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【10万PV感謝!!】中年ニートの異世界転生 大魔導士スキルを貰い今度こそ気ままに生きる  作者: 村居 赤彦
ルブリス王国編

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第九十話


翌朝、唐突にアイに起こされる。

「ん、おはよう。何かあった?」

と寝ぼけた状態で聞いてみると

「おはようございます。と言っても既に日は登っていますよ。

今日はお昼までにルブリス王国に入るのでしょう?」

と言われ

「ああ、そうだった~」

と背伸びをしながら答える。

外に出てスキル解除、テントの片づけをした後残りのパンとお惣菜で朝ご飯を食べる。

朝食を食べて少しまったりした後、ルブリス王国に向けて歩き出す。

「今どのくらいの時間かな?大体午前10時くらい?」

と聞くと

「いえ、時間に例えると午前8時30分くらいでしょうか」

と答えた。

「なんだ、まだそんな時間か~。

起こしてくるからてっきり昼近くまで寝てたのかと思ったよ」

と返すと

「起こさなくても良かったのですが、そうすると本当にお昼近くまで寝てしまう可能性もあったので」

ルブリス王国が近くだからと少し油断していたようだ・・・

ルブリス王国近くとはいえ、一応探知魔法をかけながら歩いていく。

昨日の夕方の事もあり、歩きながら空を見上げて魔物が飛んでいないか確認しながらグリフォンの事を考えてみる。

「グリフォンの群れかぁ。

流石に地形が変われば出てくる魔物も違うなぁ、アクレア公国の時もグリフォンがいたみたいだし。

エンシェントドラゴンが食べちゃったけど」

としみじみと言う。

「あの場でエンシェントドラゴンより先にグリフォンの群れに遭遇しなくて良かったですね。

貴方が先にグリフォンの群れに出会っていたら、今頃は創生神様の所に戻っていたかもしれませんよ?」

朝から縁起でもないこと言うなよ・・・

「グリフォンってどのくらいの強さなの?

その時の数にもよるんだろうけど・・・」

とアイに聞くと

「仮に群れの数が8体だとすると、今の貴方が全力を出しても倒せないと思います」

と返って来た。

「え?そんなに強いの?」

と聞くと

「当然その時の戦い方にもよるでしょうけど、複数で同時に襲われ、しかも連携を取った攻撃をされた場合はまず勝ち目は無いかと思います」

連携を取る?

「連携って・・・そんなに頭が良いの?グリフォンって?」

魔物でも連携攻撃をしてくる事があるのか?

「それはそうでしょう。

グリフォンともなれば同じ群れとは言え、オークやリザードマンなんかとは比較になりません。

今までの相手が優しかっただけです」

優しかったって・・・あれで?

リザードマンはどうとしても、オークの時は結構ギリギリだった記憶があるけど・・・

そんな雑談をアイと繰り広げながら歩いて行くと、ようやくルブリス王国の検問所が見えてきた。


検問所に到着して担当兵士2人に登録証を見せる。

「因みにどちらから来られたんですか?」

と聞かれたので正直に

「リックス王国から来ました」

と答えると

「またまた~、冗談はよしてくださいよ~」

ともう1人に笑いながら返されたが

「本当ですって。ここに来るまでの間に

(自分達は勇者一行だ)

と名乗る冒険者パーティーにも遭遇しましたし」

と言うと

兵士は唖然とした表情で

「ほ、本当に歩いてきたんですか・・・確か大体4日かかる道のりを1人で・・・?」

と兵士2人が驚いていた。

「因みに出会った(自称勇者一行)の事は忘れてください。

実はこの国は今現在、鉱山からの採掘量が減ってきてまして、新たな鉱脈が見つかるまでの間勇者を仕立てて何とかこの国の評判を保とうとしてるんです」

と1人の兵士が小声で言うともう1人の兵士が

「実は今の国王様は採掘量が減って結構精神的に参ってるんです。

採掘量が減ると他の国に輸出する鉱物が減るし、そうなれば当然国の財政も悪化していくので。

それで頭の悪そうな冒険者パーティーを勇者を仕立て上げ旅をさせて、その活躍が有名になればと・・・

まあそれを国王様が言い出した時は唖然としましたが、国王様の苦労を目の当たりにしてるともう誰もツッコめなくて・・・」

色々と大丈夫か?その国王様・・・

「大丈夫ですか?兵士のお二人がそんな事を部外者の俺に言っちゃって?」

と聞くと

「兵士や臣下の殆どは呆れてますよ。

なので勇者パーティーの事は街の人達にも敢えて知らせていません。

きっと他の国の人達もあんな連中は相手にはしないでしょう。

あの冒険者パーティー達も暫くすれば自分達がバカをやってるって(おの)ずと気づくでしょう」

と他人事の様に言い放つ。

手続きが終わり、街に入る前にいつもの質問を。

「あ、そうだ。ギルドの場所とこの街でオススメの宿ってあります?

