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【10万PV感謝!!】中年ニートの異世界転生 大魔導士スキルを貰い今度こそ気ままに生きる  作者: 村居 赤彦
第五章 リックス王国編

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第七十九話


翌日。

リップといつ宿を出るか打ち合わせをせず、お互いの部屋に分かれてしまったがこんな朝早く部屋には来ないだろう・・・という事で(ほぼ)毎朝恒例の魔力精錬の修行をする。

いつもの如く集中して修行を終える。

目を開けると目の前にリップが驚愕の表情で俺を見ていた。

「リップ!?何で部屋にいるの!?」

と俺も驚くと

「何で!?じゃないわよ、アイカワさん。バルシス王国にいた時より凄い事になってるじゃない!

魔力が体から漏れ出てたわよ!」

と驚きの声を上げる。

「やっぱり毎日この修行してるの?いつもどのくらいの魔力を精錬してるの?

時間はどれくらいやってるの?」

と矢継ぎ早に質問されたが

「ちょっと落ち着いて。1つ1つ答えるから」

とひとまずリップを落ち着かせる。

「まずは頻度だけど、出来るだけほぼ毎日してるよ。

流石に数日跨ぐ依頼の時は出来ないけどね、駐屯地の任務中の時とか。

精錬してる魔力量だけど、個人的にはそこまで量を多くしてるつもりはないよ。

精錬した魔力で放つ魔法は強力だし、日に日に大きくしていっても使う場所や状況が限られるから。

あと時間だけど、そうだなぁ。そこまで時間をかけている訳ではないよ。

俺が主に行うのは朝で、依頼を受けに行く事も考えるとそこまで長くしている訳ではないよ」

と聞かれた事について丁寧に説明した。

リップはその言葉を聞き逃すまいといった表情でずっと聞いていた。

「ダンさんにも言われたけど、結局は毎日少しずつするのが肝なんじゃないかな。

俺は多少飽きっぽくて<コツコツ努力し続ける>ってのが苦手だけど、目を瞑って少しの時間集中するだけだから何とか続いてるんだ」

との一言を追加する。

「そうかぁ。毎日かぁ・・・」

と真剣な表情になっているリップを見て

「いやいや、俺と違って今まで魔導士としての修行をしてきたなら出来るでしょ?

俺でも出来るんだから」

と言うと

「そうねぇ。頑張ってみるか!」

いや、今までは?と思わず出そうになったが

「じゃあ、どうする?朝ごはん食べてからギルドに行く?」

と聞かれたが

「そうだなぁ。いつもは食べずに行くんだけど、今日は食べるか」

そう言いながら立ち上がり、食堂に向かう。

軽めの朝食を済ませた後、ギルドへ向かう。


ギルドに到着し掲示板に向かう。

流石にというか、当たり前と言うかそれなりの数の依頼書が貼られていた。

「ダンカン達といた時はどんな依頼を中心に受けてたの?」

とリップに聞くと

「変わった内容の物は受けなかったわ。ごく普通の

(目的地まで護衛してくれ)とか(魔物を退治してくれ)とか。

あんまり面倒くさそうなものは受けなかったわね」

と返された。

「まあ、そりゃそうか。なにか良さげな依頼はないかなぁ~」

と掲示板を眺めていると

「あ、これなんか良さそうじゃない?」

と依頼書を手に取って見せてくる。

<商品輸送の護衛任務>

場所はスリングの街まで?近すぎないか?なんの商品かは分からないが、なんか怪しい・・・

「却下」

とリップの提案を却下する。

「ええ~?なんで~?」

とリップが不貞腐れた表情をすると

「あのねぇ、俺達今2人しかいないんだよ?

護衛任務って普通パーティー単位で臨むものでしょ?

