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神様から恋愛チートのスキルをもらったのに、彼女だけが振り向かないんだが!?  作者: 白熊 猫


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10/10

第10話 日常最高!⋯⋯と思ってたら地獄が復活したんだか!?

スキルが解除された翌日。

俺は生まれて初めて、平和という概念を噛み締めていた。

登校しても女子が飛んでこない。

レンも普通に「おはよー、真田くん」と挨拶を交わすだけ。

なんだこれ。

超平和。

「……はぁぁ~~……最高……!」

俺は机に突っ伏して、涙が出るほど感動した。

「よかったわね。」

隣でひよりが微笑む。

昨日愛してると言われて真っ赤になった子とは思えない、落ち着いた顔だ。

……いや、ちょっと照れた顔もしてるか……?

「ひより、ほんとにありがとな。マジで救世主だった。」

「……別に。たまたまよ。」

ひよりはそっぽを向くが、耳がほんのり赤い。

日常……。

戻ってきたんだな……。

――と、その時。

突然、胸の奥がポクンッと跳ねた。

「あれ? なんか今、変な感じが。」

ひよりが俺の顔をじぃーっと見てきた。

「……ユウ。なんか今、光ったわよ?」

「光ってない光ってない! 俺は妖精じゃないし、光らないから!?」

「いや、光ってたわよ。今度は何したの?」

その直後。

「ユウくん……今日、なんかすごく……いい匂いする……。」

「ユウくん、今日いつもより神々しく見える……。」

「真田くん……私、またあなたのこと……ちょっと気になって……。」

女子たちが、わらわらと集まってきた。

ひよりが静かに呟く。

「……おい。」

「は、はい。」

「スキル発動してるじゃない?」

「ぎゃあああああああああ!!!!!」

俺の絶叫が教室に響いた。



十分後。

俺は校舎裏を全力疾走していた。

「近寄らないでええええ!!!」

「ユウくん待ってー!」

「ユウくん! 私のポエム読んでほしいな。」

なんでだよ!!

解除されたんじゃなかったのかよ!?

ひよりに愛してるって言ったのは黒歴史になる覚悟だったのに!

 は必死に逃げながら叫ぶ。

「ひよりぃぃぃ!! 助けて!!!」

振り返ると、ひよりが腕を組んで歩いてきた。

「……昨日、解除されて喜びすぎて、逆にスキルが目を覚ましたんじゃないの?」

「そんなことあるの!?そんな仕様ってこと!?」

「なのかしら?」

冷静すぎる。

「なんとかしてくれーー!!!」

「昨日、愛してるの一撃で解除されたんだから……もう1回、言ってみれば?」

「無理無理無理無理!!あれは奇跡の勢いだったんだよ!!今は無理ー!」

ひよりは眉をひそめ、顔を赤くしてそっぽを向く。

「……じゃあ、そのままにしていれば?」

「……言います。」

この子ほんと強い……。

女子たちが追い迫る中、俺はひよりの前に立った。

「ひより……っ!」

「な、なによ。」

「もう1回だけ言うぞ……。」

ひよりは真っ赤になりながら目を逸らす。

「べ、別に……私はどっちでもいいけど。一応、聞いておくわ……一応……ね?」

うわあああああああああ言いづれぇぇぇぇ!!

でも俺は振り絞った。

「――ひより!!俺、ひよりのことを愛してるぞ!」

――その瞬間。

 背後から三条アカリの声が飛んだ。

「ちょっと真田くん、それ私にも言ってよ!」

「私にも!」

「真田くん、僕のことはどうなのさ?」

……あれ?

みんなの様子が変わらない。

「昨日と違うわね。言葉ぐらいではだめなんじゃない?」

ひよりは呆れ気味にそう言う。

いや、なんで、今度はだめなのさ。

昨日と何が違うの!?

ひよりは額に手を当て、ため息をついた。

「……ユウ。」

「なに……?」

「あなたの日常、もう二度と戻らないわよ。」

「ぎゃあああああああああああ!!!!!」

こうして、平和な日常はわずか半日で幕を閉じたのだった。



―― 天海ひより視点 ――

みんなから逃げるユウを見送りながら、そっと息を吐く。

昨日はいきなりだったこともあり、ユウのことがほんの少しかっこよく見えたけど、やっぱりだめね。

私を落としたいなら、せめてキスの1つでもしてくれないと。

「一瞬だけでなく、ずっと私を本気にさせてよ。」

顔が赤くなると感じつつ、そっと呟いた。

これで本編は終わりです。

年末年始の短編どうでしたか?

楽しんでもらえてたら嬉しいです。

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