例えば食堂と一緒になってるとか、リーズナブルだけどいい宿とか」

と聞くと

「ああ、それならこの大通りを真っ直ぐ行った左側にある<リンクル>という宿かな。

食堂が併設されてるし、店主はアクレア公国で修行して来たので料理の味もいいし、値段も平均的だからオススメですよ。

ギルドはそのリンクルのもうちょい先の方で、右側にあるデカい建物がそうです」

と言うと

「ああ、話してたら腹減って来た。

早く今日の勤務終わらないかなぁ・・・リンクルの料理食べてぇ~」

ともう1人が愚痴をこぼす。

「ありがとうございます。助かります」

と言いながら街の中へ入っていく。


言われた通りに歩いて行くと、<リンクル>と書かれた看板を見つけた。

宿の場所を確認すると、もう少し歩いてギルドの場所を確認しておく。

少し歩くと右側にデカい建物を発見する。

どうやらここがギルドの様だ。

「なんでこんなにデカいんだ?他の国のギルドより一回り近くデカいぞ・・・」

と呟くとその独り言を聞いた街の人が

「あんた、この街は初めてか?」

と聞かれ

「はい、さっき到着したばかりなんです」

と言うと

「なら知らないのも当然か。

このギルドは鉱山で潤っていた頃に建て直された建物なんだ。

それまでのギルドは他の国とは比較にならない程ボロボロだったんだが、鉱山のおかげで財政が潤って、先代の国王様に王位が渡ってから新たに建てたんだよ。

しかし、先代の国王様は少し見栄っ張りな所があってな。

(国の第2の顔になるギルドがボロボロではいかん!)

て事でこんなデカく建てられんだよ。

まあ今は財政が厳しくなりかけていて、大規模な修繕もここ最近できていないから、この建物があとどのくらい持つかは誰も分からんがな」

と苦笑いを浮かべながら教えてくれた。

「ああ、あと今の国王様は少し変わってるから、変に活躍し過ぎて目を付けられない様にな。

下手したら勇者に仕立て上げられて、面倒事に巻き込まれるぞ~」

と笑いながら去っていく。

なんだ、もう街の人間にも知れ渡ってるじゃん、あの自称勇者の事・・・

ギルドの場所も確認したので、とりあえず商店街の場所も確認してから宿に行く事にした。


一通り思いつく場所を回ってリンクルに到着する。

中に入り

「こんにちは~。

1人なんですが、空いてますか?」

と聞くと中年の女性が

「はい、大丈夫ですよ」

と返って来た。

良かった~、空いてるみたいだ。

「因みに食堂は夕方からですよね?」

まだ陽が暮れる前。どの店も夜営業の為に仕込みをしている時間帯だ。

「ごめんなさい。まだ仕込みを始めたばかりだから~。夕方まで待ってもらえますか?」

と言われ

「はい、大丈夫です」

と返し、指定された部屋に入る。

装備を外して暫くまったりしたり、アイと雑談をしていると夕方になった。

部屋を出て食堂に行ってみるとお客さんが何人か入っていて、中年男性と若い男性が2人で厨房で料理を作っている。

席についてメニューを見ると、どこにでもある平均的なメニューだった。

配膳をしていた若い女性を呼び注文をして、到着した料理を食べる。

口に入れると今までより何故か美味しく感じた。

(やっぱりその場での作り立てだから美味しく感じるのかな~?)

とか考えながら料理を平らげる。

お代を払い部屋に戻る。


部屋に入って椅子に座り一息つく。

ん?そういえば食堂で注文を取りに来た女性、宿の受付の女性に似てたな。

よく思い出してみれば厨房にいた男性2人も年齢こそ親子ほど離れてはいたがどことなく似ていた。

家族経営の宿なのかな・・・

そんな事を思っていると

「この街での目的は何か見つかりましたか?」

とアイが聞いてきたが

「目的?そうだなぁ~、特にないなぁ~。

あ、あまり目立たず依頼をこなして国王に目を付けられない様にする事かな」

と笑いながら昼間に街の人に言われた事をなぞって言ってみる。

「それはそうですね」

とアイが返す。

「後は、魔物討伐の依頼をいつも以上に気を付けながらこなす事かなぁ。

放棄された鉱山の中に入るとなると、考えたくはないけど崩落の危険もあると思うし」

鉱山が舞台になっている昔の映画を見ると、<崩落事故>という場面が出てくる。

映画で描かれるという事は実際にそういう事故があったという事。

この世界でもあり得ない事ではない。

「その可能性は無いとは言えませんが、限りなく低いと思いますよ」

と意外な返答が来た。

「え?この世界で鉱山の崩落事故とかないの?」

と聞くと

「魔物とはいえ危機察知能力はあります。

崩落の危険性があるかもしれない場所を自分の住処にする訳ありません」

との事。

魔物もちゃんと選んで住んでるのね・・・

ベッドに寝転びながらそんな雑談をしながらいつの間にか眠くなってきた。

「眠くなってきたからそろそろ寝るよ。おやすみ、アイ」

と言うと

「おやすみなさい」

との言葉と共にこの日は眠りについた。



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