トリナーレ村の時みたいに複数の魔物や盗賊に襲われた時に、俺達2人だけじゃ輸送している商品はおろか依頼を出している人すら守れないでしょ?」

と却下する理由を説明する。

「う、そ、そうか・・・じゃあ、どれにするの?」

と聞かれると

「これなんかどう?単純な魔物討伐だよ?えっと・・・オークの巣だって」

と俺が手に取った依頼書を見せると

「オークの巣!?たった2人で!?本気で言っているの!?」

と驚かれてしまった。

「本気さ。

リップはバックアップに回ってくれれば良いし、それに2人しかいないからって選り好みしてたら、Dランクでの依頼なんてなにも受けられないよ?

それに討伐系の依頼はもうこれしかないし。

それとも恥を忍んで1つ下のEランクの依頼を敢えて受け続ける?

それならそれでも良いけど?」

とリップを諭す。

暫くリップが黙り込んだ挙句

「あ~もう!そこを突かれると、何も言い返せないじゃない!

わかった。これにしましょ!」

と納得する。

受付に依頼書を持っていくと

「受け付けました。

討伐終了後の確認作業もあるので、城の兵士が同行します。

但し、兵士は討伐には参加しませんのでご了承ください」

との説明。

「数は分かってたりするんですか?」

とリップが聞くと

「確か、最低でも4体は確認されてます」

との事。

4体かぁ、なら多く見積もっても倍くらいだって思っておけばいいか。

「では、1度お城に寄ってください。場所は城の兵士が案内しますので」

あ、依頼書の裏に場所が書いてなかったのは、その為か。

覚悟を決めたリップと共に、リックス王国のお城に行く。


お城の門に向かう途中、リップと色々雑談をしながら歩く。

内容は俺がバルシス王国を離れてからどんな依頼をこなしたかとか、駐屯地の内容はどうだったかとか。

「そう言えば風の噂で伝わってたわよ?

ナイトスパイダーの群れの襲撃を撃退した魔導士がいたって。

あれってアイカワさんなんでしょ?」

バルシス王国にまで伝わってたのか。

「うん、そうだよ。あの時は大変だったわ~」

とあの時の事を思い出しながら歩く。

「確か異常種って呼ばれてたけど、そんなに強かったの?」

と聞かれ

「強かったけど、問題は倒したその後だったかなぁ」

と返す。

「倒した後?何か問題でも起こったの?」

「かなりの怪我人が出てしまって、治療魔法が出来て魔力が残ってる魔導士が俺しかいなくてね。

一か八かである事をしてみたんだ」

と当時の状況を思い出しながら

「魔導士を数珠繋ぎみたいにして、俺が精錬した魔力を複数の回復魔導士に同時に送り込むって方法。

キリアナ王国で瘴気の浄化をする時にダンさんがしていた事の逆をしてみたんだ」

と1度立ち止まり、落ちていた木の棒で地面に簡単な図を書いて説明する。

「良くそんな方法を思いついたわね。その後大丈夫だったの?」

と驚かれたが

「最終的に魔力を使い果たして気を失ったよ。

次に目を覚ましたのは、診療所のベッドの上だったけど」

と苦笑いをしながら言った。

「でも、怪我人は全員治療出来たよ。

魔力を使い果たした反動で、2日間は何も出来なかったけど。

それに結構突拍子もない方法で印象に残ったのか、駐屯地やコンラド共和国で自己紹介すると

(あー、あの時の!)ってなったよ」

なんて話しているとお城に到着する。

門番の兵士に依頼書を見せると

「あ、しばらくお待ちください」

と言われ、そのまま待つ。

少しすると兵士が2人程出てきて

「では、場所にご案内します」

と言われ兵士の後をついて行く。


森の中を歩いて行くと洞窟の入り口に到着して

「この中になります。

我々はここで待っているので、終わったら一旦出てきてください。

再度確認の為、もう1度入ります。

無理だと思ったら引き返してきてもらって大丈夫です。

その場合は報酬は当然お支払いできませんので、ご了承ください。

説明は以上になりますが、何か質問はありますか?」

と聞かれたが

「いえ、ありません」

と言うと

「では、お気をつけて」

と兵士達が見送り、俺とリップは洞窟の入り口へと入っていく・・・



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― 新着の感想 ―
楽しく読ませてもらいました。 ちょっと気になった点は国と国が近いくらいですね。
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