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神様から恋愛チートのスキルをもらったのに、彼女だけが振り向かないんだが!?  作者: 白熊 猫


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第1話 チートは最強、ただし対象外がいる

お昼休憩の校庭で、俺――真田ユウは、人生初の「神との遭遇」に震えていた。

「では授けよう、人よ。恋愛成就チートスキル<ラブマキシマイザー∞>を。」

光り輝く老人(自称:神)は、なぜか校庭の砂場から生えてきた。

「な、なんで砂場から?」

「出やすかったのだ。」

「地上へのワープ、雑すぎません!?」

神は杖を振りながら説明した。

「このスキルはだな、お主が好意を抱く相手に使えば確実に恋愛が成就する万能能力である!」

「まじすか神様!!」

「うむ。ただし――。」

神は急に顔を曇らせた。

「1人だけ……効果対象外がいる。」

「え?なんで??」

「ぶっちゃけ、仕様だ。」

「仕様って言っちゃったよこの神様!?」

「仕様は仕様じゃ。さらばじゃ!」

ともあれ、俺は恋愛チートを手に入れた。

これで人生勝ったも同然!

わっはっは。

勝った。

俺の時代、来たーーーーー!!!!

ターゲットはもちろん、俺が幼少期から好きだった幼なじみ――天海ひより。

教室に戻り、ひよりの隣に座った俺は、さっそくスキルを発動した。

よし……効果発動!

これで、ひよりは俺を好きになってるはず!

「ん? ユウ、顔にご飯粒ついてるわよ。さっさと取りなさい。」

ひよりは無表情で俺の顔にびしっと指をさす。

なんか、いつも通りだ。

あれ……?

チートスキル……効かない……?

「ねぇユウ、あんた校庭で砂場に話しかけてたって噂だよ。ついに砂と会話できる段階に進化したの?」

「いや違う!あれは神がいて!」

「へぇ、砂神?砂場で何か作ってたの?」

「ちがうって!!」

「まあ、ユウがついに砂場で1人で遊ぶレベルまで友達減ったのは知ってるけど。」

「減ってない!1人も減ってない!ただ、元から少ないってだけで。」

どうやら、ひよりにはチートが全然効いていないようだ。

慌てて砂場に戻り神様を呼び出すと、すぐに砂場からまた神が生えてきた。

「ひよりにスキルが効いてないんだけど!?」

「仕様変更はできませんな。」

「だから仕様って言うな!」

「対象外は世界の理だ。まあ、諦めよ。」

「俺の好きな人だけ例外って、このスキル全然使えねー!」

「仕様は仕様。諦めるんだな」

神は肩をすくめて言葉を続けた。

「むしろラッキーではないか?チートに頼らず落とせる最後の女ということだ。」

「ラスボスみたいに言わないでください!」

「……ふむ。ラスボスよいではないか。では、がんばれ。わしは砂に帰る。」

神は砂場にズボンッと沈んでいった。

「帰り方も雑!!」

こうして俺は、恋愛チートスキルを手に入れたのに、幼なじみだけ攻略不能という地獄のような恋愛ゲームに挑むことになったのである。

いや、せっかくチートスキル手に入れたのに、使えねー。

そもそも、本当にチートスキルくれたんだよね!?

実はスキルなんてありませーんってことないよな!?



翌日。

教室に入った瞬間、なぜか周囲の女子からスポットライトのような視線を浴びていた。

……なんだ、このアイドルが出勤したみたいな空気は!?

「真田くん、おはようっ!」

元気系スポーツ少女の三条アカリが、朝日よりまぶしい笑顔で手を振ってくる。

「お、おはよう?」

「今日のユウくん……いつもよりかっこいい……かも。好き。」

今度は文学少女の百瀬ユキが、頬を赤く染めてガン見してくる。

おいおいおい……!

これは……まさか、チートスキルの効果が発動してる!?

本当にチートスキルあったの!?

でも、俺がいいなと思った子にだけ効くんじゃなかったっけ?

いや、よく考えると昨日、ひよりに効果がないことに絶望して、勢いで女子全員をちょっとだけ可愛いなと思ってしまった気もするけど……。

や、やば……脳内の曖昧さが、スキルで拡大解釈された!?

「ユウくん……今日のノート、見せてもらってもいい?」

「わたしも!あ、あの、実は昨日あなたの夢を見て……。すぐに会いたくて。」

「な、なんかモテ期きたーーー!?」

「……騒がしいわね?」

そんな女子たちの中を、スッ…と一陣の風のように割って入ってきたのが、俺の幼なじみ――天海ひよりだった。

「はいはい、ちょっとどいて。ユウの席潰れてるでしょ。」

ひよりは女子たちを手で軽やかに分ける。

その動き、もはやベテラン職員の交通整理のようだ。

「ひよりさん、ユウくんを独り占めとか許されないよ?」

「そうよ。真田くんはみんなのアイドルよ?」

「アイドルじゃない!俺は普通の男子高校生だから!」

ひよりはため息をついた。

「で、ユウ。何やらかしたの?」

「何って……別に……神からチートスキルもらっただけで……。」

「その別にの幅が広大すぎるのよ、あんたは。それにスキルって。」

ひよりは腕を組む。

「まあいいけど。モテるのは良いことよ。どうせすぐ飽きられるでしょ。」

「え、ひどくない!?」

「昨日砂場で神様と話してた男よ? それだけで充分ネタとしての旬は過ぎてるでしょ。」

「俺の賞味期限1日かよ!!」



昼休み――。

俺は逃げるように屋上へ向かったが、すでに二人の女子が待ち構えていた。

「ユウくん、はいこれ!お弁当作ってきたの!」

三条アカリが爽やかスマイルで差し出す。

「わ、わたしも弁当を……その、食べてほしくて……。」

百瀬ユキが視線を泳がせつつ、手作り弁当をもじもじと差し出す。

あ、あぁぁ……これがチートの力……怖すぎる……!

「ちょっとアンタたち、ユウにそんなに食べさせて、太らせてどうするのよ。フォアグラにでもするつもり?」

ひよりがスタスタと現れ、俺の後頭部をぺしっと叩いた。

「ユウ、あなたのスキルめちゃくちゃね。ユウの頭は元々バグってるから、スキルもおかしいのかしら?」

「俺じゃなくてスキルだけを責めてよ!!」

「まあ、ひとつだけ言っておくけど……。」

ひよりはじっと俺を見る。

その視線だけが、不思議とチートスキルの影響を受けていない。

「……周りがどう騒ごうと、あたしは流されないから。」

その一言が胸にズキッと響く。

なんで……そこだけ、ちょっとかっこいいんだよ……!

「はいはい、ちょっとユウ借りるわよ。」

「え!?天海さん!?」

「ず、ずるいです……!」

「ずるくない。幼なじみ特権。購買へパン買いに行くわよ。」

ひよりはそう言うと、俺を連れて歩き出した。

「え、俺を連れて?周りの人が煩くならない?」

「大丈夫よ。それに、あんたがモテるところ見るの、逆に面白いからいいわ。」

「ひよりー!!その性格どうにかして!?」

――こうして俺の学園生活は、攻略不可ヒロインとなぜか全員攻略完了してしまったハーレムという謎の状態で、騒がしく幕を開けるのであった。



年末年始の短編です。

全部で10話ぐらいです。

基本毎日投稿しますが、読み忘れないようにブックマークしてください!

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