祖みたいでもある。

なんなのよ、あれ……。

私は机に頬杖をつきながら、ユウの横顔を見る。

女子たちに囲まれて困ってる顔。

困るくらいなら最初からヘラヘラ笑わなきゃいいのに。

……とうか、完全に変よね。

だって少し前まで、ユウなんか友達さえ少なかったというのに。

……神ねぇ。

まあユウだし、空想の友達くらい出来てもおかしくないけど。

でも……昨日のあれは……。

三条アカリちゃんは、ユウの隣で目をキラキラさせて、「ユウくんと特訓する!」なんて宣言するし。

百瀬ユキちゃんは、真っ赤な顔でポエム渡してたし。

「砂に落とした一粒の恋心があなたの足跡で波紋を広げる」とかなんとか……。

悲しいけど、ちょっとだけ良い表現だったの悔しい。

……おかしい。

これは絶対何かある。



昼休み、屋上へユウを迎えに行くと、案の定女子二人に囲まれていた。

私は二人の間をスッと割ってユウの腕をつかむ。

「はいはい、ちょっとユウ借りるわよ」

「え!? 天海さん!?」

「ず、ずるいです……!」

「ずるくない。幼なじみ特権」

私は意味不明な理屈でその場を制した。

なんか勝てた気がした。

てか……あの二人、攻めるの早すぎない?

心の中で苦笑しながら、ユウを連れて階段を降りる。

腕をつかんだままなのに気づいて、そっと離す。

……なにやってんの、あたし。

別にユウのことを意識してるわけじゃない。

ただ、見てて危なっかしいから。

あの人、好意向けられるとすぐテンパるし。

「なぁ、ひより……あのさ」

「なに?」

「……みんなの態度、やっぱり変だよな。」

ユウはしょんぼりしながら言った。

幼犬みたいな顔で。

……ずるいわね、その顔。

「まあ、変よ。確実に何かやらかしたわね、あんた。」

「神にチートスキルもらっただけで……。」

「だけって、いろいろとおかしいじゃない。」

本当は笑いたかった。

でもなんか、胸の奥がそわそわして、素直に笑えなかった。

だって……チートスキルって、つまり……。

他の女子はユウに夢中になってる。

あれはユウの魅力じゃなくてスキルのせいなんだろうけど。

でも……なんか気に入らない。

そう思ってしまった自分に驚く。

「ひより?」

「な、なによ。」

「最近……ひより、ちょっと冷たくない?」

その一言に、心臓が跳ねた。

ちょ、なに急に……!

「べ、別に……いつも通りでしょ。むしろあんたのほうが、最近女子にデレデレされすぎで変わったんじゃない。」

「ち、違う!あれはチートのせいで……!」

「知らないわよ、そんなの。」

そっぽを向く。

なんか、妙に――むずがゆい。

……なに、この感じ。

昔からこんなことなかったのに。

「ひより……もしかして、その……嫉妬とか……。」

「――してない!!」

階段に声が響く。

顔が熱い。

絶対赤くなってる。

「ユウなんかに嫉妬するわけないでしょ!」

「あ、あぁ……そうだよね……。」

ユウは少しだけ、残念そうに俯いた。

……あれ?

ユウの残念そうな顔を見ると、ちょっと罪悪感が出てくるのはなんでなの?

「……ほら、一緒に帰るんでしょ。行くわよ。」

私はふっと息を吐いて歩き出す。

ユウの足音が後ろからついてくる。

……まあ。

チートがどうとか関係なく……。

あたしは、ユウが困ってたら放っておけないだけなんだから。

そう自分に言い聞かせながら。

でも胸の奥は、

なぜかほんの少しだけ、くすぐったかった。

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